審美治療とは? / 審美のお話し 1/10P

長い人生も大切ですが、快適で豊かな質の高い人生も大切です。
そうしたご要望にお答えする一つが「美」を追求する審美治療です。
審美といっても「歯」だけでなく「歯肉」や「口元」にまでおよぶ広い範囲が対象になります。
■歯の表面の汚れや着色を取り除いて、元々のご自分の白くきれいな歯を取り戻す、PMTC
■年齢と共に黄ばんだ歯を、白く美しい歯に漂白する、ホワイトニング
■神経が死んで茶色く変色した歯を、歯の内側から元のきれいな歯に戻す、ブリーチング
■歯をあまり削らずに歯の形と色を改善する、ラミネートベニア
■歯に人工の歯を被せて短期間できれいな色と形を手に入れる、ホテツ治療
■歯を削ることなく歯並びを変えて美しい口元を創り出す、矯正治療
■歯を失ってしわと貧弱な口元を改善して若々しい口元を表現する、入れ歯治療
■入れ歯の針金などが見えて口元に自信が持てないことを改善する、インプラント治療

などいろいろな治療があります。
これからいくつかの審美治療をご紹介いたしましょう。
この小冊子に掲載していない治療は各治療の小冊子やページをご覧ください。


 

PMTC / 審美のお話し 2/10P

PMTCとはプロフェッショナル・トゥース・クリーニングの頭文字をとったもので、歯の表面についた着色やプラーク(歯垢)を痛みもなく簡単に取り除き、きれいな歯を取り戻すことです。

そもそも欧米でこの治療が開発された背景はむし歯や歯周病(歯槽膿漏)の予防と治療でした。現在もその効果と価値は揺るぎないものですが、特に日本では一般的に歯の汚れを取って白くきれいな元々の歯に戻すクリーニングとして定着してしまった経緯があります。

まず汚れや腐敗物など病気の元になる歯の表面にへばりついた余計なものを専用の器械で時間をかけてきれいに取り除きます。この行為が病気の治療につながります。
その後歯の表面を特殊な機器や薬剤を使って磨きあげることで歯の表面をつるつるにします。つるつるの表面には汚れがつきにくいために病気の予防になるのです。

治療の副産物と呼んでもいいでしょうがつるつるに仕上げる行為によって、茶渋のような汚れやタバコのヤニなどの歯の内部にしみ込んでいない着色を取り除き元の歯の色を取り戻すことができます。

この治療の守備範囲は歯の表面だけに限られ、歯の内部の着色は範囲外です。
しかし多くの方はこの方法だけでかなりの効果が見られますし、そう時間も費用もかかるものではないので、一度お試しになられると良いでしょう。

お口の中の状態にもよりますが、30分から60分程度の時間をかけて歯と歯の隙間や普段歯磨きのやりにくい場所までもしっかり丁寧にクリーニングしていきます。

ガンコなタバコのヤニもご覧のとおりきれいに!
舌触りもよく、ツルツルと気持がよくなります。
さらにこれが重要!
むし歯や歯周病の原因になる歯石も隅々まできれいさっぱり取り除き、さらに歯の表面を滑沢にしてそれらの予防になるのです。

 

黄ばみや変色歯 / 審美のお話し 3/10P

変色歯の中には歯を削ることなく、漂白で歯が白くよみがえる場合があります。
歯の表面を特殊な薬品で漂白するホワイトニングと呼ばれる治療ですが、衣類や食器の漂白を考えれば分かりやすいと思います。

雑誌の広告にあるような歯のマニキュアとは違い、歯の表面に何かを塗って色をごまかすのではなく歯の表層(表面と歯質内部の浅い部分)を漂白して歯を白くするものです。

どんな着色でも白くなるわけではないのですが、食べたり飲んだりしてついた色素や、年齢とともに茶色く変色してきた色素はかなりの効果があります。
一方で生まれながら持っている色素は脱色しにくい傾向にありますが、多少の効果が望めることもあります。

この他にも神経が死んで茶色やグレーに変色した歯は、ブリーチングという歯の内部に漂白剤を入れる治療で白い自分の歯を取り戻すことができます。

何も歯の色が汚いことで引っ込み思案になることはないのです。シャイな人生より明るく積極的な人生のほうが幸せです。色がイヤならきれいにする方法があるのですから。
治療も簡単で痛みもありません。歯の色でお悩みの方は一度相談されるとよいでしょう。

 

ホテツ治療(人工の歯による治療) / 審美のお話し 4/10P

先ほどのPMTCや変色歯の漂白の守備範囲外である歯の内部の着色を改善する目的や、歯の形を変えたい場合、歯の長さが他の歯と不揃いであったり、歯肉の形の不揃い、軽度の歯並びの悪さなどを改善する目的で行う治療です。

変色の強い方でも一気に色を変える事ができる反面、歯を削らなくてはならない欠点もあります。しかし削る場所を歯の表面だけにして、さらに削る量を1mmという微量におさえ、表面にちょうど付け爪のような人工の歯を貼り付けるラミネートベニアという治療法もあります。

セラミック(陶器)を使った治療ではそのもの自体の変色もなく長期間美しさが維持できます。この他にも色々な治療法がありますので、よくご相談されるとよいでしょう。

上が治療前、下が治療後です。
同じ人とは思えないでしょう?

「美」はもちろんのこと、しっかりとしたかみ合わせを取り戻され、快適なアゴと体になったと喜んでいらっしゃいました。

 

矯正治療 / 審美のお話し 5/10P

歯を削らずに歯並びの悪い場所を改善し「美」を手に入れる方法が矯正治療です。ホテツ治療(人工の歯)では改善できない位置にある歯の治療や、綺麗で削ることがもったいない歯の治療に適しています。

詳しくは矯正治療のページをお読みいただくとして、矯正治療の利点は「美」の部分だけでなく歯にかかる負担を和らげて歯の寿命を長くする効果があります。長い目で見ると結果的には入れ歯で暮らす人生より質の高い豊かな人生を送るころができます。

何を目的とするか、どこまで矯正するかという問題になりますが、全ての症例が子供の矯正のように2年3年とかかるわけではありません。
部分的な矯正であれば数ヶ月で「美」と「寿命」を手に入れることができる場合もあります。

また歯並びの修正法には、代表的には矯正治療と補綴(人工の歯)治療があります。矯正治療・ホテツ治療どちらを選択するかの判断は、現在の歯の状況や治療のゴールをどこに置くかで決まってきます。
治療期間の短縮や治療ゴールの高い満足度から、その両者を組み合わせた治療も多くあります。

多少の期間がかかるとしても矯正治療は痛かったり、日常生活に大きな支障がでることはなく、治療装置自身も想像するより楽で、さらに慣れしまいます。
これからもお世話になる歯に、長い人生の一コマと割り切ってお考えになっていただけないかと思います。

 

矯正治療は子供のもの? / 審美のお話し 6/10P

歯並びを治す矯正治療は最近では特殊なものではなくなり、小学校や中学校の1クラスに何人もの子供が装置をつけています。以前は装置をつけること自体を「目立つから」「いじめられるから」などと敬遠されていたのですが、最近ではかなり抵抗がなくなってきています。

それでもまだ日本では目立たない装置を希望される方がほとんどですが、アメリカではショッキングピンクなどのカラフルな装置を好んで使っています。
アメリカでは矯正治療をするということは、自分の健康や外見を良くしたいだけでなく、そう言ったことに配慮していることを人にアピールする意味で目立つ装置が使われているようです。
矯正治療自体が非常にポピュラーで何の異和感もないためか、ファッション感覚なのかもしれません。
また、矯正治療をすることが一種のステータスであることも事実です。

ところで矯正治療は子供のすることで、大人には縁のないものと思っている人がいらっしゃいますが現在の状況は変わってきています。
そのかみ合わせや外見と一生付き合うことを考えると、確かに子供時代の矯正の意義は大きいと思います。

しかし大人の場合は外見もさることながら、かみ合せの不調和を持った人生はつらいことが多い上に、歯の寿命を考えても決して子供だけの問題ではないのです。むし歯や歯周病(歯槽膿漏)にもかかりやすくなります。
このような歯を大切にしたいとお考えの大人の方の矯正治療が近年非常に増えてきています。

 

歯並びと歯の寿命 / 審美のお話し 7/10P

どうしてかみ合わせの不調和や歯並びが前のページの病気になるのでしょうか。詳しいご説明はかみ合わせのご説明に譲りますが、いくつか例をあげて簡単にお話ししましょう。

人は本来鼻で息をしていますが、中には口で息をする人もいます。
口で息をする人の中には口を閉じても上下の前歯が当たらない状態になったり、上あごの縮みなどの歯並びを悪くすることもあります。

またそうした歯並びだから口で息をするようになるという考え方もあり、にわとりが先か卵が先かの話になってしまいますが、両者に因果関係があることは確かです。

口で息をする人は、常に空気が口の中を通りますから口の中が乾燥して、歯ぐきが炎症を起こし歯周病や虫歯にかかりやすくなります。

鼻の病気で鼻で息がしづらい人を除いて、単なる癖や習慣であれば意識をして口を閉じて鼻で息をするようにすればいいのですが、歯並びから口で息をせざるを得ない人は理由があって身体がそうしているのですから、歯並びを矯正したり調整する方法が最適です。

別な例では、歯一本が変な位置にあったり、歯を抜きっぱなしにして他の歯が傾いていたりすると、一部の歯に一手にかむ力を負担せざるを得ないような強い力がかかったり、またあごを動かしたときいつも引っかかったり強い力で歯を揺さぶるようなことが起きたりします。

若い時は歯や骨が丈夫でそれらに耐えられたとしても、年齢とともに許容力が狭まり、また長い期間いじめられ続けていたのでいつか歯や骨の限界を超えてしまいます。

神様は学級一クラス全員で仕事をしなさいと設計しているのに、その仕事を一部の生徒だけに押し付け、さらに長期間やらされたのではたまったものではありません。
この揺さぶりや強い力がかかる歯に「しみる」「痛い」などの症状やヒビ割れなどの障害がでることがあります。

また、その歯を支えている歯ぐきや骨に負担がかかって炎症が起き、化膿して骨が溶け、最後に歯がグラグラになって失ってしまいます。

これらの現象は歯周病(歯槽膿漏)を併発しているこが多く、歯周病だと勘違いしていくらがんばって歯磨きをしても治らないことになってしまいます。

歯と歯ぐきや骨の限界が来る前に、原因である歯並びを修正する方法の一つが矯正治療なのです。

 

大人の矯正 / 審美のお話し 8/10P

前のページの理由から最近では外見の要望からでなく、歯を長持ちさせるために大人の矯正治療が増えています。

また現在大人である人の子供時代は、日本ではまだ矯正治療はそうポピュラーなものでもなく、現在なら受診したであろう人も当時ではそのままになった場合が多いと思います。大人と子供の身体の違いはあっても、矯正治療には適齢期はありません。

とは言っても2年も3年も治療を受けるのは・・・・と尻込みしたくなることがあるかもしれませんね。
しかしすべての矯正治療が長期間かかる訳ではなく、一部のかみ合わせの修正であれば数ヶ月で終わることもあります。必要だと思った時が、開始する時です。かみ合わせの不調和でお悩みの方は、一度ご相談されてみるといいでしょう。

ここまでで審美治療におけるいくつかの方法をお話しました。
どの方法があなたにとって最適であるかは症例によって違いますし、これらいくつかを併用する場合もあります。 それぞれの特徴も含めてあなたにとって最適な方法をご相談しながら決めていきたいと思います。

この時大切なのは「自分はこうしたい」ということをはっきりと言っていただきたいということです。
「美」は非常に主観的な事柄で、人によりかなりの違いがあります。
ここをあいまいにしてしまうと思った結果にならないので注意が必要です。
口元に自信がないあなたも堂々と人前で笑える日を楽しみにしてください。

 

なにが「美」をジャマしているの? / 審美のお話し 9/10P

歯にかぶせたり詰めたりした人工物、歯肉の形や色合い、人工の歯と歯肉の境目、人工の歯の材質や変色、歯(歯肉)の長さの違い、歯肉の着色、歯の色合い、歯の形や大きさ、歯の位置や歯並び、などなど沢山の「美」を邪魔する要素があります。

あなたはどの理由で口元に自信が持てませんか?

審美を語る上で大切なものがあります。
それは笑った表情すなわち「スマイル」です。
そのスマイルにも種類があることをご存知でしたか?
ナチュラルスマイルとは自然な個性美を追求したスマイルです。

その人の個性を大切にし、その人らしく、自然な口元を目指します。
歯の色が白ければ何でも良い訳ではないでしょう?
70歳の方に20歳の歯を入れたらどうなるでしょうか。
あなたの顔立ちや微笑んだ時の口元の感じなど、人により似合うものが違いますので年齢に応じた形、色、大きさ、口元の形など今のあなたに合ったスマイルを作ることを目標にします。

ご希望があれば治療中使う仮歯とは別に、本物に近い形や大きさで作った第二の仮歯を使ってご納得を得ながら治療していきます。

ハリウッドスマイルとは映画に出てくる女優のような口元を追及したスマイルです。個性よりも典型的な美を追求したスマイルと言えます。
微笑んだ口元からこぼれんばかりに綺麗に並んだ白い歯が顔を出す特徴的なスマイルです。

口元や歯の位置、噛み合わせなどの条件を時間をかけて揃えなければならないことがあります。歯や口元に対する美意識も人それぞれ違うもの。

あなたはナチュラルスマイル派?それともハリウッドスマイル派?

 

審美治療の限界 / 審美のお話し 10/10P

美しさは大変大切な要素です。
しかし歯は本来の道具として、また身体を支えるものとしてのどうしても譲れない大切な機能があります。

人によっては歯や顎、身体に異常がなく十分な審美を追及できる場合もあれば、残念ながら歯としての機能を優先するためにそれが十分に実現できない場合があります。いくら美しくても、歯の寿命が短く、顎や身体を壊し、痛みやこりなどのつらい毎日では困るのです。

審美と言えども医療です。単に美しさだけを実現するものでないことをご承知置きください。お一人お一人違うこれらの最大公約数をどこに求めるのか、臨床で大変難しいところです。

さらに骨や歯の形態や大きさ、位置などどうしても変えられない又は困難なものもあります。またその方の全く正確な顎の動きを事前に確実に把握することは現在不可能で、ある程度治療が進み、仮の歯に置き換えて初めて色々なことが判明してきます。

従いまして全ての症例で理想的なまたご希望にそった形態や位置に歯や人工の歯を配置できないことがある旨ご了解の上治療に臨んでいただきたいと思います。医療にのっとった、可能な限りの最大限の努力をお約束いたします。