インプラント手術ができない人 / お問合せQ&A

投稿者:WGさん
高血圧の人や喘息持ちの人はインプラント手術を受けられないのは本当ですか?
理由もあれば教えてください。

 

 お返事:
WGさんこんにちは。
治療の制限に戸惑っておられるかもしれませんが、お尋ねの疾患は絶対に治療を受けられないわけではありません。
お身体の疾患や状態によってインプラント手術が絶対的にできない場合と状況によってできない場合があります。
紙面の都合上詳しく正確に述べるのは難しいため、実際の状況を主治医の先生とご相談されることをまずお勧めします。

高血圧は動脈硬化を伴うことが多く、脳、心臓、腎臓などに合併症があれば手術時の血圧変動で各臓器の重要な血管に障害が起こる可能性が高くなるためにリスクとなります。
この合併症とは、脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心不全、腎不全、腎障害などですが、合併症の状況によっては治療の可否が分かれます。
しかし合併症がなく治療によって十分に血圧がコントロールされている方はこのリスクは少ないと考えられており、インプラント手術などの歯科での外科治療は可能です。

喘息には特定のアレルギー物質に反応するアトピー型、アレルギー物質の特定のない感染型喘息で高齢者に多い非アトピー型、薬物により起こるアスピリン喘息があります。
喘息は絶対的にできないということではありません。気管支喘息のコントロールが良好な時期ではインプラント手術を受けることができますが、喘息の誘因となる痛みや心理的ストレスは極力避けなければなりません。またステロイドを投与されている場合は感染を起こしやすいために術後感染のリスクがあり、一般的な消炎鎮痛剤は喘息発作が起きやすいために服用できないものが多いなどの制限があります。

ご参考までにこの他のインプラント治療のリスクとなる全身疾患をお話ししてみます。
しかし該当したすべて治療ができないということではありませんので主治医とよくご相談ください。
インプラントは歯をなくした時の他の治療選択肢にない生活上のメリットを多く持つことも事実ですし、今のお困りがインプラントでしか改善できない場合もあるかもしれませんが、状況によっては無理をせず他の選択肢を選ぶ方が安全な場合もあります。

【リスクとなる全身疾患】
○循環器疾患:高血圧症、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、先天性心疾患、感染性心内膜炎など
○呼吸器疾患:アスピリン喘息、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)など
○消化器疾患:腎機能障害、肝機能障害、胃・十二指腸潰瘍など
○代謝・内分泌系疾患:骨粗鬆症、糖尿病、甲状腺疾患、副腎疾患など
○精神疾患:統合失調症、うつ病
○脳血管障害:脳梗塞、脳出血など
○血液疾患:貧血、出血性素因など
○自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス、関節リウマチ
○アレルギー疾患:薬物アレルギー、金属アレルギーなど
○感染症:HCV、HBV、HIVなど
○服用薬剤:ステロイド薬、骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネート薬、抗血栓療法薬など
○その他:放射線治療の既往、頭頸部扁平上皮癌の既往

 

インプラントのブランド / お問合せQ&A

投稿者:hawaiiさん
インプラントをしたいです。
インプラントについて調べてみると、種類が多いことに驚きました。
日本のメーカーのほかに海外のメーカーの製品もありますが、どちらの国の製品が主流でしょうか?
質は日本の方がいいですか?
インプラントを決める時は何を基準に行えばいいですか?

 

 お返事:
hawaiiさんこんにちは。
インプラント治療は外科手術が必要である上に、色々な情報が多くて不安もあることと存じます。
ご指摘のようにインプラントメーカーは世界に600社以上あり、インプラントも1000種類以上あるといわれています。
さらに各メーカー毎に数種類の太さ、さらに数種類の長さのインプラントがそれぞれありますから、総数はかなりの数に上ります。
欧米でインプラントが開発されたために、長い歴史があり世界中で多く使われているのも欧米のものです。

 全てのメーカーの成績を知りえませんので正確なことは申せませんが、メジャーなメーカーでは治療成績に雲泥の差はないと思われます。しかし実績と信頼性や操作性には多少の違いはあると考えています。
また症例によって有利性が多少違ってくることもあるでしょう。骨と早くくっつく性質、入れた後の骨の吸収の少ないものなどの特徴の違いはあります。
このようなことから、私は数種類の信頼できるメーカーの中から症例ごとに最適なメーカーとタイプを選んで実施しています。

先に述べた違いも全く無視はできないと考えますが、ご質問の「何を基準にインプラントを決めるか?」はハードに対する問題です。
しかし患者さまはインプラントの種類というハードより、本当はそれを日常使った結果を欲しておられるのだと思います。
インプラントのよい結果を長続きさせて快適な食生活を送ることが目的であれば、どんな治療計画を立て、院内CTなどの検査機器を使って術前だけでなく術中も安全で確実な治療を考えるか、またどう手術し、それを長期間どう管理するかなどのソフトの部分が大切だと思います。

過去何百本かの手術をしてきた立場から申せば、また学会や研究会などの症例発表を見ても年間の治療本数実績と結果が比例しないことも明らかです。何を考えどう行動するかで結果は変わってくるからです。
昨今のインプラント治療にまつわるネガティブな問題もほとんどがこの部分だと考えています。
またせっかくのインプラントを長持ちさせるためにも、定期的なメインテナンス(管理)の整っている環境も非常に大切です。歯と同じくやりっぱなし、使いぱなしでは長持ちしないからです。

インプラントは天然の歯を超える魔法の歯ではありませんが、それをうまく活用すればあなたの日常生活と食生活を豊かにしてくれる可能性を秘めたありがたい存在になることでしょう。お近くの歯科医院でよくご相談されてみてください。

 

インプラント治療について / お問合せQ&A

投稿者:ももさん
転倒して歯を折ってしまいそのままの状態です。
どう治療すればよいか悩んでいます。
ネットでインプラントを知ったのですが、中高年の方が治療されているイメージが強いです。
20~30代でインプラント治療をしている方はいらっしゃるのでしょうか。
若い人と中高年の人とだと治療の成功率に差は出てくるのでしょうか。
近隣の歯科は高い治療ばかり勧めてくるので、こちらで助言を頂きたいです。

 

 お返事:
ももさんこんにちは。転倒して折れる頻度の高いのは前歯ですが、さぞかしがっかりされていらっしゃることと存じます。
ご同情申し上げます。

まず第一に折れたその歯がまだ使えるかどうかを判断することが大切だと思います。
折れた歯の状態によっては、その根っこを利用してその上に人工の歯(さし歯)をくっつけることができる場合もあります。少しでもその可能性があるのなら最も優先すべき治療法だと思います。

もしその可能性がないのなら、残念ながら現在の医療では歯を残すことができません。
外見だけでなく、食べる、噛む、喋るなどの機能の回復が必要ですから、残念ながら歯を抜いてその代わりのものを作る必要が出てきます。
その場合は両隣やかみ合っている歯などの他の歯の状況によってお勧めする選択肢が変わってきます。紙面では状況がわからないために一般的な選択肢をお話しします。
● 取り外しのできる入れ歯
● 両隣の歯を削ってセメントでくっつけるブリッジ
● 両隣の歯をそのままにして抜けた場所だけに入れるインプラント
● 不要な歯がお口の中にあって形が適していれば歯の移植
などの治療法が一般的に選択できます。(症例によっては無理な選択肢もあります)

それぞれに適応症がありますし、また現時点での不満で解決したい内容やそれぞれの長所・短所によって治療後の満足度も変わりますので主治医の先生とよくご相談されるといいと思います。
インプラントだけにこだわらず、どの選択肢が今と将来を考えて納得と満足を得られるかという観点でお考えになってみてはいかがでしょうか。

ご質問のインプラント治療の年齢ですが、年齢はあまり関係ありません。
今回のように事故や外傷で歯をなくされたり生まれつき歯がない若い方もインプラント治療を受けておられます。
インプラント治療は成長が止まるまでの年齢までは治療を受けられませんが、それ以降は老年にいたるまでの幅広い年齢で原則的には受けることができます。
年齢を重ね骨粗鬆症など骨の質や量が落ちてきた場合には治療の可否やその結果に多少の不安を残しますが、そんな方々でも実際に治療を受けていらっしゃり、噛む能力が向上して快適な食生活を長期間送っておられます。
20・30代ではその心配もまったくないでしょうし、成功率は変わらないか傷の治りも早いでしょうから有利でさえあります。

ただ私見ですが、天然の歯ですら一生持たないことがある現状でインプラントが一生持つとは限りません。
若い方と年齢のいった方の1年の意味が耐用年数という観点からすると違ってくるかも知れませんが、ダメになった時にさらに医療が進化しているかもしれませんし、再度インプラントができればそれでもいいし、できなくてもその時にブリッジや入れ歯などの他の治療選択肢を選んでもいいのではないかと考えます。

長くなりましたが、まずはご自分の歯を残す努力をしてみてください。
この世で万能で最も身体と相性がいいのはご自分の歯だからです。
インプラントや他の選択肢はその後でいいと思います。
お近くの先生とよくご相談ください。

 

インプラント治療の適正 / お問合せQ&A

投稿者: かねおか さん
インプラント治療について色々と調べています。
歯科のホームページにあるようなインプラント治療の図解を見てその治療の流れを知り、同時にその恐さも知りました(笑)。
歯ぐきに穴を開けるのは勇気がいりますね。一応治療を検討中なのですが、私は歯ぐき弱いのでちょっと不安です。
インプラントができる歯とできない歯って一般的にどんな特徴があるのですか。

 

お返事:
かねおかさんこんにちは。インプラント手術は歯を抜く時の傷と大差ないため、図式などで見るより実際はご想像をいい意味で随分裏切る結果になると思われます。私の経験ではインプラント治療は事前に考えていたより楽だとおっしゃる方が大半ですからご安心ください。

「歯ぐきが弱い」とのことですが、歯周病にかかっておられるのなら手術前までに徹底的に歯周病の治療をお受けになられることをお勧めします。インプラントの最大の天敵は感染であり、インプラントも歯と同じように歯周病に感染して寿命が短くなってしまうからです。

またお尋ねのインプラントができるかどうかの件ですが、抜歯などの通常の歯科的な外科治療を受けることができる方で、インプラントを入れる場所に十分な骨が残っていれば基本的には手術可能です。
元々血の止まりが悪い人や血栓予防に抗止血剤を服用しておられる方、骨粗鬆症の治療薬を服用しておられる方は医科の主治医の先生と相談の上で可否を判断することになります。重度の糖尿病やコントロールされていない高血圧はインプラント治療だけでなく外科的な治療自体ができない場合もあります。その他にも全身的な疾患をお持ちの方は主治医の先生とよくご相談ください。

 

インプラントでの歯科の選び方 / お問合せQ&A

投稿者: インプラント希望者 さん
インプラントの希望者です。
インプラント治療に力をいれている歯医者が増えていますが、あまりに情報が多すぎて、正直どこの歯医者に行けばいいのかわかりません。
自分にとって最良のインプラント治療を受ける為には、どんな基準を持って歯医者を選べばいいでしょうか。

 

お返事:
インプラント希望者さんこんにちは。インターネットの普及とともに情報が増えましたが、私も他の領域で情報を検索する際にその真偽も含めて同じように感じますのでおっしゃっておられることがよくわかります。
ただネットや外部からの情報だけでその実体を判断するのは難しく、絶対的な判断基準といえるものは残念ながらないのではないかと思います。少しでも判断の一助になればと私なりのいくつかの基準をお話ししてみます。

第一はインプラント以外にも広い選択肢を持ち、そして他の選択肢にも経験と造詣が深いかどうかです。言い換えればあなたに必要なものが本当にインプラントかどうか、ということです。今何に困って、何を必要として、将来どうありたいのか、これは非常に個人的なことで人それぞれです。
歯をなくした場合の選択肢はインプラント以外にもいくつかあり、それぞれ長所と短所がありますのでその方にとって最も利益の大きい選択肢が最適な治療法だと私は思います。
画一的でなくこうした個々の希望や価値観に沿ったご相談を受けてくださり、他の治療にも詳しい先生をお探しになられることをお薦めします。

第二は広い視野であなたの口全体を見てくださるかどうかです。これと同時にどうしてインプラントを入れることになったかということを考えていただけることも重要です。その原因をつぶさないでただインプラントを入れたのでは、それがなくした歯の二の舞になるのは時間の問題でしょうし、残った歯も後を追うようになくなっていくことでしょう。一見今のお困りと関係ないように見えることでしょうが、私はインプラントを入れることが目的ではなく、快適な食生活を送ることが目的だと考えているからです。
歯はオーケストラのようなものですから、全体の調和が大事であって一部だけよければそれでいいのではありません。かみ合わせの歯、隣の歯、反対側の歯など他の歯とどう調和できるのか?かむ力が一部の歯に偏っていないか?などなどインプラントを入れる前に考えておかなければならないことがたくさんあります。
今のことだけでなく過去と将来を考慮してくださり、こうした口全体で考えてくださる先生をお探しになることをお薦めいたします。

第三はインプラントを長持ちさせるために、術後や定期的なケアをしてくださるかどうかです。あなたにとってインプラント治療が目的でなく、治療後の快適な生活が目的ではないでしょうか。ならばインプラントが長持ちしてくれなければなりません。とかく手術やインプラントに焦点が当たって見落とされがちですが、先生の興味の中心がインプラントでなくあなたの食生活や生活の質であれば医院にケア(メインテナンス)のシステムを持っておられるはずです。

第四は慎重に安全に治療を受けられるかどうかです。施術経験が豊富なのは悪いことではありませんが、その質が最も大切です。先生の治療に対する考え方や技術的なものは形のないものですから外から判断がつかないため、その先生の診療姿勢から判断されるといいと思います。
また現在インプラント治療にはCTが必須といわれる時代に入っていると学会でもいわれています。全ての症例にCTが必要ではありませんが、治療前の確実な診断には大変有効です。術前なら撮影を外部委託することもできますが、院内にCT設備があれば治療中と治療後に撮影ができるので、3D立体的に安全と確実性を確認できることができてお互いの大きな安心材料になっています。CT設備が院内にあることも治療の質だけでなく、その先生の診療に対する考え方を知る上で一つの判断材料になるかもしれません。

ご説明が長くなってしまいましたがこれらの判断材料は外側からはわからないことが多いため、ご相談という形で実際に先生とお会いしてお話を伺ってみることをおすすめいたします。手間に思われるかもしれませんが、あなたの大事な口の中をお任せするための時間の投資とお考え下さい。
あの時インプラント治療を受けてよかったと思える先生と出会われることをお祈りします。

 

 

歯周病もちのインプラント / お問合せQ&A

投稿者:クラーク さん
インプラント治療を考えていますが、歯周病もちです。
歯周病にかかっている歯ではインプラントは難しいですか?
歯周病を治してからでないと治療できないのでしょうか。

 

お返事:
クラークさんおはようございます。現在歯周病にかかっておられ、またインプラントをご検討されておられるとのお話ですが、色々な治療への不安に襲われているご様子にご同情申し上げます。

ただ、歯周病におかされた歯を抜歯せざるを得ない状況で抜歯をしたその場所にインプラントをお考えなのか、あるいはすでに歯を失った場所にインプラントを入れたいが他の歯に歯周病があるのかで少々お話し内容が変わってきます。今現在の歯の歯周病の重症度が文面でわからないためです。
実際のお口の状況がつかめませんので、ここでは一般論としてお話しさせていただきます。

まず基本的なお話ですが、歯を失ったから単純にインプラントを入れるという昨今の風潮には私は反対です。
インプラントは快適な生活を取り戻す手段であって目的ではなく、さらに適応症であってそれで長期間利益を得られる人が受ける治療だと私は考えております。まず今ある歯を長持ちさせることが大切だと思います。
その意味でも、またインプラントを長持ちさせる意味でもインプラント治療の前に徹底的な歯周病治療をお受けになられることをお勧めいたします。成人の歯を失う80%が歯周病であり、またインプラントも同じだからです。

これと並行して考える必要があるのは、どうして歯を失うことになったか?その原因です。お手入れに問題があるのか、歯のかみ合わせになのか、歯を抜きっぱなしにして放置しておいたのか、食いしばりや歯ぎしりはありはしないか、などなどの理由から学ぶことが大切だと考えます。なぜなら、次の犠牲者が出ることを防ぎ、そして今回の治療が成功裏に終わって、さらにその快適さを長期間維持するために重要だからです。

歯周病は生活習慣病に分類されており、生活のありようによって起こりも治しもできるものです。今までの生活に思い当たることがありませんでしょうか。もしあればそれを思い切って改善されることができれば、長年お世話になってきたにも関わらず今回失うかもしれない歯は他の歯に生き無駄死にはならないと私は思います。