歯ぎしりと口臭


ギリギリ音だけが歯ぎしりではありません

夫婦や友人と旅行に出掛けて相手の夜中の歯ぎしりで寝られなかった経験はお持ちでしょうか。
ギリギリ、キリキリと止むことがないのには閉口しますね。
その音は相当強い力で歯同士をこすりつけなければ出せないことをご存知でしょうか。起きている時に試してみてください。小さな音を出すのが精一杯です。なぜなら、そんなに強い力を出せば歯や体が壊れると脳が無意識にブレーキをかけるからです。夜中は脳も寝ているのでブレーキが利かないために音が出せるほどの力が入れられるのです。その結果、歯がかけたり極端な摩耗、歯を支える骨の異常、ひどい場合には歯が割れたり、ポッキリ折れる場合もあります。

自分はギリギリ、キリキリと音を出していないから無関係、と安心できないことをご存知でしょうか?歯ぎしりには音を出さないものがあるからです。



歯ぎしりはどうすればいい?

歯ぎしりの問題は先ほどお話しした歯がかけたり極端な摩耗や歯を失うだけでなく、睡眠の問題や顎関節症などのあごの関節の問題があります。
どうして歯ぎしりをするのかは今だよくわかっていませんが、無意識で行う以上脳が関わっていることだけは確かなようです。
普段歯ぎしりをしない若者にストレスを与えた後、その睡眠中に歯ぎしりが起こることがあるため、ストレスなど心理的な負荷が関与している面もあるとされています。詳しくは「ストレスと歯」をご覧ください。

ギリギリ、キリキリと音を出さない歯ぎしりもあります。非常に強い力で歯同志をこすりつけなければ音はでませんので、自分には歯ぎしりがないとお考えの方もいっらっしゃいますが、歯を動かさず食いしばったり噛みしめているだけでも同じ弊害が起こります。
ブラキシズム、グライディング、クレンチング、タッピングなど歯ぎしりの種類は「原因不明の歯の痛み」をご参照ください。

歯と歯ぐきの境目あたりの歯の付け根がえぐれたり、冷たいものがしみる、口の中の歯を支える部分のあごが昔より出っ張ってきた、朝起きるとあごの周囲の筋肉や関節に異和感や疲労感がある、などの症状があれば要注意です。寝ている間に自分が何をしているか知っている人は一人もいません。通常でない歯同志の接触頻度や過剰な力を歯にかけている可能性があります。

やっかいなのは、キリキリ歯ぎしりのように夜間だけ歯の接触を起こしているとは限らない点です。次にお話しする無意識の歯の接触を日中しておられる方が非常に多いことが今問題になっています。

現時点では、歯同士を強い力でこすり合わせるために起きる弊害の緩和を目的に専用のマウスピースを歯型をとって作成してそれを歯にかぶせて就寝する対症療法が主になります。



無意識に歯を接触させる悪習慣

神様が人間を作った時は食べ物を噛んだり、重いものを待ったりする時以外の時間は歯同士を接触させず、歯と歯の間には1~2mmの空間があって歯を休ませている設計になっているようです。そのため歯ぎしりや歯を接触させる悪習慣を持っていない人々はその空間を持っています。

この空間を持っていないために歯の痛みが原因で来院される方が近年特に増えてきています。その方にテレビを見たり何もしていない時でも上下の歯同士が接触してませんか?と伺うと「歯は当たってますよ。普通そうなんでしょ」と空間がないことが正常だと思っておられる場合が大半です。

先ほど音のでない歯ぎしりがあるとお話ししましたが、無意識に歯を接触させることも広い意味での歯ぎしりです。この接触は力は関係ありません。強い力でなくとも軽く歯同志が触れているだけでも歯の痛みなどの症状がでることがあります。
この痛みについては「原因不明の歯の痛み」をご参照ください。

歯と歯ぐきの境目あたりの歯の付け根がえぐれたり、冷たいものがしみる、口の中の歯を支える部分のあごが昔より出っ張ってきた、などの症状があれば要注意です。通常でない歯同志の接触頻度や過剰な力を歯にかけている可能性があります。
歯の接触をやめる方法など、詳細は「原因不明の歯の痛み」をご参照ください。


無意識に歯を接触させる悪習慣の詳細はこちらへどうぞ



気になる口臭

ニンニクやビール、焼き肉などを食べた後のブレスケアと銘打って商品が出回っているように、口臭は消化器系や呼吸器系など口以外の原因で起きることがあります。歯科領域で起こる口臭の原因の8割が舌の表面から発生するといわれています。また歯ぐきから出血と膿を出す歯周病も口臭の原因になります。

舌の表面がザラついていることはご存知でしょう。そのザラつきは舌の表面が目でやっと見えるほど小さな舌乳頭と呼ばれる突起がじゅうたん表面の繊維のようにびっしりと生えているためです。じゅうたんの表面がつるつるでないことでおわかりいただけるでしょうか。

じゅうたんの上にミキサーにかけた野菜ジュースをこぼしたと想像してみてください。繊維の間に入り込んだジュースや野菜片は雑巾で拭こうがブラシでこすろうがなかなか取れないでしょう。
食事や飲み物を食べ歯で粉々にする合間に舌の表面の舌乳頭同志の微細な隙間はそうしたもので埋まります。味覚の一部はこうした状態になることで味わうことができるのですが、じゅうたんの繊維の間の汚れと同じく簡単に洗い流せないために、時間の経過と共にそれが腐敗して発生したガスが口臭となります。

同じように食べているのに口臭がする人としない人がいるのはどうしてだと思われますか?
そのキーワードは乾燥と唾液です。唾液はただの水ではなく、組織の修復や抗菌作用を持っています。
唾液の分泌が少ない人は口臭を発生させる細菌を唾液の抗菌作用で退治する力が不足して口臭が発生しやすくなります。
また口で息をする人の口の中は空気の出入りが多く、唾液が蒸発してしまい同じように口の中が乾燥します。どういう理由であれ唾液の抗菌力が下がって口臭につながってしまいます。

口臭予防の実際

まず、歯周病も口臭原因の一つですから、歯の寿命と健康のためにも歯周病治療をお勧めいたします。
ここでは舌の清掃についてお話しします。

先ほどお話ししたように洗口剤で力強くブクブクとうがいしても汚れは取れてきません。洗口剤の匂いや味で一時だけ臭いがわからなくなるだけです。今までのお話しで舌の表面の食べかすなどが細菌の餌になって口臭が発生すりメカニズムはご理解いただけたでしょうか。
根本原因へアタックしていきましょう。
食べかすなどの汚れを取れば餌がなくなった細菌はおとなくなり、口臭の発生を減らすことができますね。

じゅうたんの上にこぼしたジャムをブラシで取ろうとしてもなかなか取れず、返って奥に押し込めてしまうことがあります。
舌の乳頭の間に入り込んだ汚れも歯ブラシでは取りにくいものです。
舌の表面をスクレイパーという板状の専用器具で掃除をされることをお勧めします。実際にお使いになられればわかりますが、スクレイパーで舌の表面をそっとなでれば黄土色した糊のような汚れが取れてきます。これが臭いの根本物質です。

注意することは力を入れて舌の表面をこすったり、何度も掃除するなど、やり過ぎないことです。口臭を発生させる細菌の栄養源は食べかすだけでなく、やり過ぎによる出血や舌の表面の組織片はタンパク質ですので細菌の餌になって返って口臭がひどくなる可能性があるからです。

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