歯ニュース 2015/06 … 実年齢よりも気持ちが若い人は長生き?

人の年齢にどんな意味があるとお考えでしょうか。選挙権や運転免許などの取得可能年齢は法律で定められていますが、早熟な人やそうでない人がいたとしても公平性を保つためには実年齢で一律に決めたほうがいいでしょう。しかしある年齢以上になれば実年齢は段々意味が薄れてくるようです。

同期入社や学生時代の同窓会でたまに会う同年齢の友の歳のとり方の違いに驚くことがあります。子供の頃の早熟にはネガティブなイメージはありませんが、こちらはあまりありがたいことではありませんね。

ところで実年齢を切り離してご自分を何歳だと感じられるでしょうか。誰と比較するかにもよるでしょうが、一般的な同年齢の方との比較の上で今のご自分はそれより若く感じるか、同等か、それとも老けて感じるかでお考えになってみてください。
そんなことが何の役に立つのかと思われるかもしれませんが、実はこれが長生き(死亡率)と関連性があったという報告が最近ありました。

英ロンドン大学(UCL)疫学・保健研究所所長のAndrew Steptoe氏らの英国での長期研究によると、全被験者に「自分を何歳だと感じるか」と尋ねたところ、被験者の3分の2超が実年齢より3歳以上若いと感じ、約4分の1が実年齢、約5%が1歳以上高齢だと感じていました。被験者の実年齢は平均66歳でした、自己認識年齢は平均57歳でした。平均で9歳もサバを読んだ結果に驚かれるか同意されるのか、ご感想はそれぞれでしょう。
見かたによれば体の加齢に気分がついていかないのかも知れませんが、元来人は自分を若く認めたいものですので自然な結果なのかもしれません。

一方でその調査から別な視点が読み取れます。8年間で実年齢より高齢だと感じている人の約25%、若いと感じている人の約14%、年齢相応に感じている人の約19%が死亡していました。慢性的な健康障害などの実際よりも高齢だと感じさせる事柄を考慮しても、高齢だと感じている人の死亡リスクは若いと感じている人よりも41%高かったそうです。
また高齢だと感じている人の心臓関連疾患による死亡は若いと感じている人の2倍以上でした。さらに実年齢よりも3歳以上若いと感じている高齢者は、実年齢と同じかそれよりも高齢だと感じている人に比べて8年間での死亡率が低かったとしています。

この研究結果からだけで若いと感じることで寿命が延びることを決定的に証明しているわけではありません。しかしSteptoe氏が「おそらく人々の信念や感情を調べることで、他の健康や幸福を測る指標では捉えられないことがわかる」と述べているように、人の心が健康、ひいては寿命に全くの無関係とも考えにくいのです。
「気持ちが若い」人は長生きする可能性が高い、ここまでは現時点でもいえるのではないでしょうか。

ぐらついて硬いものが噛めない、歯が抜けたまま放っておいてある、具合の悪い入れ歯で無理をしながら食べている、もう歳だからしかたがないと半場あきらめている、人生後どれだけ残っているかわからないから現状のままでもいい、どれも幸せでもなければ若さとは正反対の気持ちです。
現代の歯科医療でも昔のように食べられる幸せな食生活、そして気分の若さも取り戻すことができるのではないと思います。毎日の生活の中でも若いと感じることは自分に自身が持てることでもありますし、なんといってもハッピーなことですから日頃のちょっとしたことで若返ってみせるのもいいかもしれません。
くれぐれも無理のない範囲でお願いします。

高岡 周一

 

 

 

■  スタッフ紹介

初めまして、4月末より高岡歯科医院のスタッフの一員になりました歯科衛生士の窪田と申します。どうぞよろしくお願いします。
歯科医院には緊張されて来られる患者様が多いと思いますが、そんな患者様の緊張が和らいで笑顔で帰っていただけるよう心がけていきたいと思います。

5月の中旬頃より、夏日が続き今年は例年よりだいぶ早く暑くなってきました。暑い日が続き、身体が暑さに慣れるまで身体のだるさや疲れやすさが感じられると思いますが、充分な睡眠と水分補給としっかりと食事を取って頑張って乗り切っていってください。私は夏でも冷たい飲み物より常温の飲み物を飲むようにしています。最近では甘酒を飲むのが楽しみの一つです。甘酒の季語は夏で、飲む点滴と言われている程栄養価も高く、夏バテにも効果があるので是非召し上がってみて下さい。

窪田

 

 

 

■歯科衛生士からのワンポイント情報

歯の着色は先天性のもの、薬物、損傷によるもの、食生活や加齢の影響など、さまざまなことが原因で起こります。

ホワイトニングは歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあります。歯の構造や歯質を変えず、安全に歯を白くすることができます。
当医院ではホームホワイトニングを行っております。マウスピースを作製し、ご自宅でホワイトニング剤を塗布し装着して頂くかたちになります。
ご希望やご質問がございましたら、お気軽にお声をおかけください。

両角 里菜

 

 

<<< 編集後記 >>>

梅雨の時期になりジメジメしてきましたね。雨も多く、五月の時点で夏日を迎えてますます暑い夏となりそうな予感がする今年は、すでに暑さ対策のグッズが多く売れているようです。皆さん夏バテしないように早いうちから体力づくりに努めていきましょう!

両角 里菜

歯ニュース 2014/10 … インプラントを併用した入れ歯のお話し

歯をなくされた時の代表的な治療法として入れ歯、ブリッジ、インプラントがありますがそれぞれ長所と短所を持っています。

<<治療の選択肢の詳細はこちらへ>>

今回はこれらの治療法の垣根を越えたお話しをしたいと思います。

今回このお話しをすることにしたきっかけは補綴学会の1本の論文を読んでいて私の長年の臨床実感とピッタリ符合することに気付いたからです。ある意味で自分の臨床成績やその経過から感じ取っていたことが実証されたといえなくもありません。

少数の歯の喪失症例には可能な限り入れ歯を避けることが患者さんのご希望により一般的です。それは入れ歯の使用感が劣ることと入れ歯そのものに抵抗があることが大半です。それに医療サイドから付け加えると入れ歯は噛む能力が劣ることと、入れ歯を乗せる歯肉(骨)が長期間の使用で痩せていくこと、入れ歯を安定させるために残った歯に引っかける針金などでその歯が揺さぶられ歯の寿命が短くなるリスクが挙げられます。

こうした理由から入れ歯はあまり人気がないのが事実ですが、しかし歯を多数失ってしまうと入れ歯の症例が増えてきます。その理由はそうした症例では入れ歯を使わないことを前提にするとインプラント本数が増えて治療費の高騰を招くことと、骨が痩せている場合はインプラント治療自体に無理が生じることがあるからです。入れ歯の長期使用によるあごの骨の痩せも関係します。

この入れ歯の問題と治療費の高騰への対策として考えられるのが少数のインプラントと入れ歯の併用です。通常の入れ歯は残った自分の歯に針金などを引っ掛けて入れ歯が外れるのを防ぐタイプですが、この入れ歯は歯やインプラントの上に乗せるタイプの入れ歯です。コーヌス義歯と同じ様な構造です。一般的な入れ歯と比較して優れた面がありますのでいくつかご紹介しましょう。

1)入れ歯を支える歯の周囲の骨の痩せが抑制され、また歯のない場所の骨の痩せも非常に少なく残った歯や入れ歯の寿命が一般的な入れ歯の症例に比べてかなり長くなっている。
2)特定の場所だけが良く噛める一般的な入れ歯に比べて全体的によく噛めるため、少々難しい話しですが噛む力のコントロールや分散がうまくいくことが多い。これは入れ歯が安定するためや、残った歯の寿命を長くすることと入れ歯によるあごの骨の痩せを少なくすることに結果的につながっていると考えられています。
3)明らかに総入れ歯より噛む能力や効率が良いため患者さんから良く噛める入れ歯と評価されることが多く、入れ歯特有のガタつきもなく患者さんの満足度が高い入れ歯です。
4)症例によっては歯に引っかける針金をなくすことができるため見た目にもいい入れ歯です。
5)後々に他の歯に不測の事態が発生しても、入れ歯ですから外せるので一から作り替えをしないで修理での対応が可能なケースが多々あり、治療期間と費用において有利な点があります。

<<実際の症例はこちらへ>>

入れ歯でお悩みの方には一つの解決策となる可能性があります。当院の症例を見ても10年以上快適に使い続けていらっしゃる方がかなりおられます。残っている歯の場所や状態、インプラントを入れるに十分な骨の量や場所などいくつかの条件もありますのでご興味のおありの方はご相談ください。

高岡 周一

  

 

 

■衛生士からのワンポイント情報

朝夕めっきり涼しくなってまいりました。
夏の終わりと共に秋の訪れを日に日に感じる毎日です。季節の変わり目に体調を崩されていませんか。

さて、医院では定期健診とは別に歯のメンテナンスを行っております。
こちらは患者様のお口の状態に合わせて1~3ヶ月毎に口腔内清掃、歯肉マッサージなどを行っておりますが、8月末頃よりお顔のマッサージも始めました。
咬筋や頬筋をマッサージすることによって、筋肉をほぐすと共に唾液の分泌も促していきます。
まだ、開始して間もないのですが患者様には気持ちいいとのご好評を頂いておりますので皆様も是非一度メンテナンスを行ってみてはいかがでしょうか。
スタッフ一同心よりお待ち致しております。

生田 智美

 

 

<<< 編集後記 >>>

こんにちは。もう季節は秋になり、今年もあと3ヶ月となりました。
秋と言えば、食欲の秋・読書の秋・スポーツの秋・・・などと言われますが、皆さんは秋にどんなことをしたいですか?
これからどんどん寒くなり旬の食材も増え、ご飯がおいしい時期になってきました。
寒くなると動くのが面倒になりがちですが、おいしいご飯を食べた後にはしっかり歯磨きをして健康な歯を保つように心がけましょう。
また季節の変わり目は体調を崩す方も多いので、手洗い・うがいをこまめに行い気をつけましょう。

両角 里菜

歯ニュース 2012/10 … 歯をなくした時

日中もやっと過ごしやすくなってきました。まだ1年の1/4が残っているのに今年は世間でいろんなことがあって長く感じます。それでも無事に秋にたどり着けたようです。

最近よく患者さんから入れ歯についてご質問を受けます。
歯をなくした場合、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどが噛むことなどの機能と見た目の回復手段の代表です。各手段の詳しいことはホームページやブログをご覧いただくとして、歯をなくした時にどうすればいいのでしょうか。
歯がなくなったら? 
入れ歯のお話し
インプラントのお話し

インプラント治療がすっかり市民権を得て一般的に最新の治療法と認知されてきています。
そのインプラントの登場によって、入れ歯はすっかり過去の治療法みたいな扱いを受けることが多いのですが、はたしてそうでしょうか。
私はそうは思いません。その方の価値観などの考え方やお困りの問題などの非常に個人的なもので決めるべきだと思っています。事実当院では入れ歯を選択される方々がかなりいらっしゃいます。

どんな治療法がご自分には最適か?
その答えは「何を求めて治療を受けるか」その一言に尽きます。入れ歯やインプラントはそのための手段であって目的ではないのです。よく一方的に「○○にしましょう」といわれたと新規の患者さんから聞きますが、それは違うと思います。

一人一人口の中や求めているものが違います。ですから手段を決めるのは歯科医側ではなく、それぞれのメリットやデメリットの説明を受けながら、手に入れたいものを具現化するには何が自分にとって有利かを判断できるようになることが大切だと思います。 ○○は患者さんと一緒になって探し求めていくものだと考えています。

また私たち治療側も自分の得意な手段に偏って誘導することなく、その人、その症例にとってどれが適しているのかをニュートラルに判断できるように、怠ることなくそれぞれの治療法の研鑽を積むことが求められていると考えます。特に入れ歯治療は長い年月の経験と学習が必要なものですからなおのことです。

どうしても表面的な情報やニュースになる特異な情報だけが独り歩きしますが、本当の姿や実績、繰り返しますが口の中や求めが他の人と同じでないご自分には何が最適でどんな生活を送ることができるのかを吟味してお考えになられるといいと思います。
私たちはそのためのよき水先案内人になりたいと考えています。 

 高岡 周一

 

 

 

 

■ スタッフの声

こんにちは。早いもので私がこちらの歯科医院に勤務してから3ヶ月が過ぎました。毎日が試験勉強のように覚えることがいっぱいで充実しています。

10月といえば、○○の秋!ですよね。今回は食欲の秋をご紹介していきたいと思います。
まずは《ごぼうの炊込み御飯》ごぼうの皮にはポリフェノールが豊富なので、皮を剥かずにたわしで水洗いします。あとはお好きな野菜や山菜などを加えてダシ汁と一緒に炊飯器に入れます。具が山の幸だったらダシは海の幸がいいとされています。これで1人分500kcalしません。

次に《生秋鮭の塩麹焼き》今はやりの塩麹です。鮭に塩麹をぬり、冷蔵庫で一晩ねかせます。塩麹は焦げやすいので、フライパンで蓋をして弱火で蒸し焼きにしてください。旬の野菜などをあんかけソースでからめて、かけるのもおいしいと思います。これで1人分300kcalしません。
この2品だけでも充分栄養のとれた食事になると思います。
これから寒くなりますので、皆さんも栄養バランスに気をつけて、風邪をひかないようになさって下さい。

小原 咲央

 

 

<<< 編集後記 >>>

今回の先生のコラムは入れ歯についてでした。わからない事や気になる事がある方は、院長やスタッフにお気軽にお声がけ下さい。

小原咲央

歯をなくすことは万病の元 / 医院ブログ

歯をなくされたことが小さな問題であるとは私は考えていません。 なぜなら、次の大きな問題の予兆だからです。
第一は、歯をなくした理由がまだそこに残っていると、さらにまた次の歯を失う恐れがあることです。
第二は、歯を失ったままだと他の歯に問題が出るからです。 坂を転がり落ちるように、どんどん次々と歯を失っていく連鎖が起きるからです。 これから将来の問題といってもいいでしょう。

私は昔から「抜きっぱなしは大怪我の元」とお話してきました。 歯を失うと、その両隣の歯は倒れこみ、噛み合いの歯は延び出てきます。歯は自然に動くのです。悪い意味での矯正です。 その結果噛み合せが狂ってくるのです。
これが頭から足までの骨格系の歪みになり、 肩こり、頭痛、腰痛などの不定愁訴を引き起こすこともあります。 またその歪みは背骨の歪みでもあり、東洋医学では背骨の曲がりは万病の元といわれていますから早期の修正が必要です。

また力を入れる時に、歯を支える組織に問題があったり歯を失うと力が入らなくなります。 このため踏ん張りが利かない、ここぞという時にガンバリが利かないなどにつながることがあります。
さらに頬や口元が痩せたり顔のしわなどの顔貌の変化が起こり、老けて見えることがよくあります。
また自分ではちゃんと話しているつもりでも周りの人には聞き取りづらく電話で聞きなおされるなど、発音や会話の障害になることがあります。 歯はコミュニケーションの要ですから段々喋るのが億劫になって、言葉とコミュニケーションによって進化してきた人類の進化に逆行することになります。

歯をなくしたら / 医院ブログ

人の体に無駄なものは一切ありません。 研究すればするほど非常に無駄なく効率的にうまくできていることがわかります。 5000万年前に人類の祖先である原猿類が誕生してから、長い年月で無駄を省き、必要な機能を満たすために進化してきた人の体に不要なものなどないのです。

歯の本数は本来28本ですが、前歯と奥歯、糸切歯などそれぞれ本来の仕事が皆違います。仕事が違うため、歯の形態や根っこの長さなど皆違います。失った歯の代用を他の歯にさせることはできないのです。 本来あるべきものは、本来あるべき場所に一本も欠けることなく存在し続けることが大切です。

前に歯の働きや噛むことの意義をお話ししましたが、この恩恵を放棄するだけでなく、逆にデメリットとしてこれからの生活と人生にのしかかってきます。 もちろん噛めない=食べられない、ですから栄養摂取上にも問題ですし、高齢者の日常生活における楽しみの第一位は「食事」といわれていますので、将来の楽しむ権利を今ここで失うことは大きな損失です。

食べられるものが限られる、 食生活が変わる、 他の人と食事するのが嫌、 出かけることがおっくになる、 活動的でなくなる、 自分に自信が持てなくなる、 口元や顔貌に若さがなくなる・・・などなど たくさんの「できない」がこれから降りかかってきます。 これが楽しい人生でしょうか?

しかし歯をなくしたまま放置しないで抜けた歯を補う治療をすればこうした不満や不安は解決できます。今の現状にあきらめさえしなければ、人前で大きな口を堂々と開けて喋ったり笑ったりしながら、なんでもおいしくいただけることを手に入れることができるのです。

噛めないとどうなる / 医院ブログ

しっかりとした自分の歯があった時代には微塵も感じていなかったことが、歯を悪くしたり歯をなくして初めて体験することがあります。
「よく噛めないし食べてもおいしくないから食べることに興味がなくなった」 「外ではどんな食事が出されるかわからないから外に出るのが億劫になった」 「口元が貧弱になった」 「口の中に自信が持てないために、人に口を見せたくないから喋るのが嫌になった」 「気分まで老ける」など歯を失くされた患者さんからこうしたお声をよく耳にします。

噛めないことは噛むことによる利益を失うことです。 咀嚼能力が落ちて栄養摂取上の問題もありますが、口の機能をあまり使わなくなると神経や筋肉などが十分に活性化されず、それらは衰え、口元や顔のハリを失い老けて見えることにもつながります。

歯をなくしたらできないことが増え生活の質が低下するだけでなく、発音や骨格の維持に支障をきたし、肩こりや頭痛、腰痛などの不定愁訴を抱え込んだり、重いものを持てない、踏ん張りやガンバリがきかないなどが起きることがあります。

また噛むことと脳機能や認知症との関わりが注目されているように、脳の血流量の減少と共に活性化が十分に行われず思考力や記憶力、判断力、注意力などが低下してしまいます。 さらに内臓脂肪の増加を促して、肥満や生活習慣病の温床にもつながります。 これらは日本人の死因のかなりの部分を占める以上侮ることはできません。
噛むことは食べ物を咀嚼することだけではないのです。噛むことで私たちはたくさんの恩恵を知らぬ間に受けています。 とても大切なものなのです。

噛めないとどうなる2 / 医院ブログ

噛めないことのデメリットはまだまだたくさんあります。 噛むことで得られるストレス発散効果が少なくなり、また視力向上、運動能力の向上などの効果も失ってしまいます。 またたくさんのホルモンや酵素、抗菌物質が含まれている唾液の分泌が減少するために、味覚に影響がでたり、酸の中和力や粘膜の修復能力、口の中の洗浄や口臭予防などの働きが悪くなります。

免疫力の低下を招き、感染症や病気にかかりやすく、またむし歯や歯周病にもかかりやすくなります。このためまた他の歯を失い、さらに噛めなくなってまた歯を失う悪循環に陥る危険があります。

食べる楽しみを奪われ、歯の喪失が日常生活上での自信の喪失につながることも多く、人とのコミュニケーションが億劫になり、外食をふくめて外に出ることに消極的になるなど行動力の低下や社交性の低下など日常生活の積極性の低下が伺えます。 百寿者の明るく元気でよく喋りよく食べる姿とは対照的な姿です。

このようにたくさんのマイナス要因を『噛めない』ことはもたらします。 噛む能力の高い高齢者は医療費が少なく健康だという調査結果もありますから、 今ある歯をできるだけ長く残し、失った歯を早急に取り戻すことをお勧めいたします。

歯をなくした時には / 医院ブログ

当院は東京23区のすぐ隣の市である武蔵野市にあり、また立地が三鷹駅周辺ということもあるのでしょうか、大規模な新規の住宅開発が行われることもないためか大人の方が多く来院されます。そのため平均年齢が高いためでしょうか、歯を失くされた方が大勢お見えになられます。

歯を失くした場合の選択肢として近年インプラント治療が一般的になってきていますが、歯科界も含めて世間の考え方がどうもインプラントが目的になっているような気がして異和感を持っています。
確かにインプラントはたくさんの恩恵を運んできてくれます。ですがそれは一つの手段であって、真の目的はどんな生活を送りたいのか、どんな不便を解消したいのか、またその生活の質の獲得と精神的な負担の解消だと私は思います。手段を先に決めてしまうことに異和感があるのです。

しかしインプラントの登場で過去の治療法では成し得なかった生活の改善ができることが医療側にとって革新的に写ることと、長年臨床を行っていると一つの崩壊が連鎖的に次の崩壊を呼ぶことが多く、過去では困難であったそれを止める手段として有望な治療法であることが強いインパクトを持っていること。さらに患者さま側からのインプラントに対するご質問も多いためか、我々医療サイドからのアナウンスが偏って多くなっている状況を我々医療人も反省しなくてはならないでしょう。

症例によってはインプラントが最適な場合もあれば、ブリッジや入れ歯をお勧めする場合もあります。残った歯の状況や生活状況、お困りの状況などと共にそれぞれの選択肢のメリットとデメリットを比較しながら、先ほどの真の目的に沿ってその方にとって最適な選択肢が何なのかを患者さんと一緒に考えていくプロセスが大切なのだと考えています。

その一緒に考えた結果が手段だと考えています。5年後、10年後にあの時あの治療をしておいてよかったと思える治療が最善の治療なのだと思います。

「抜きっぱなし」は大怪我の元 / 歯の病気のお話し P 5/8

歯がボロボロになるまで虫歯が進んでしまった場合は、現代医学では残念ながら抜歯する他ないことがあります。しかし問題はその後です。人には身体の中にいらないものはなく、全てが揃って健康でいられます。歯は大切な身体の一部ですから、不幸にしてなくしてしまった場合には、それを補わなければなりません。

これを怠ってそのままにしておくと他の歯が傾いたり伸びだしたりして動いてしまいます。たり、場合によっては顎までが動いてしまい、歯の寿命を短くしたり、かみ合わせが狂ってしまいさまざまな全身症状の原因となる場合があります。

歯を失った理由は色々とあるでしょう。その理由はそれで非常に大切なことなのですが、比較的なおざりにされ大きな問題となっているのがそのまま何もしないで放っておく事なのです。

人生での失敗も何かをしてしまった失敗もあれば、すべき事をしなかった失敗もあります。そしてその時それなりに考えて選択して、結果的に失敗したことより、何も考えや行動をしなかった消極的選択の方が大きな後悔をします。歯を失ってそのままにしておいた、又はあまりに安易な対応で済ませて来た人は、顎がおかしかったりなかなか満足する入れ歯と出会うことができない方が多いようです。

ご両親と神様は現在の科学をもってしても未だ超えることのできないすばらしい機能と形態の調和を与えてくれたのです。それを乱し歪めた不自然な状態が今症状がないからといって身体に人生に良いはずがないのです。

多くの方が「困ったら治療すればいいや」とたかをくくっておられます。さらにそんな状態になっても又元に戻せると勘違いして安易に考えていらっしゃいます。また「先のことはその時に考えればいい。今が良ければ他に優先することがあって忙しいから」とその日暮らしのようにご自分の身体を後回しにされています。その人はご自分の人生だからそれで良いとしても、ご両親や神様、ご自分の身体はそれで良いと思っているでしょうか?

人生そんなに甘くないので、今は良くても後になって大きなしっぺ返しが返ってきます。
医療には限界があります。そして時期があります。長い間そのような状態にあった場合は、歯の噛み合わせがズレて偏頭痛や肩こり、首のこり、腰痛や体の症状につらい思いをされておられる人をよく見かけます。じっくり時間をかけて治療をしていく必要があり、そこまで大変な状態だということに気が付いて頂きたいのです。またとない大切なお身体をいたわってあげて欲しいと思います。

 

歯を失った時の治療法とは / 歯の病気のお話し P 6/8

詳しくは別でお話ししますが、歯がなくなった場所(図A)に歯を補う方法としては、抜けた場所の前後の歯に橋渡しをする人工の歯をつくるブリッジ(図B)や、部分入れ歯(図D)、抜けた場所に人工歯根を植え込むインプラント(図C)などの治療方法があります。

ブリッジは歯を削らざるを得なかったり、歯のなくなった場所でかむ力が両端の支える歯の負担になる問題もあります。

入れ歯は針金のような金具で口元が上品でなかったり、喋りずらいとか、食べ物がはさまったり、わずらわしいという方もいらっしゃいます。しかし最近では研究が進み、これらの問題をかなり解決する方法も開発されています。
それぞれに長所・短所があり十分検討をした上で治療法を選択しなければなりません。

さらに忘れてはならないものがあります。それは入れ歯であれブリッジやインプラントであれ避けては通れない「かみ合わせ」です。
それらがいくらうまくお口に入っていても、十分機能し、さらに全身的なコリや痛みがなく快適な生活が得られなくては価値が半減します。かなり難しいことですがどう作るかが大切です。その幸せな状態は長続きして欲しいですものね。

 

総入れ歯の口元の誤解 / 歯がなくなったら? P 5/13

■ 歯がなくなりあごが痩せるから、総入れ歯になったら口元が老けてもしようがない。

歯を磨く習慣が十分に定着していなかった時代には、むし歯で歯を失うことが多かったのですが、現在では歯周病が最大の原因です。歯周病でなくした歯が植わっていたあごの骨は、非常に痩せていることが多いのです。

また、人は年々歯を少しずつ失っていきます。昔から齢の字に歯が使われているのもそうした理由でしょう。そして歯が一本もなくなると最後に総入れ歯になります。

この総入れ歯の歴史は古く、古代エジプト時代からの出土品もあります。日本ではその昔に、かなり身分の高かった人が使っていたのであろうといわれている木製の総入れ歯が今も残っています。

最近の入れ歯はプラスチックでできており、歯肉と人工歯が天然のものと似せて作れるようになりました。当時より外見上では美しく、自然な入れ歯を作ることができるようになりました。現在は材質的には木製時代より良くなったものの、総入れ歯にはまだ問題があります。

それは総入れ歯特有の痩せて貧相に見える口元です。口元のシワやへしゃげた唇がそれに拍車をかけます。歯医者さんがそれに気付いていないのではないのです。気付いているけど、これがなかなか難しいのです。

これは、歯を失うと同時にあごの骨も失っていることと、歯を失う度に噛み合わせが狂って、下のあごが後ろにズレているために、カッコよく入れ歯を作ると入れ歯がすぐ外れたり、噛めないからです。口元の貧しさには理由があるのです。

ではどうしようもないのかと言うと、いやいや手はあります。時間と手間をかければ、個人差はあるもののその回復も可能です。詳しくは、別冊「入れ歯と歩む、豊かな人生」をお読みいただくとして、「新しい入れ歯で、五年、いや十年若返ったみたい!」と嬉しいお声を聞くこともありました。あなたにも喜んでいただきたいと思います。

 

入れ歯について / 歯がなくなったら? P 9/13

■入れ歯

入れ歯には、まだ歯が残っている方の部分入れ歯と、まったく歯が残っていらっしゃらない総入れ歯があります。
部分入れ歯にもいくつか種類がありますが、基本的には入れ歯の安定を残った歯に依存しています。ですから残った歯の能力や状態によって、入れ歯の形などのデザイン、安定、ひいては噛める能力などに違いがでてきます。

同じ状況は二つとしてありませんから、すべての方の入れ歯は違います。他の人がいいから自分もいいとは限らないのです。この改善には経験と知識がものをいうために、歯科医の腕の見せ所でもあります。

入れ歯が適応症の方の多くは、歯をたくさん亡くされた方が一般的です。そのために歯を少しずつ亡くす度に、あごの位置のズレや噛み合わせのズレなどが起こっていることが多くあります。
噛み合わせが低くなって、口元がへしゃげたような方も大勢いらっしゃいます。こうした長年の蓄積したズレの解消には、お互いの時間と根気が必要です。ズレが大きいままだと具合のいい入れ歯が入らないからです。しかし患者さまの求めていらっしゃるものによっては、このズレを残したまま入れ歯を作ることができますし、一般的にはそういう治療がほとんどです。

今度は、入れ歯と他の選択肢との比較をしてみましょう。
入れ歯には治療側からすれば自由度が高いという利点があります。ただしこの自由度の高さがどうとでも作れることと同義語となり、その結果がお互いの入れ歯治療の難しさにもなっています。
しかしこれを利点として生かすことができれば、痩せたあごや歯肉の回復による口元の改善、外見上最も相応しい位置への人工歯の配置などが可能になります。

さらに取り外しができることが、外して歯と口の清掃が簡単にでき、将来の不測の事態に対する修理や修正が可能になることが多い点で他の選択肢より有利です。
前にお話ししましたが、この有利さと高齢であること、それが私が母の治療に入れ歯を選択した理由です。

他の選択肢より劣る点は、第一は異物感や喋りにくさがあることです。しかしこの感覚にはかなりの個人差があって、まったく平気な方もいらっしゃいます。それらは、大半の方は一ヶ月位で慣れて解消していきます。

次は部分入れ歯ではほとんどみられませんが、総入れ歯でよく見られる「外れやすい」や「噛めない」「痛い」などの不満です。これも精度の高いちゃんとした入れ歯をお作りなれば、まったく問題はなくなりますからご安心下さい。

最後は部分入れ歯特有の問題です。前の章の「部分入れ歯を使うと、入れ歯を支える歯が悪くなる」でお話ししましたが、入れ歯を支える歯に負担がかかることがあります。
ブリッジの歯のない両脇の歯に負担がかかることと似ています。インプラントにはまったくこの問題がなく、この点においてはインプラントに軍配が上がります。
ここは部分入れ歯の宿命ともいえる部分ですが、症例にもよりますがしっかりとした設計をすれば大きな問題とはなりませんのでご安心下さい。

 

治療法のまとめ / 歯がなくなったら? P 12/13

ここまでお話ししたそれぞれの特徴を大まかにまとめてみました。
症例によって多少変わることもありますから、あくまで参考とお考えください。

入れ歯

ブリッジ

インプラント

 歯を削る必要がない

△少し

×

 他の歯に負担がかからない

×

×

 両隣に歯がなくてもできる

×

 よく噛める

△/×

 異物感がない

×

 カッコウがいい

△/×

△/○

 手術が必要

×