インプラントと歯

インプラントをする前に

インプラントはあなたの失った歯の代わりを見事に勤めてくれるでしょう。
毎日の食事がおいしく食べられ、入れ歯のように異物感や見た目の悪さもありません。ブリッジのように他の歯を削る必要もありません。「歯を失ったことを忘れる」と患者さまから言われたこともあります。

それでも天然の歯をインプラントが超えることはないと私は考えています。 ご両親からもらった歯が一番だと思うのです。
人工心臓があなたの心臓より優れているとは思われないと思います。インプラントも同じです。

その一番を失ったのですから、二番目のインプラントをする前に考えることがあります。
どうして一番をなくしたのか?どうすれば同じ目に合わないで済むのか? そこに気づくことが、残った歯やインプラントと今後どれだけ長く付き合っていけるかを決めてしまうことをご理解いただきたいと思います。 失った理由を日常生活やお手入れ、かみ合わせなど色々な方面から私たちとご一緒に検討していきましょう。
ここで気づくことができればそれがインプラントだけでなく他の歯の寿命を長くする手助けになり、失った歯が無駄死にではなくなります。マイナスからプラスが生まれます。

人は忘却の生き物とよく言われます。今これだけ困っていてもインプラントで歯を失ったことを忘れるようになることでしょう。そうなれば今まで何十年もお世話になってきた歯のことを考えてあげられるのはこんな今しかないと私は思うのです。

インプラントでよく噛めるようになった、何でもおいしく食べられて食生活が変わったとよく言われますが、実はインプラントの本当の価値はそれではないと私は思っています。

インプラントが残った歯の寿命の延長に役立つことをご存知でしょうか?
簡単に言えば残った歯の負担を減らす働きがあります。歯がなくなったからその分食べるものや噛む回数を変えることは一般的にはありません。以前と同じように食べようとします。
同じものを数が減った歯で噛まなければいけないので残った歯の負担が増えます。
入れ歯やブリッジを入れて歯をなくした場所で噛めるようにしても、歯の本数自体が増えたわけではないので負担は増えたままなのです。

さらに入れ歯は噛む度に入れ歯を安定させるために残った歯に引っ掛けた針金で歯を揺することになります。釘を揺すり続ければぐらついてきていつかは抜けてきますね。同じことを残った歯にやっていることになります。

ブリッジは歯のない場所の前後の歯を削ってその上にかぶせる形の人工物同志結んでいるものですから、歯のない場所にかかる力を前後で支えている歯が肩代わりする構造です。短期間では問題なくとも長期間に渡るとその歯には負担となるのです。さらに歯を削って歯に傷をつけ、歯と人工物との境目がむし歯になりやすいなどの問題を抱える構造になっています。
ブリッジについては「ブリッジとインプラント」、歯を削ることの問題は「歯を削らない!神経を取らない!」をご覧ください。

一方でインプラントは歯のない場所に入れて噛めるようにするものですから、歯のない場所にかかる力はインプラントが負担しますので他の歯の負担になることはありません。
これが残った歯の寿命を長くすることにつながります。
これこそがインプラントの最大のメリットだと私は考えています。

しかし患者さまや歯科医両者共インプラントを入れることばかりに目が向いているような気がしてなりません。インプラントを入れたら一件落着と考える風潮も気になります。
インプラントは高額な治療です。こんなに費用をかけたのだからと期待する気持ちはよくわかりますが、所詮お金で買えるものです。どんなにお金を出しても買えない親からもらった歯のことをお考えいただけたら、歯の存在に感謝できたら、これからもあなたのために歯はがんばってくれることでしょう。
「歯を失ったからインプラントを入れる」と単純に考えるのは得策ではないと私は思います。

先ほどの気づきは、残った歯とインプラント双方の寿命を握っているとお話ししました。
「インプラントを入れたからお終い」ではなくて、歯を大切にされたいとお気づきになられたお気持ちにメインテナンスを呼ばれる定期的クリーニングでお手伝いさせていただきます。
何か起きたなら検診で早期に発見して悪い芽を小さいうちに摘んでいきましょう。
そうして今の快適さや、やっと手に入れた生活の質を私たちとご一緒に維持していきましょう。


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