私たちは今、水や食の汚染、環境汚染など多くの問題を抱えた時代に生きています。私たちの生命をつなぎとめる大切な『食』、そこにも汚染や食材自体の栄養素の低下が見られます。ほとんどの化学肥料は作物の成育には必要なくとも人間の栄養に必要なミネラルを土壌に戻さないため、土壌の質は現代農法によって低下してしまいました。現在では以前の栄養価と比べて格段の低下、ひどいものは栄養価ゼロという食材まで出てきました。
一例をあげますと、ほうれん草では、1950年から2000年の50年の間に、ビタミンCがわずか23%、鉄分は15%になっています。私たちの食物はこれまで信じてきたほど栄養価が豊かではなく、人間が都合よく頭で合理化を考えるほど現実はうまくいっていないようです。そして除草剤や殺虫剤などの農薬もそれに追い討ちをかけています。さらに食品として我々の手元にくる前に好ましくない化学物質が収穫後や加工の際に商品価値のためだけに使われていることもあります。
日本の厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬局(FDA)が多量摂取の懸念から食品含有量の表示を義務付けたトランス脂肪酸、獣肉などに含まれるオメガ6脂肪酸、EPA、DHAでおなじみの魚類に含まれるオメガ3脂肪酸などの脂質や、人体の酸化ストレスから身を守る抗酸化食品などが健康上の話題にのぼっていることはご存知のことでしょう。
現在の日本では、『食』の西洋化に伴い、肉食化が心臓病やガンなどの台頭を許しており、病気までもが西洋化してしまっている傾向が見られます。こうした現代の食生活が、日本人の3人に2人の死因になっている高脂血症、動脈硬化、高血圧、心疾患、脳卒中、脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病を生みやすくしています。
食材のほかに、食を支えるもう一つなくてはならない大切なものがあります。
それは、水です。最終的な栄養素の運び手であり、同時に老廃物を体外に捨てる体の清掃役を担っているのが水なのです。人の体に占める水の量は約6割、人の大半が水なのです。水が不足するということは、単なるのどの渇きの問題でなく、生命の基礎となる細胞の中の水が不足する深刻な問題なのです。
健康やアンチエイジングを考える上で、現代人は水の摂取が少ない人が多いといわれています。水はミネラル、栄養素、さらに汚染物質まで何でも溶かし込む媒体として働きますから、その水の中身は大いに気になるところです。
このように危険にさらされている『食』がある一方で、『おいしい!』も人の幸せを演出する大事な『食』の一面です。お腹一杯食べたいと国民みんなが思っていた戦中戦後からわずか半世紀で、日本のフードマイレージは世界一になるほど、日本人の食は贅沢になっています。このように飽食の時代といわれて久しいのですが、何を、どのように食べるのかを考えなくてはならない時代に入っているようです。
サプリメントに関する関心が高まっています。しかしそれは適切な食事の補完程度にお考えになられるといいと思います。健康でアンチエイジングにつながる食事とは、精製された米や小麦を減らすこと、獣肉を減らすこと、砂糖の摂取量を減らすこと、悪い油を摂らないこと、食品添加物を減らすこと、加工食品を減らすこと、その一方で精製されていない玄米などの穀物を主とし、有機栽培された野菜や果物を食べ、食物繊維を増やすこと、適度のよい水を飲むこと、定期的に適度の運動をすること、ストレスの管理に努めること、こうした食や水、生活の改善が第一優先です。
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