歯周病と強い力 / 歯周病のお話し P 7 / 17

物事には何でも「適度」があり常に「限界」が存在することはご存知のことだと思います。
人の身体にもその能力や機能に限界があり、歯にも設計上の限界があります。
そしてその限界も本書のテーマでもある老化により年々狭くなるのが通常です。
歯周病に関わるその限界とは、歯に負担をかける力の問題です。

第一の問題は、ブラキシズムと呼ばれる歯のくいしばりや歯ぎしりです。
これらの運動は、本来歯が休んでいるべき時間も歯に持続的な無意識の強いかむ力が加わる特徴があり、歯にとって強烈な負担力となり歯周病の大きな因子となっています。
強い継続的な力が長期間に渡るため、歯の著しい磨耗や歯のへりが尖った形態をしている人はこれを疑っていいでしょう。歯のぐらつきもでることがあります。

ここで注意していただきたいのは、こうした現象が起きるのはかむような強く歯同士を接触させた運動だけでなく、歯同士を軽く接触させることでも起きることです。
机の上にじっと置いてある歯ならいざ知らず、人には常に身体や口の動きがあり歯を軽くでも接触しているとその振動が歯に伝わります。
こんな微振動でも歯は磨耗し、歯周病を引き起こす力を持っているのです。

こうしたブラキシズムは無意識の運動ですから、ほとんどの人が気付いておらず、自分の意志でやめることもできない運動です。そのため対処が困難で長期化することがあります。
別ページ「ストレスと歯」で詳しく述べるストレスや性格との関連が強く、歯のかみ合わせの問題がなければ心理的な対処しか元から断つ方法がありません。しかし一般的にはマウスピースのようなもので歯を守る対症療法がよくとられています。

第二の問題は、ブラキシズムによる歯への負担に加え、ブラキシズムの結果による歯の磨耗がさらに歯に負担となっていく問題です。
歯がすりへると上下の歯同士の接触面積が広くなります。コンクリートにチョークで絵を描いているとチョークの先が平らに太くすり減ってくることと同じ現象が起きるのです。
歯のかむ面積が広過ぎることは歯に大きな強い力がかかることになり、これがさらに歯周病を増悪させる因子となります。
この対処法は、かみ合わせ治療や補テツ治療などがあります。