「豊か」とは?

戦後から高度成長期を経て日本人はこれまで経済成長こそが豊かさの原点だと考えてきました。
家電量販店には最新のデジタル家電があふれ、百貨店には世界中からの商品が並んでいます。
経済成長を追い求めてきた日本は今かつてないほどの物質的な豊かさを手にしています。

一方で人々は疲弊し、経済や人生、治安、食にいたるまでさまざまな不安が社会を覆っています。これが国内総生産577兆円、世界第3位の経済大国、日本のもう一つの姿です。
確かに身の回りを見渡してみてもたくさんの品々に囲まれ、私たちは大きな不自由なく暮らしています。それでも私たちには本当に飢えはないのでしょうか?豊かだといえるのでしょうか?

人は物質的なある基本的なモノが満たされていなければ、飢えや凍えのもとではもちろん豊かだとはいえません。しかし、「豊か」とは昔3Cといわれた車、カラーテレビ、クーラーのような「モノ」ではなく、時に「ゆとり」の意味で表現されることがあります。

それは日々時間に追われながらいかに多くの富を持つかという暮らしから、いかに自分らしくゆとりのある充実した人生を生きるのかという価値観への移行なのかもしれません。

生活と人生は非常に個人的なことです。ですから「豊か」も横並びのみんなと同じモノでなく、それは人がどんな生き方を望むかという個人的なことと密接な関係があることです。
あなたと私は同じかもしれないし、違うかもしれないのです。

しかし一方で「豊か」を支えるのはいうまでもなく「健康」であることはご承知のとおりです。
少しでも長く人生を送ることも大切ですが、現在はその質に関心が集まっています。
モノによる豊かさではなく、快適で健やかな人生を送ることが最大の財産だと考える人々が確実に増えてきているようです。

 

 

はじめに

若い時代には省みることもなく、そして自分の後から黙ってついてきた「健康」。
老化は最初に「歯」や「目」から始まり、年齢とともにその存在を意識するようになってきます。
週刊誌やテレビは言うに及ばず、書籍をみても健康コーナーができるほど多くの情報があり、健康への関心の高さを裏付けています。

古今東西を問わず、また自然の摂理とは頭で分かっていてもいざ自分の問題となってくるとがっかりしたり不安になってしまうのも「健康」です。人の身体は非常に複雑で、さらにデリケートです。

最近歯、特に歯の噛み合わせと全身の関係が報道されるようになってご存知の方も多くいらっしゃるでしょうが、ほんのわずかな噛み合わせの不調和でアゴや身体を歪ませ、頭痛、肩や首の凝り、背中や腰の痛みなどを起こすことがあります。
肩こりや頭痛、腰痛などで死ぬことはないとしてもこれが毎日となれば辛いものです。
快適な生活とはいえないでしょう。
しかも歯のかみ合わせはそれだけにとどまりません。
あなたの大切な歯の寿命、そして治療の結果を左右するほどの影響力を持っています。

足の裏に魚の目が一つできても不愉快で歩きにくいものですし、小指の先にちょっとした傷をおっても日常生活に支障が出ることもあります。不愉快な原因はほんの些細なことなのですが、毎日のこととなれば快適な生活とは言えなくなってしまいます。
たった1本の歯の不具合で食べることに支障をきたし、痛みで1日が台無しになり、毎日がちっとも楽しくありません。

歯が不自由なく日常使えることなど普段は考えもしない、勿論感謝もしていないのですがこんな些細なことで不愉快になってしまう。人生とは何と細かい事情の上に成り立っているものなのでしょう。

歯や体の歪みは時間とともに、また年齢を重ねるにしたがって大きく、深くなってきます。
ご本人の知らぬ間に真綿で首を締めるようにじわりじわりと歯に負担をかけ、日々歯の寿命を擦り減らせていることになります。
症状がでてきてあわてて歯科医院に駆け込んでみたものの病状の進行にびっくり仰天し、元通りに回復する方法がなかったり悪ければその歯を失う結果になってはじめて後悔される場合もあるようです。

このように歯の寿命や、よくかめて快適な食生活、ひいては豊かな人生を知らぬ間に放棄していることがあります。歯は単純にかめればいいと言うものではないのです。

ここに大切な歯を亡くしてしまった人がいたとして、今後の選択肢は幾つかあります。
最も悪い選択は抜けたまま何もせずに放っておくことです。
お口の中だけの狭い視点では失った機能を取り戻すだけでなく他の歯に負担をかけて無理をさせないように気配りが必要です。できることなら身体全体の大きな視点では歯→顎→頭→上半身→下半身と歪みが伝播して全身のバランスが歪んでいかないような配慮が必要です。

実際の治療法としては「入れ歯」、「ブリッジ」、「インプラント」、「自家歯牙移植」などの方法がありますが、インプラントもただ植えただけ、ただ噛ませただけでは意味がないのです。先ほどお話しした「歯」、この「インプラント」、そして「入れ歯」全てに共通するものは上下のあごの歯の噛み合わせです。

どうして歯がだめになったのでしょうか?どうしてブリッジや入れ歯が短命に終わったのでしょうか?
多くの方々がむし歯や歯周病だとおっしゃいますが、その病気に歯のかみ合わせが大きく関わっていることにご存じない方が多いのです。
「入れ歯」、「ブリッジ」、「インプラント」どの治療も、そしてそれらよりもっと大切な今あるご自分の歯の寿命に関わる歯のかみ合わせに関心を持って頂ければと思います。

 

 

歯はどうしてなくなったの? / 入れ歯と歩む、豊かな人生 10/28P

ところで、どうして歯を亡くされたのでしょうか。
人に見える場所でもないしたかが歯一本くらいどうってことないとたかをくくっていらしたのでしょうか。
先々を考えず、今困っている所だけを簡単に済ましてこられたのでしょうか。
それとも忙しい、面倒だ、費用が大変と歯を後回しにしてこられたのでしょうか。
その時ちゃんと治療しておけばこんな大きな問題にならなかった・・・と後悔しても後の祭りです。
大切なものの順番を間違われたのかも知れません。

そのつけが今のお口の状態なのに、それでもまだ今度も自分の都合を優先して、その合間に歯を治そうとする人がいらっしゃいます。その人のペースでは歯は治りません。その価値観とそのやり方でこんなになったのですから。歯のペースにその人が合わせて動かないと歯は治らないのです。

病気は本当に大切なものは何か、そして今まで感謝もせずぞんざいに扱ってきたもののありがたさに気付くチャンスです。今までのやり方を変えるチャンスです。
今のこのチャンスを逃すと次はどんな状態でお会いするのか、それが心配です。

人生50年の時代ならいざ知らず、人生80年の時代では残念ながら入れ歯のお世話になることが多いのが現実です。80歳以上になっても20本以上の歯を残しましょうと言う「80・20運動」を当時の厚生省が提唱してから約10年が経ちます。ところが現状は80歳以上の人で残っている自分の歯の平均本数は残念ながら6.2本、80・20が達成できているのはほぼ10人に1人にすぎないそうです。

さらに入れ歯安定材の売上げが何十億円とも言われている事を考えると、かなり多くの人が入れ歯で困っておられることでしょう。「かめず、しゃべれず、笑えず」の「3ず」に悩まされていては、質の高い人生、健やかな高齢人生とは言えないのではないでしょうか。
日本の高度成長を支えてこられた方々のこんな状態はお気の毒でしようがありません。
自分のことを脇に置いておいて家族や会社のために馬車馬のように働いてこられ、歯にまで気も時間も回らなかった結果なのでしょうか。

多少のことは体力でごまかせた年齢と同じように今でも息咳き切って走り続けている人も、これからの人生を支える体に「ありがとう。そしてこれからもよろしくね!」と、たまにはいたわってあげて欲しいと思います。

 

病気は気づきのチャンス! / かみ合わせで、身体が変わる 20/20P

病気には病気になる理由があります。
少々酷な話で恐縮なのですが、病気は向こうからやってきたのではなくこちらから病気を引き込んだのです。
病気になる条件をこちらで整えてしまったと言ってもいいかもしれません。
その条件である今までの感情や価値観、人生観、ここまでそうして来た自分を変えないで、入れ歯や歯、お口、お体だけ変えようと言うのは少々虫が良すぎるとは思いませんか?

今の事情は過去のご自分が今までそうして来た結果であって、原因を変えないで結果だけ変えようとしても無理があるのです。
病気になってしまうまで気づくチャンスはなかったのでしょうか?
病気とは今までのその人の生きざまの結果であり、症状は警鐘です。
言葉を喋れない身体は症状という方法で、ご主人であるあなたに「このままでは身体が壊れるから、なんとかして欲しい」と訴えているのです。
ありがたいことに、壊れてしまう前に教えてくれているのです。
今までの道と違う別の道を選ぶチャンスを与えてくれているのです。
ご自分のお身体を愛せるか、実は病気は気づきのチャンスなのです。

歯を亡くしてしまった人がいたとします。
親から貰った歯はトランプで言えばカードの中で一番強いカードのスペードのエースです。それを亡くしてしまいました。
次にどのカードを取り出すかはその人の価値観や人生観ですが、最強のカードですら勝てなかった同じ環境に次々とカードを出していっても勝負は見えています。さらに持てるカードにも限りがあります。
歯を大事にしてこなかったことに思い当たるなら、それとも過去の容易な間違った選択に思い当たるならその思いを次に生かしていただきたいと思います。
今なら親から貰ったままの100点は無理でもがんばれば80点90点は取れるかもしれません。
今までと同じ扱いではそれが60点、その次は40点と下がってそれなりの健康、それなりの人生になってしまいます。
健康、体のありがたさにお気づきになり、愛を持って質の高い豊かな人生をお送り頂きたいと思います。

松下幸之助は「砂糖の甘さ、塩のからさと言うものは、いくら説明を聞いても、それだけでは実感としてわかない。自分の舌で味わってみて、はじめて砂糖の甘さ、塩のからさを知ることができるのである」と言ったそうです。
「人間は考えるあし」であっても、経験は知識に勝ることもあるでしょう。
知識としては知っていたが、まさか自分がこうなるとは思わなかった。
たかが歯のことでこんなことになるとは思わなかった。色々な思いがあると思います。

しかし仮に過去に知らなかったために今日の事情に至ったとして、ただの今それを知ってしまった後どう行動するかが大切です。
また気づいても何もしないのでは、気づかなかったことと同じです。
人は理由があってどうしても出来ない事もありますが、多くの場合やりたくない事は後で理由を探してでもこじつけます。
よくよく理由を掘り下げてみると絶対的な事ではなく、それよりやりたくないと言う感情を優先したかったりします。
何十年もお世話になった歯なのですからちょっと恩返しするのもいいと思います。
何と言っても、この歯に今後の人生、お世話にもなるのですから。