奥歯のインプラント

奥歯を失うと前歯も失うことをご存知ですか?

前歯のインプラントの難しさを「前歯のインプラント」ページでお話ししましたので、奥歯のインプラントは簡単だと思われるかもしれません。しかし奥歯には前歯にない難しさがあります。

奥歯の仕事は硬いものでも何でも噛むことですので強い力がかかるため、前歯より太く長いインプラントを入れるのが理想です。太く長いインプラントは骨とくっついている面積が広いため丈夫になるからです。太く長いインプラントが入れられるだけの骨の量が前歯より重要になってきます。

しかし奥歯は一見骨のように見えていても、中が空洞で骨がない場所や骨の中に太い神経と血管が通っている場所もあってインプラントを入れられない部分もあり前歯にない制限があります。
この奥歯特有の難しさも詳しくは「インプラントと骨」ページで述べますが、技術の発達によって一部緩和されていきていいます。

もう一つ奥歯の重要な働きがあります。それは奥歯は噛み合わせを支えるために非常に重要な場所だということです。噛み合わせは噛む能力だけでなく、歯の寿命や姿勢にまで関わっています。
歯を介して上あごと下あごの位置関係を維持できるのは奥歯だけです。
前歯にはその力はありません。 そのため奥歯を失った人の前歯は前に出っ張ってきたり、前歯がぐらついてくることがよくあります。奥歯の支えがなくなったために、本来奥歯が支えている前歯の能力以上の強い力に前歯が負けた結果です。

また前歯の歯周病を発病や悪化をさせたり、顎関節症というあごの関節の病気にもなることもあります。さらに奥歯を失って上下のあごの位置関係が狂うと骨格・姿勢の変化を伴うこともあります。
このように実は奥歯が前歯を守っているのです。一方で前歯がこんな働き者の奥歯を時々休ませる働きをして、お互いに助け合って共存しています。

人類が30万年もの長きに渡って進化する中で私たちは必要のなくなったものは遺伝子として受け継がなくなり、また必要になった能力を遺伝子で受け取って進化してきました。すなわち現在の私たちの身体は必要だから存在するものばかりなのです。神様とご両親から無駄にいただいているものは一つとしてありません。
見栄えだけで歯を評価する考え方は間違いです。人も動物の一つとしてこれからも健康で生きていくために奥歯は大切なものなのです。

このように前歯を大事にしたいのであれば前歯を守ってくれる奥歯を大切にしなくてはいけません。
前歯を見栄えで大切にして奥歯を日陰者のようにぞんざいに扱う人は大抵前歯にトラブルを抱えて初めて歯科医院を訪れてきます。そして前歯だけ治そうとします。

前歯は食べ物を切ることは出来ても噛むことはできません。 奥歯の横の舌の側面にあるうま味センサーが働いて「うまい」と感じるためには奥歯で噛む作業が必要です。しかし奥歯のおかげで毎日おいしく食事が食べられているのに感謝はされていないようです。

また左だけ噛めるから右の歯を抜けたままにしておられる方がいらっしゃいますが、あごがずれていったり噛み合わせも狂ってきます。抜けた隣の歯が傾いてきたり、抜けた歯と噛みあっていた歯が伸びだしてきたりしてどんどん歯の位置や噛み合わせ、あごのずれがひどくなり一部の歯に負担をかけた結果、さらにその歯を失うことがよくあります。 一本の歯ぐらい失くしてもと軽く考えたつけは後になって返ってきます。
一度大きく狂ったものを身体があごのずれや骨の変化として取り込んでしまえば、もう二度と元にはもどせません。歯科治療でもほとんど不可能です。

さらに歯を失った場所だけ見てはいけません。口全体で考えなければいけません。
口の中はオーケストラのように全体のバランスが取れて初めてうまく機能し、さらに長持ちします。
もし奥歯を冷遇していると思ったなら、歯を失ったままにしないですぐに補ってあげることをお勧めします。これからの人生大変お世話になるのですから、少しだけ奥歯に時間を上げてください。

奥歯の実際の症例は「インプラント症例と体験談」ページでご覧ください。


<<その他のインプラント関連ページ>>

インプラントで手に入るもの
インプラントとは・インプラント手術と期間
インプラント症例と体験談
インプラントと痛み
インプラントと歯
インプラントと骨
インプラントの失敗
インプラントの寿命
前歯のインプラント
前歯のインプラント費用・価格
奥歯のインプラント
どのインプラントも同じ?
インプラントは危険?