歯ニュース 2016/07 … 睡眠と糖尿病

■毎日何時間寝ていますか?

睡眠時間が短い、あるいは長すぎる人で、さらに食生活が不健康で日々の運動量が少ない人では2型糖尿病を発症しやすいといわれています。 

Cespedes氏によると、睡眠時間が長すぎる場合、睡眠障害や抑うつ、あるいは何らかの健康障害が潜在しており、これらが糖尿病リスクを上昇させる要因となる可能性があり、また睡眠が1晩あたり2時間以上増えている女性では2型糖尿病の発症リスクが15%上昇する可能性があることが、新しい研究で示唆されました。さらに、1晩あたりの睡眠時間が6時間以下と短い女性でも、2型糖尿病のリスクが高まる可能性を指摘しています。 

また、もともと慢性的に睡眠時間が短い女性が、この睡眠不足を解消しようと睡眠時間を2時間延長した場合にも、糖尿病リスクは21%高まっており、「長年、短時間睡眠だった人が急に睡眠時間を延長しても、健康問題の解決には至らない可能性がある」と同氏は述べています。 英ブリストル大学のJane Ferrie氏は、短時間の睡眠は糖代謝を悪化させる可能性があること、また、睡眠が長時間に及ぶ人では睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れている可能性も考えられるとし、「睡眠時間が1晩で2時間以上も変わった女性は医師に相談するように」とアドバイスしています。 

なお、この研究は女性の2型糖尿病リスクと睡眠時間との因果関係を証明するものではなく、「睡眠パターンの変化が糖尿病の発症に寄与するかどうかは不明だ」と同氏らは述べています。現時点では、睡眠時間の長さを変えることが糖尿病予防につながるかどうかは不明だが、小児や成人を対象とした複数の研究でこの点の解明が試みられているようです。

 

■休日はゆっくり寝ていたい人はご注意ください

平日眠い目をこすりながらがんばって働いているのだから、たまの休みぐらいゆっくりと寝ていたいのが一般的な気持ちではないでしょうか。ですがそれに水を差す調査結果がでてきました。

米ピッツバーグ大学のPatricia Wong氏の調査では、調査対象者のほとんど(約85%)は、平日より休日に睡眠時間が延長しており、残りの15%の対象は逆に休日に早起きしていることがわかったそうです。
平日より早起きする人が15%もいることに驚きますが、平日できない趣味など何かの目的のためなのでしょう。楽しんで早起きしている様子が見て取れます。

一方ゆっくり寝た日はなんだか体がスッキリすると感じている人々には反感を買いそうですが、85%の平均的な朝寝坊派(仕事のある平日は早起きし、休日は遅くまで眠る習慣)では、期待したほど疲れがとれない可能性があるといいます。(今回の調査で休日に延長した睡眠時間の平均値は44分でした) 

Wong氏は「社会的時差ぼけ(social jetlag)は、個人の生物学的な概日リズム(体内時計)と社会的に課せられた睡眠時間にずれが生じることを指す。これまでの研究で、社会的時差ぼけがあると肥満や心血管機能の低下につながることが示されている」といいます。

平日と休日で睡眠時間の差が大きい人では、コレステロール値や空腹時のインスリン値が悪く、インスリン抵抗性が高く、ウエスト周囲長が大きく、BMIが高い傾向がみられ、日常的な睡眠習慣が乱れ、体内時計にずれが生じると糖尿病や心疾患リスクが高まる可能性があると示唆しています。 

今回の調査で認められた関連性は、睡眠時間のずれとこれらの代謝系疾患の直接的な因果関係を証明するものではないようですが、注意を喚起しています。 学者はそういうが、たまの楽しみをどうしてくれるんだといわれそうです。あなたはどうしますか?

高岡 周一

 

 

 

■歯科衛生士からのワンポイント情報

“医師の意識”

医科歯科連携が盛んに叫ばれる中、歯科医師・歯科衛生士に脚光が浴びつつあります。
それは、消化器官のスタートである口腔の大切さが医科の先生方にも浸透してきているからです。

あいうべ体操の内科医 今井 一彰先生や糖尿病専門医の西田 亙先生は、医師の中でも、その重要性を医師の立場から広く講演活動されている先生方です。糖尿病専門医 西田 亙先生とご縁があり直接お話をうかがうことが出来ました。

西田先生は、「生まれ変わったら歯科衛生士になりたい」と言われます。なぜならば、「医師のもとには、病気にかかってからしか患者さんは訪れない。歯科衛生士のところには、予防として患者さんが来院する。
病気になる前に予防できるのは歯科衛生士です。だから僕は歯科衛生士になりたいと本気で思います。」とおっしゃいました。
糖尿病と歯周病の関係は、切ってもきれません。
歯周病菌は、身体全体に影響を与えることも分かってきました。

歯周病治療に一層力をつけていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

 歯科衛生士 石田

 

 

<<< 編集後記 >>>

だんだんジメジメとした暑さが日常になってきましたね。気温が高くても湿度さえ低ければ・・・!とひと夏の間に何度も思いますが、なかなかそうもいかない日の方が多いのが現実です。最近は、水分補給を常に意識して、一日3リットル以上のお水を飲むよう心がけています。体内の60%が水分ですから、単純計算でいくと体重50㎏の人の体内の水分量は、30リットルとなります。これを一日2リットルのお水で入れ替えていくと・・・?

なんと15日もかかる計算になりますね。3リットル飲んでいれば10日で入れ替わります。いざ、数字で見てみると体内には古い水分がたくさんあるのかもしれないことに恐怖さえ感じました。みなさんもこまめにお水を飲んで、体内の水分をどんどん入れ替えていきましょう!

板倉 由依