歯ニュース 2015/06 … 実年齢よりも気持ちが若い人は長生き?

人の年齢にどんな意味があるとお考えでしょうか。選挙権や運転免許などの取得可能年齢は法律で定められていますが、早熟な人やそうでない人がいたとしても公平性を保つためには実年齢で一律に決めたほうがいいでしょう。しかしある年齢以上になれば実年齢は段々意味が薄れてくるようです。

同期入社や学生時代の同窓会でたまに会う同年齢の友の歳のとり方の違いに驚くことがあります。子供の頃の早熟にはネガティブなイメージはありませんが、こちらはあまりありがたいことではありませんね。

ところで実年齢を切り離してご自分を何歳だと感じられるでしょうか。誰と比較するかにもよるでしょうが、一般的な同年齢の方との比較の上で今のご自分はそれより若く感じるか、同等か、それとも老けて感じるかでお考えになってみてください。
そんなことが何の役に立つのかと思われるかもしれませんが、実はこれが長生き(死亡率)と関連性があったという報告が最近ありました。

英ロンドン大学(UCL)疫学・保健研究所所長のAndrew Steptoe氏らの英国での長期研究によると、全被験者に「自分を何歳だと感じるか」と尋ねたところ、被験者の3分の2超が実年齢より3歳以上若いと感じ、約4分の1が実年齢、約5%が1歳以上高齢だと感じていました。被験者の実年齢は平均66歳でした、自己認識年齢は平均57歳でした。平均で9歳もサバを読んだ結果に驚かれるか同意されるのか、ご感想はそれぞれでしょう。
見かたによれば体の加齢に気分がついていかないのかも知れませんが、元来人は自分を若く認めたいものですので自然な結果なのかもしれません。

一方でその調査から別な視点が読み取れます。8年間で実年齢より高齢だと感じている人の約25%、若いと感じている人の約14%、年齢相応に感じている人の約19%が死亡していました。慢性的な健康障害などの実際よりも高齢だと感じさせる事柄を考慮しても、高齢だと感じている人の死亡リスクは若いと感じている人よりも41%高かったそうです。
また高齢だと感じている人の心臓関連疾患による死亡は若いと感じている人の2倍以上でした。さらに実年齢よりも3歳以上若いと感じている高齢者は、実年齢と同じかそれよりも高齢だと感じている人に比べて8年間での死亡率が低かったとしています。

この研究結果からだけで若いと感じることで寿命が延びることを決定的に証明しているわけではありません。しかしSteptoe氏が「おそらく人々の信念や感情を調べることで、他の健康や幸福を測る指標では捉えられないことがわかる」と述べているように、人の心が健康、ひいては寿命に全くの無関係とも考えにくいのです。
「気持ちが若い」人は長生きする可能性が高い、ここまでは現時点でもいえるのではないでしょうか。

ぐらついて硬いものが噛めない、歯が抜けたまま放っておいてある、具合の悪い入れ歯で無理をしながら食べている、もう歳だからしかたがないと半場あきらめている、人生後どれだけ残っているかわからないから現状のままでもいい、どれも幸せでもなければ若さとは正反対の気持ちです。
現代の歯科医療でも昔のように食べられる幸せな食生活、そして気分の若さも取り戻すことができるのではないと思います。毎日の生活の中でも若いと感じることは自分に自身が持てることでもありますし、なんといってもハッピーなことですから日頃のちょっとしたことで若返ってみせるのもいいかもしれません。
くれぐれも無理のない範囲でお願いします。

高岡 周一

 

 

 

■  スタッフ紹介

初めまして、4月末より高岡歯科医院のスタッフの一員になりました歯科衛生士の窪田と申します。どうぞよろしくお願いします。
歯科医院には緊張されて来られる患者様が多いと思いますが、そんな患者様の緊張が和らいで笑顔で帰っていただけるよう心がけていきたいと思います。

5月の中旬頃より、夏日が続き今年は例年よりだいぶ早く暑くなってきました。暑い日が続き、身体が暑さに慣れるまで身体のだるさや疲れやすさが感じられると思いますが、充分な睡眠と水分補給としっかりと食事を取って頑張って乗り切っていってください。私は夏でも冷たい飲み物より常温の飲み物を飲むようにしています。最近では甘酒を飲むのが楽しみの一つです。甘酒の季語は夏で、飲む点滴と言われている程栄養価も高く、夏バテにも効果があるので是非召し上がってみて下さい。

窪田

 

 

 

■歯科衛生士からのワンポイント情報

歯の着色は先天性のもの、薬物、損傷によるもの、食生活や加齢の影響など、さまざまなことが原因で起こります。

ホワイトニングは歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあります。歯の構造や歯質を変えず、安全に歯を白くすることができます。
当医院ではホームホワイトニングを行っております。マウスピースを作製し、ご自宅でホワイトニング剤を塗布し装着して頂くかたちになります。
ご希望やご質問がございましたら、お気軽にお声をおかけください。

両角 里菜

 

 

<<< 編集後記 >>>

梅雨の時期になりジメジメしてきましたね。雨も多く、五月の時点で夏日を迎えてますます暑い夏となりそうな予感がする今年は、すでに暑さ対策のグッズが多く売れているようです。皆さん夏バテしないように早いうちから体力づくりに努めていきましょう!

両角 里菜

歯ニュース 2014/10 … インプラントを併用した入れ歯のお話し

歯をなくされた時の代表的な治療法として入れ歯、ブリッジ、インプラントがありますがそれぞれ長所と短所を持っています。

<<治療の選択肢の詳細はこちらへ>>

今回はこれらの治療法の垣根を越えたお話しをしたいと思います。

今回このお話しをすることにしたきっかけは補綴学会の1本の論文を読んでいて私の長年の臨床実感とピッタリ符合することに気付いたからです。ある意味で自分の臨床成績やその経過から感じ取っていたことが実証されたといえなくもありません。

少数の歯の喪失症例には可能な限り入れ歯を避けることが患者さんのご希望により一般的です。それは入れ歯の使用感が劣ることと入れ歯そのものに抵抗があることが大半です。それに医療サイドから付け加えると入れ歯は噛む能力が劣ることと、入れ歯を乗せる歯肉(骨)が長期間の使用で痩せていくこと、入れ歯を安定させるために残った歯に引っかける針金などでその歯が揺さぶられ歯の寿命が短くなるリスクが挙げられます。

こうした理由から入れ歯はあまり人気がないのが事実ですが、しかし歯を多数失ってしまうと入れ歯の症例が増えてきます。その理由はそうした症例では入れ歯を使わないことを前提にするとインプラント本数が増えて治療費の高騰を招くことと、骨が痩せている場合はインプラント治療自体に無理が生じることがあるからです。入れ歯の長期使用によるあごの骨の痩せも関係します。

この入れ歯の問題と治療費の高騰への対策として考えられるのが少数のインプラントと入れ歯の併用です。通常の入れ歯は残った自分の歯に針金などを引っ掛けて入れ歯が外れるのを防ぐタイプですが、この入れ歯は歯やインプラントの上に乗せるタイプの入れ歯です。コーヌス義歯と同じ様な構造です。一般的な入れ歯と比較して優れた面がありますのでいくつかご紹介しましょう。

1)入れ歯を支える歯の周囲の骨の痩せが抑制され、また歯のない場所の骨の痩せも非常に少なく残った歯や入れ歯の寿命が一般的な入れ歯の症例に比べてかなり長くなっている。
2)特定の場所だけが良く噛める一般的な入れ歯に比べて全体的によく噛めるため、少々難しい話しですが噛む力のコントロールや分散がうまくいくことが多い。これは入れ歯が安定するためや、残った歯の寿命を長くすることと入れ歯によるあごの骨の痩せを少なくすることに結果的につながっていると考えられています。
3)明らかに総入れ歯より噛む能力や効率が良いため患者さんから良く噛める入れ歯と評価されることが多く、入れ歯特有のガタつきもなく患者さんの満足度が高い入れ歯です。
4)症例によっては歯に引っかける針金をなくすことができるため見た目にもいい入れ歯です。
5)後々に他の歯に不測の事態が発生しても、入れ歯ですから外せるので一から作り替えをしないで修理での対応が可能なケースが多々あり、治療期間と費用において有利な点があります。

<<実際の症例はこちらへ>>

入れ歯でお悩みの方には一つの解決策となる可能性があります。当院の症例を見ても10年以上快適に使い続けていらっしゃる方がかなりおられます。残っている歯の場所や状態、インプラントを入れるに十分な骨の量や場所などいくつかの条件もありますのでご興味のおありの方はご相談ください。

高岡 周一

  

 

 

■衛生士からのワンポイント情報

朝夕めっきり涼しくなってまいりました。
夏の終わりと共に秋の訪れを日に日に感じる毎日です。季節の変わり目に体調を崩されていませんか。

さて、医院では定期健診とは別に歯のメンテナンスを行っております。
こちらは患者様のお口の状態に合わせて1~3ヶ月毎に口腔内清掃、歯肉マッサージなどを行っておりますが、8月末頃よりお顔のマッサージも始めました。
咬筋や頬筋をマッサージすることによって、筋肉をほぐすと共に唾液の分泌も促していきます。
まだ、開始して間もないのですが患者様には気持ちいいとのご好評を頂いておりますので皆様も是非一度メンテナンスを行ってみてはいかがでしょうか。
スタッフ一同心よりお待ち致しております。

生田 智美

 

 

<<< 編集後記 >>>

こんにちは。もう季節は秋になり、今年もあと3ヶ月となりました。
秋と言えば、食欲の秋・読書の秋・スポーツの秋・・・などと言われますが、皆さんは秋にどんなことをしたいですか?
これからどんどん寒くなり旬の食材も増え、ご飯がおいしい時期になってきました。
寒くなると動くのが面倒になりがちですが、おいしいご飯を食べた後にはしっかり歯磨きをして健康な歯を保つように心がけましょう。
また季節の変わり目は体調を崩す方も多いので、手洗い・うがいをこまめに行い気をつけましょう。

両角 里菜

目立たない入れ歯 / お問合せQ&A

投稿者:なみ さん

質問させてください。私は上の一番奥の歯がすでにありません。
最近、その隣もグラグラとしてきて近い将来抜くことになると思います。
上の奥歯2本を入れ歯にする場合、どのような種類があるのでしょうか?
目立つものは嫌なので、保険外であっても目立たないもの希望です。
(インプラントは考えていません)
また、MTコネクターという入れ歯があるそうですが、扱っていらっしゃるか教えて頂きたいのですが・・・。

 

お返事:

なみさんこんばんは。
奥歯2本を失うかもしれない状況にご同情申し上げます。
お聞きになられたいことから外れてしまうかもしれませんが、この場合最も大切なことはどうして奥歯を2本失うようなことになったか、その原因です。
その原因をつぶさないと第二第三の歯をなくされる可能性があるからです。
今回ご希望の入れ歯をお入れになられたとしても、また次の歯を失って入れ歯の作り直しや修理はできれば避けたいものです。

お口を拝見していないので確かなことは申せませんが、仮に歯周病でグラついておられるのなら他の歯も心配です。その対処をされないで入れ歯をお入れになられると、入れ歯も残った歯も長持ちしないと思います。

入れ歯は作る前に、今何に困っておられてそれをどうされたいのか?症例的にどんな入れ歯が適当なのか?そして長く使える入れ歯の設計は?かめる入れ歯が入れられるのか?色々と考えなければなりません。

入れ歯は残った歯に入れ歯の安定を求めることになります。すなわち入れ歯を支えるだけのしっかりした歯がどこにどれだけあるのかも大事ですが、入れ歯は構造的に入れ歯を支える歯に負担を強いた結果入れ歯が安定するという犠牲の上に成り立つものです。残った歯の状況によって上記した事柄が変わってくるのです。

まず歯を失う原因の対処をされ、その間はもし食事に不便を感じておられるのなら仮の入れ歯をお入れになられてはいかがでしょうか。
仮の入れ歯のメリットは入れ歯のどの部分が不満に感じるかテストでき、その不満を避けた最終的な入れ歯を設計することができる、いわば試しの入れ歯として使ってみられることも一つの役割です。

前置きが長くなりましたが、ご質問の本題に入らせていただきます。
お口の状態が文面からは分かりませんので、ここでは一般論としてお話しさせて頂きます。
当院のホームページにあるように部分入れ歯にはいくつかの種類があり、一般的な歯にバネ(針金)を引っ掛けるタイプ、バネのないコーヌス義歯、バネを歯と似た色の特殊なプラスチックで作ってバネを見立ちにくくするタイプ、ご質問のMTコネクターのようにバネを人目につく外側に極力つけないタイプ、などがあります。

それぞれに利点と欠点、そして適応症がありますが、申し訳ありませんが紙面上ではどれがなみ様に適しているのか判断はできません。
目立たない入れ歯をご希望とのことですが、歯の状況によっては一般的な入れ歯でもバネの位置を考慮すれば目だちにくいかもしれません。

またここでは全ての利点と欠点を述べることができませんが、ご質問のMTコネクターのような歯の裏側だけで入れ歯を安定させるものは、仮に他の歯も歯周病であれば歯が揺れたり移動すると時間の経過と共に使えなくなったり修理が大掛かりになる懸念があります。
できるだけ長くお使い頂ける入れ歯を考えると、今だけの視点ではいけないと思います。
将来のお口の変化にある程度は修理などで対応できることが理想です。

お近くの先生か主治医の先生とよくご相談されてみてはいかがでしょうか。
きっといい解決法がみつかるのではと思います。
おだいじになさってください。


 

歯ニュース 2012/10 … 歯をなくした時

日中もやっと過ごしやすくなってきました。まだ1年の1/4が残っているのに今年は世間でいろんなことがあって長く感じます。それでも無事に秋にたどり着けたようです。

最近よく患者さんから入れ歯についてご質問を受けます。
歯をなくした場合、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどが噛むことなどの機能と見た目の回復手段の代表です。各手段の詳しいことはホームページやブログをご覧いただくとして、歯をなくした時にどうすればいいのでしょうか。
歯がなくなったら? 
入れ歯のお話し
インプラントのお話し

インプラント治療がすっかり市民権を得て一般的に最新の治療法と認知されてきています。
そのインプラントの登場によって、入れ歯はすっかり過去の治療法みたいな扱いを受けることが多いのですが、はたしてそうでしょうか。
私はそうは思いません。その方の価値観などの考え方やお困りの問題などの非常に個人的なもので決めるべきだと思っています。事実当院では入れ歯を選択される方々がかなりいらっしゃいます。

どんな治療法がご自分には最適か?
その答えは「何を求めて治療を受けるか」その一言に尽きます。入れ歯やインプラントはそのための手段であって目的ではないのです。よく一方的に「○○にしましょう」といわれたと新規の患者さんから聞きますが、それは違うと思います。

一人一人口の中や求めているものが違います。ですから手段を決めるのは歯科医側ではなく、それぞれのメリットやデメリットの説明を受けながら、手に入れたいものを具現化するには何が自分にとって有利かを判断できるようになることが大切だと思います。 ○○は患者さんと一緒になって探し求めていくものだと考えています。

また私たち治療側も自分の得意な手段に偏って誘導することなく、その人、その症例にとってどれが適しているのかをニュートラルに判断できるように、怠ることなくそれぞれの治療法の研鑽を積むことが求められていると考えます。特に入れ歯治療は長い年月の経験と学習が必要なものですからなおのことです。

どうしても表面的な情報やニュースになる特異な情報だけが独り歩きしますが、本当の姿や実績、繰り返しますが口の中や求めが他の人と同じでないご自分には何が最適でどんな生活を送ることができるのかを吟味してお考えになられるといいと思います。
私たちはそのためのよき水先案内人になりたいと考えています。 

 高岡 周一

 

 

 

 

■ スタッフの声

こんにちは。早いもので私がこちらの歯科医院に勤務してから3ヶ月が過ぎました。毎日が試験勉強のように覚えることがいっぱいで充実しています。

10月といえば、○○の秋!ですよね。今回は食欲の秋をご紹介していきたいと思います。
まずは《ごぼうの炊込み御飯》ごぼうの皮にはポリフェノールが豊富なので、皮を剥かずにたわしで水洗いします。あとはお好きな野菜や山菜などを加えてダシ汁と一緒に炊飯器に入れます。具が山の幸だったらダシは海の幸がいいとされています。これで1人分500kcalしません。

次に《生秋鮭の塩麹焼き》今はやりの塩麹です。鮭に塩麹をぬり、冷蔵庫で一晩ねかせます。塩麹は焦げやすいので、フライパンで蓋をして弱火で蒸し焼きにしてください。旬の野菜などをあんかけソースでからめて、かけるのもおいしいと思います。これで1人分300kcalしません。
この2品だけでも充分栄養のとれた食事になると思います。
これから寒くなりますので、皆さんも栄養バランスに気をつけて、風邪をひかないようになさって下さい。

小原 咲央

 

 

<<< 編集後記 >>>

今回の先生のコラムは入れ歯についてでした。わからない事や気になる事がある方は、院長やスタッフにお気軽にお声がけ下さい。

小原咲央

入れ歯治療検討中 / お問合せQ&A

投稿者:大堀さん
入れ歯を検討している44歳女性です。
歯が弱ってきているため、通っている歯医者でもそれとなく勧められました。
ただ、これから年を取るにつれて、顎が細くなり、入れ歯が合わなくなる可能性が出てくるのが心配です。
そういう問題が発生しうる若年・中年層の入れ歯利用者は、今後また新しい入れ歯を作らないといけないのでしょうか。費用が気がかりです。
今から入れ歯をすると10年~20年どのくらいの費用がかかりますか?

 

 お返事:
大堀さんこんにちは。人生の折り返し地点ともいえるご年齢での入れ歯に、現在のご不満と今後へのご不安がおありなのだとご拝察いたします。

歯が弱ってきておられ入れ歯を検討中とのことですが、残った歯が弱った原因への対処が大切だと思います。原因をそのままにして入れ歯をお入れになっても、今度は他の歯に問題が出る恐れがあるからです。

入れ歯をお入れになられるのは良いのですが、弱ってきたとおっしゃっている残った歯の治療を第一にお考えになられるとよいと思います。入れ歯の代わりはあっても歯の代わりがないからです。またどんないい入れ歯でもしっかりとした自分の歯のように噛むことができないからです。

将来入れ歯が合わなくなるのが心配とのお話ですが、人は年齢とともに体型やお顔だけでなく、残念ながらお口の中も変化していくものです。入れ歯自体は基本的には変化しないものですから、年々変化していくあごの土手の形や歯の状態などのお口の中の変化に入れ歯を合わせてあげる必要が出てきます。
身の回りを見渡してみても時代と共に変わりゆくものが多く、入れ歯だけ特別とはいかないのです。これはある程度許容していくしかありません。しかし問題はその頻度です。

ご質問のそうした時に新しい入れ歯を作るかどうかですが、変化の程度によって変わってきます。大きな変化であれば作り直しが必要でしょうし、小さい変化であれば入れ歯の裏打ちなどの修理で対応できることがあります。
その変化の大きさはかみ合わせや残った歯の状態、噛み癖などの患者さんの問題、入れ歯の精度や設計などの入れ歯自体の問題によって症例ごとに変わってきます。

その費用に関しては先にお話しした変化の程度や頻度、入れ歯の問題などによってずいぶんと変わってきます。歯ぎしりや食いしばりなどの噛み癖がなく、作製には多少予算がかかってもピッタリ合った精度の高い入れ歯は一般的に変化の程度が少ないことが多いために修理対応で済ませられる可能性が高く、先ほど述べた入れ歯の新製頻度は少なくなると思います。

人生で入れ歯を何度も作り直すことにも費用がかかりますし、少しでも快適な入れ歯を長く使うこととどちらを選ばれるか、これは患者さまの価値観だと思います。
今のお口の状況もわかりませんし、人それぞれ違うこれから先の10年20年の変化をいくら専門家といっても予測する事は困難ですので費用については申し訳ございませんがお伝えする事ができません。入れ歯とインプラントの併用など設計も多岐にわたりますので、おかかりの先生にご相談いただくのが一番だと思います。

今回のご相談にもあるように、ご自身の歯の大切さや価値をご理解いただけたと存じます。入れ歯も結構ですが、今ある歯を大切になさってください。そしていろんな入れ歯の設計がありますが、長い目で見て今ある歯を少しでも長らえる治療法をお勧めいたします。

 

入れ歯の手入れ / お問合せQ&A

投稿者:raijinさん
入れ歯を入れてから3年が経ちます。
毎日装着後に洗浄剤に入れて消毒しています。
でも、最近取り付けると違和感を覚えるようになりました。
昔のように歯ぐきにフィットしないのです。
家庭で行う洗浄作業の他に、歯医者で手入れが必要だったのでしょうか?

 

お返事:
raijinさんこんばんは。入れ歯を外した後に義歯洗浄剤に漬け置きされておられることは大変いいことです。実際に拝見したわけではありませんのであくまでも可能性として、一般的に入れ歯がピッタリと合わなくなる原因をいくつかお話ししてみます。

●ブラシで入れ歯の汚れを取り除く習慣がなく、細菌の増殖によるあごの粘膜の炎症を予防できない場合にはあごの肉や骨の形が変わって入れ歯が段々合わなくなってきます。
●今度は逆にブラシを当て過ぎて入れ歯(特に裏側)を過度に摩耗させてしまうと入れ歯が合わなくなります。
●部分入れ歯の場合、歯に引っかける金具が歯に合わなくなると入れ歯がガタついてきます。
●あごの土手(歯ぐきや骨)が何らかの理由で痩せてしまうと入れ歯が合わなくなってきます。

最後の原因についてもう少し詳しくお話してみます。
入れ歯は人工の歯のかみ合わせを除いて基本的にはあまり変化しませんが、残念ながら人の身体は歳を取り変化していくものです。この変化によって入れ歯と合わなくなることがあります。しかし3年ほどでは「少し緩くなってきたかな」と感じることはあっても、通常はそんな大きな変化がでることはあまりありません。
しかしその変化の度合いは症例によって、また入れ歯の設計や材質によって変わってきます。また噛みしめや食いしばり、歯ぎしりなどの癖があると変化が大きくなる傾向にあります。何が原因でそうなったかが問題だと思います。

多少の土手の変化であれば、入れ歯の裏打ちをすればまたお使いになれることが多いのでご安心ください。
今後のことを考えるとどうして3年でそうなったかを検証する必要があると考えますが、入れ歯をお作りいただいた歯医者さんに一度ご相談されることをお勧めいたします。

 

部分入れ歯の保険適用と適用外 / お問合せQ&A

投稿者:ハナシ  さん
保険適用と保険適用外の部分入れ歯の機能の違いが知りたいです。
着用時のメリットとデメリットを教えて下さい。

 

お返事:
ハナシさんこんにちは。一部に歯が残っている方の入れ歯を部分入れ歯と呼びますが、部分入れ歯は残っている歯の本数や位置によっても色々な違った設計があります。
入れ歯やその部品の材質だけでなく、どんな部品をどこに配置するかなど、そうした設計の違いによって入れ歯の噛める能力やガタつきなどの安定性、外見や装着感など使い心地が変わってきます。また設計によっては残った歯への負担のかかり方も変わりますので、歯の寿命にも関わってきます。
要約すると設計によって得られるものと失うものがあり、またそれが今実感できるものと将来その差がわかるものとがあって、入れ歯において設計が最も大切なものであるということです。ただご質問の保険のものには健康保険のルールに由来する、設計上と材質上に制約があります。

現在のご不満やご要望、残った歯の状態や歯の位置、噛み合いの歯の状態などが症例毎に違いますから、ご質問の保険と保険外の入れ歯との差が如実に出る症例からそこまで大きくない症例まで様々です。
このことからご質問の機能的違いやメリットとデメリットは症例によって大きく変わってくるものだとお考え下さい。ですから正確にはおかかりの先生とご相談いただくしかありませんが、ここでは一般論としてお話してみます。

両者の違いは一般的には入れ歯に用いる材料の違いのハードの部分と考えられていることが多いのですが、私はそれよりも先ほどの設計と入れ歯作製にかかる手間や時間などのソフトの部分が大きいと考えています。
入れ歯の設計や製作に経験値がものをいうのはそういう理由からで、これらが患者さまの満足度や残った歯の寿命に大きく関わってきます。

お尋ねの機能のトップは「噛める」ことだと思いますが、見栄えや入れた時の不快感や装着感、残った歯の寿命なども広い意味での機能と捉えることができます。どの機能をとっても保険という制約がなく最適な方法を自由に選択できる入れ歯の方が有利だと思います。
そうした入れ歯のメリットは先ほどの色々な機能の程度の差(違い)を手に入れられることで、デメリットは一般的に費用がかかることです。

ただし、歯が1本もなくて入れ歯も入れないでも平気な人からちょっとしたことも気になる人まで、人により大変大きな感受性の違いによる満足度の差があります。特に入れ歯はその差が大きく出ます。
その上に先ほどお話ししたように症例によって両者の違いに対する利益の差が違ってきますので、かかりつけの先生とご自分の症例にとってどのくらいの差がでるのかをご相談されるといいと思います。

入れ歯と金属アレルギー / お問合せQ&A

投稿者: mike さん
金属アレルギーの為、金属以外で入れ歯を作る場合費用・材質などを教えていただけますか?
去年10月末より扁平タイセンと診断されました。

 

お返事:
mikeさんこんにちは。一般的には入れ歯とは取り外しができる義歯のことを指しますのでそれについてお答えいたします。

まず入れ歯にもご自分の歯が一本も残っていない場合の総入れ歯と、ご自分の歯が一部残っている場合の部分入れ歯があります。mikeさんの入れ歯がどちらか不明ですが、総入れ歯で金属を全く使わないで作ることは簡単です。総入れ歯の材質は一般的にはアクリックレジンという名前の樹脂になります。人工の歯はその他に硬質レジンやセラミック(陶器)も選べます。

問題なのは部分入れ歯の場合です。部分入れ歯は残った歯に金属製の針金を引っ掛けて入れ歯を安定させたり、口の中に金属製の板や棒を用いることが多いからです。この点に金属アレルギーをお持ちだということが引っかかってきます。

ですが、歯をなくされた位置や本数などのお口の状況によっては、金属の板や棒を使わない入れ歯の設計ができる場合もあります。ただ金属は薄くても丈夫なため異物感が少なくてすみますが、それをプラスチック等で代用するには同等の強度を求めると厚みが厚くなって多少異物感が増える可能性があることと、歯と同系色のプラスチック製の針金で審美的な反面将来万が一壊れた場合に修理が多少制限される懸念があることが欠点です。

金属アレルギーをお持ちでも、すべての金属にアレルギーがあることはまれです。人によってアレルギーを起こす金属が違うためここで断定はできませんが、アレルギーを起こす金属を避けて問題のない金属で先ほどの入れ歯の部品を作ることも可能かもしれません。また入れ歯の針金を特殊な樹脂で作る方法もあります。
皮膚科などでパッチテストという金属アレルギー検査をお受けになられて、どんな金属にアレルギーがあるかを調べていただいてはいかがでしょうか。

今お話しした材質の一部や金属の種類によっては保険が適用されない場合もあります。またお尋ねの費用に関しては各医院での費用が違いますし、お口の状況や入れ歯の設計によって変わるものですから、担当医とご相談されることをお勧めいたします。

歯をなくすことは万病の元 / 医院ブログ

歯をなくされたことが小さな問題であるとは私は考えていません。 なぜなら、次の大きな問題の予兆だからです。
第一は、歯をなくした理由がまだそこに残っていると、さらにまた次の歯を失う恐れがあることです。
第二は、歯を失ったままだと他の歯に問題が出るからです。 坂を転がり落ちるように、どんどん次々と歯を失っていく連鎖が起きるからです。 これから将来の問題といってもいいでしょう。

私は昔から「抜きっぱなしは大怪我の元」とお話してきました。 歯を失うと、その両隣の歯は倒れこみ、噛み合いの歯は延び出てきます。歯は自然に動くのです。悪い意味での矯正です。 その結果噛み合せが狂ってくるのです。
これが頭から足までの骨格系の歪みになり、 肩こり、頭痛、腰痛などの不定愁訴を引き起こすこともあります。 またその歪みは背骨の歪みでもあり、東洋医学では背骨の曲がりは万病の元といわれていますから早期の修正が必要です。

また力を入れる時に、歯を支える組織に問題があったり歯を失うと力が入らなくなります。 このため踏ん張りが利かない、ここぞという時にガンバリが利かないなどにつながることがあります。
さらに頬や口元が痩せたり顔のしわなどの顔貌の変化が起こり、老けて見えることがよくあります。
また自分ではちゃんと話しているつもりでも周りの人には聞き取りづらく電話で聞きなおされるなど、発音や会話の障害になることがあります。 歯はコミュニケーションの要ですから段々喋るのが億劫になって、言葉とコミュニケーションによって進化してきた人類の進化に逆行することになります。

歯をなくしたら / 医院ブログ

人の体に無駄なものは一切ありません。 研究すればするほど非常に無駄なく効率的にうまくできていることがわかります。 5000万年前に人類の祖先である原猿類が誕生してから、長い年月で無駄を省き、必要な機能を満たすために進化してきた人の体に不要なものなどないのです。

歯の本数は本来28本ですが、前歯と奥歯、糸切歯などそれぞれ本来の仕事が皆違います。仕事が違うため、歯の形態や根っこの長さなど皆違います。失った歯の代用を他の歯にさせることはできないのです。 本来あるべきものは、本来あるべき場所に一本も欠けることなく存在し続けることが大切です。

前に歯の働きや噛むことの意義をお話ししましたが、この恩恵を放棄するだけでなく、逆にデメリットとしてこれからの生活と人生にのしかかってきます。 もちろん噛めない=食べられない、ですから栄養摂取上にも問題ですし、高齢者の日常生活における楽しみの第一位は「食事」といわれていますので、将来の楽しむ権利を今ここで失うことは大きな損失です。

食べられるものが限られる、 食生活が変わる、 他の人と食事するのが嫌、 出かけることがおっくになる、 活動的でなくなる、 自分に自信が持てなくなる、 口元や顔貌に若さがなくなる・・・などなど たくさんの「できない」がこれから降りかかってきます。 これが楽しい人生でしょうか?

しかし歯をなくしたまま放置しないで抜けた歯を補う治療をすればこうした不満や不安は解決できます。今の現状にあきらめさえしなければ、人前で大きな口を堂々と開けて喋ったり笑ったりしながら、なんでもおいしくいただけることを手に入れることができるのです。

噛めないとどうなる / 医院ブログ

しっかりとした自分の歯があった時代には微塵も感じていなかったことが、歯を悪くしたり歯をなくして初めて体験することがあります。
「よく噛めないし食べてもおいしくないから食べることに興味がなくなった」 「外ではどんな食事が出されるかわからないから外に出るのが億劫になった」 「口元が貧弱になった」 「口の中に自信が持てないために、人に口を見せたくないから喋るのが嫌になった」 「気分まで老ける」など歯を失くされた患者さんからこうしたお声をよく耳にします。

噛めないことは噛むことによる利益を失うことです。 咀嚼能力が落ちて栄養摂取上の問題もありますが、口の機能をあまり使わなくなると神経や筋肉などが十分に活性化されず、それらは衰え、口元や顔のハリを失い老けて見えることにもつながります。

歯をなくしたらできないことが増え生活の質が低下するだけでなく、発音や骨格の維持に支障をきたし、肩こりや頭痛、腰痛などの不定愁訴を抱え込んだり、重いものを持てない、踏ん張りやガンバリがきかないなどが起きることがあります。

また噛むことと脳機能や認知症との関わりが注目されているように、脳の血流量の減少と共に活性化が十分に行われず思考力や記憶力、判断力、注意力などが低下してしまいます。 さらに内臓脂肪の増加を促して、肥満や生活習慣病の温床にもつながります。 これらは日本人の死因のかなりの部分を占める以上侮ることはできません。
噛むことは食べ物を咀嚼することだけではないのです。噛むことで私たちはたくさんの恩恵を知らぬ間に受けています。 とても大切なものなのです。

噛めないとどうなる2 / 医院ブログ

噛めないことのデメリットはまだまだたくさんあります。 噛むことで得られるストレス発散効果が少なくなり、また視力向上、運動能力の向上などの効果も失ってしまいます。 またたくさんのホルモンや酵素、抗菌物質が含まれている唾液の分泌が減少するために、味覚に影響がでたり、酸の中和力や粘膜の修復能力、口の中の洗浄や口臭予防などの働きが悪くなります。

免疫力の低下を招き、感染症や病気にかかりやすく、またむし歯や歯周病にもかかりやすくなります。このためまた他の歯を失い、さらに噛めなくなってまた歯を失う悪循環に陥る危険があります。

食べる楽しみを奪われ、歯の喪失が日常生活上での自信の喪失につながることも多く、人とのコミュニケーションが億劫になり、外食をふくめて外に出ることに消極的になるなど行動力の低下や社交性の低下など日常生活の積極性の低下が伺えます。 百寿者の明るく元気でよく喋りよく食べる姿とは対照的な姿です。

このようにたくさんのマイナス要因を『噛めない』ことはもたらします。 噛む能力の高い高齢者は医療費が少なく健康だという調査結果もありますから、 今ある歯をできるだけ長く残し、失った歯を早急に取り戻すことをお勧めいたします。

歯をなくした時には / 医院ブログ

当院は東京23区のすぐ隣の市である武蔵野市にあり、また立地が三鷹駅周辺ということもあるのでしょうか、大規模な新規の住宅開発が行われることもないためか大人の方が多く来院されます。そのため平均年齢が高いためでしょうか、歯を失くされた方が大勢お見えになられます。

歯を失くした場合の選択肢として近年インプラント治療が一般的になってきていますが、歯科界も含めて世間の考え方がどうもインプラントが目的になっているような気がして異和感を持っています。
確かにインプラントはたくさんの恩恵を運んできてくれます。ですがそれは一つの手段であって、真の目的はどんな生活を送りたいのか、どんな不便を解消したいのか、またその生活の質の獲得と精神的な負担の解消だと私は思います。手段を先に決めてしまうことに異和感があるのです。

しかしインプラントの登場で過去の治療法では成し得なかった生活の改善ができることが医療側にとって革新的に写ることと、長年臨床を行っていると一つの崩壊が連鎖的に次の崩壊を呼ぶことが多く、過去では困難であったそれを止める手段として有望な治療法であることが強いインパクトを持っていること。さらに患者さま側からのインプラントに対するご質問も多いためか、我々医療サイドからのアナウンスが偏って多くなっている状況を我々医療人も反省しなくてはならないでしょう。

症例によってはインプラントが最適な場合もあれば、ブリッジや入れ歯をお勧めする場合もあります。残った歯の状況や生活状況、お困りの状況などと共にそれぞれの選択肢のメリットとデメリットを比較しながら、先ほどの真の目的に沿ってその方にとって最適な選択肢が何なのかを患者さんと一緒に考えていくプロセスが大切なのだと考えています。

その一緒に考えた結果が手段だと考えています。5年後、10年後にあの時あの治療をしておいてよかったと思える治療が最善の治療なのだと思います。

「抜きっぱなし」は大怪我の元 / 歯の病気のお話し P 5/8

歯がボロボロになるまで虫歯が進んでしまった場合は、現代医学では残念ながら抜歯する他ないことがあります。しかし問題はその後です。人には身体の中にいらないものはなく、全てが揃って健康でいられます。歯は大切な身体の一部ですから、不幸にしてなくしてしまった場合には、それを補わなければなりません。

これを怠ってそのままにしておくと他の歯が傾いたり伸びだしたりして動いてしまいます。たり、場合によっては顎までが動いてしまい、歯の寿命を短くしたり、かみ合わせが狂ってしまいさまざまな全身症状の原因となる場合があります。

歯を失った理由は色々とあるでしょう。その理由はそれで非常に大切なことなのですが、比較的なおざりにされ大きな問題となっているのがそのまま何もしないで放っておく事なのです。

人生での失敗も何かをしてしまった失敗もあれば、すべき事をしなかった失敗もあります。そしてその時それなりに考えて選択して、結果的に失敗したことより、何も考えや行動をしなかった消極的選択の方が大きな後悔をします。歯を失ってそのままにしておいた、又はあまりに安易な対応で済ませて来た人は、顎がおかしかったりなかなか満足する入れ歯と出会うことができない方が多いようです。

ご両親と神様は現在の科学をもってしても未だ超えることのできないすばらしい機能と形態の調和を与えてくれたのです。それを乱し歪めた不自然な状態が今症状がないからといって身体に人生に良いはずがないのです。

多くの方が「困ったら治療すればいいや」とたかをくくっておられます。さらにそんな状態になっても又元に戻せると勘違いして安易に考えていらっしゃいます。また「先のことはその時に考えればいい。今が良ければ他に優先することがあって忙しいから」とその日暮らしのようにご自分の身体を後回しにされています。その人はご自分の人生だからそれで良いとしても、ご両親や神様、ご自分の身体はそれで良いと思っているでしょうか?

人生そんなに甘くないので、今は良くても後になって大きなしっぺ返しが返ってきます。
医療には限界があります。そして時期があります。長い間そのような状態にあった場合は、歯の噛み合わせがズレて偏頭痛や肩こり、首のこり、腰痛や体の症状につらい思いをされておられる人をよく見かけます。じっくり時間をかけて治療をしていく必要があり、そこまで大変な状態だということに気が付いて頂きたいのです。またとない大切なお身体をいたわってあげて欲しいと思います。

 

歯を失った時の治療法とは / 歯の病気のお話し P 6/8

詳しくは別でお話ししますが、歯がなくなった場所(図A)に歯を補う方法としては、抜けた場所の前後の歯に橋渡しをする人工の歯をつくるブリッジ(図B)や、部分入れ歯(図D)、抜けた場所に人工歯根を植え込むインプラント(図C)などの治療方法があります。

ブリッジは歯を削らざるを得なかったり、歯のなくなった場所でかむ力が両端の支える歯の負担になる問題もあります。

入れ歯は針金のような金具で口元が上品でなかったり、喋りずらいとか、食べ物がはさまったり、わずらわしいという方もいらっしゃいます。しかし最近では研究が進み、これらの問題をかなり解決する方法も開発されています。
それぞれに長所・短所があり十分検討をした上で治療法を選択しなければなりません。

さらに忘れてはならないものがあります。それは入れ歯であれブリッジやインプラントであれ避けては通れない「かみ合わせ」です。
それらがいくらうまくお口に入っていても、十分機能し、さらに全身的なコリや痛みがなく快適な生活が得られなくては価値が半減します。かなり難しいことですがどう作るかが大切です。その幸せな状態は長続きして欲しいですものね。

 

総入れ歯の口元の誤解 / 歯がなくなったら? P 5/13

■ 歯がなくなりあごが痩せるから、総入れ歯になったら口元が老けてもしようがない。

歯を磨く習慣が十分に定着していなかった時代には、むし歯で歯を失うことが多かったのですが、現在では歯周病が最大の原因です。歯周病でなくした歯が植わっていたあごの骨は、非常に痩せていることが多いのです。

また、人は年々歯を少しずつ失っていきます。昔から齢の字に歯が使われているのもそうした理由でしょう。そして歯が一本もなくなると最後に総入れ歯になります。

この総入れ歯の歴史は古く、古代エジプト時代からの出土品もあります。日本ではその昔に、かなり身分の高かった人が使っていたのであろうといわれている木製の総入れ歯が今も残っています。

最近の入れ歯はプラスチックでできており、歯肉と人工歯が天然のものと似せて作れるようになりました。当時より外見上では美しく、自然な入れ歯を作ることができるようになりました。現在は材質的には木製時代より良くなったものの、総入れ歯にはまだ問題があります。

それは総入れ歯特有の痩せて貧相に見える口元です。口元のシワやへしゃげた唇がそれに拍車をかけます。歯医者さんがそれに気付いていないのではないのです。気付いているけど、これがなかなか難しいのです。

これは、歯を失うと同時にあごの骨も失っていることと、歯を失う度に噛み合わせが狂って、下のあごが後ろにズレているために、カッコよく入れ歯を作ると入れ歯がすぐ外れたり、噛めないからです。口元の貧しさには理由があるのです。

ではどうしようもないのかと言うと、いやいや手はあります。時間と手間をかければ、個人差はあるもののその回復も可能です。詳しくは、別冊「入れ歯と歩む、豊かな人生」をお読みいただくとして、「新しい入れ歯で、五年、いや十年若返ったみたい!」と嬉しいお声を聞くこともありました。あなたにも喜んでいただきたいと思います。

 

入れ歯について / 歯がなくなったら? P 9/13

■入れ歯

入れ歯には、まだ歯が残っている方の部分入れ歯と、まったく歯が残っていらっしゃらない総入れ歯があります。
部分入れ歯にもいくつか種類がありますが、基本的には入れ歯の安定を残った歯に依存しています。ですから残った歯の能力や状態によって、入れ歯の形などのデザイン、安定、ひいては噛める能力などに違いがでてきます。

同じ状況は二つとしてありませんから、すべての方の入れ歯は違います。他の人がいいから自分もいいとは限らないのです。この改善には経験と知識がものをいうために、歯科医の腕の見せ所でもあります。

入れ歯が適応症の方の多くは、歯をたくさん亡くされた方が一般的です。そのために歯を少しずつ亡くす度に、あごの位置のズレや噛み合わせのズレなどが起こっていることが多くあります。
噛み合わせが低くなって、口元がへしゃげたような方も大勢いらっしゃいます。こうした長年の蓄積したズレの解消には、お互いの時間と根気が必要です。ズレが大きいままだと具合のいい入れ歯が入らないからです。しかし患者さまの求めていらっしゃるものによっては、このズレを残したまま入れ歯を作ることができますし、一般的にはそういう治療がほとんどです。

今度は、入れ歯と他の選択肢との比較をしてみましょう。
入れ歯には治療側からすれば自由度が高いという利点があります。ただしこの自由度の高さがどうとでも作れることと同義語となり、その結果がお互いの入れ歯治療の難しさにもなっています。
しかしこれを利点として生かすことができれば、痩せたあごや歯肉の回復による口元の改善、外見上最も相応しい位置への人工歯の配置などが可能になります。

さらに取り外しができることが、外して歯と口の清掃が簡単にでき、将来の不測の事態に対する修理や修正が可能になることが多い点で他の選択肢より有利です。
前にお話ししましたが、この有利さと高齢であること、それが私が母の治療に入れ歯を選択した理由です。

他の選択肢より劣る点は、第一は異物感や喋りにくさがあることです。しかしこの感覚にはかなりの個人差があって、まったく平気な方もいらっしゃいます。それらは、大半の方は一ヶ月位で慣れて解消していきます。

次は部分入れ歯ではほとんどみられませんが、総入れ歯でよく見られる「外れやすい」や「噛めない」「痛い」などの不満です。これも精度の高いちゃんとした入れ歯をお作りなれば、まったく問題はなくなりますからご安心下さい。

最後は部分入れ歯特有の問題です。前の章の「部分入れ歯を使うと、入れ歯を支える歯が悪くなる」でお話ししましたが、入れ歯を支える歯に負担がかかることがあります。
ブリッジの歯のない両脇の歯に負担がかかることと似ています。インプラントにはまったくこの問題がなく、この点においてはインプラントに軍配が上がります。
ここは部分入れ歯の宿命ともいえる部分ですが、症例にもよりますがしっかりとした設計をすれば大きな問題とはなりませんのでご安心下さい。

 

治療法のまとめ / 歯がなくなったら? P 12/13

ここまでお話ししたそれぞれの特徴を大まかにまとめてみました。
症例によって多少変わることもありますから、あくまで参考とお考えください。

入れ歯

ブリッジ

インプラント

 歯を削る必要がない

△少し

×

 他の歯に負担がかからない

×

×

 両隣に歯がなくてもできる

×

 よく噛める

△/×

 異物感がない

×

 カッコウがいい

△/×

△/○

 手術が必要

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