歯と歯茎の痛み

 

歯と歯茎の痛みの原因はいくつもありますので、痛みの解消にはその原因を特定しなければなりません。原因によって痛みを止める手段が変わってくるからです。
そのためには問診、視診、触診、その他の診査、レントゲン検査や歯周病検査、などが病状によっては必要になります。

病気の工場から製品が出荷されて、体の倉庫が製品ではち切れんばかりに満杯になって痛みが出ていると考えてください。痛み止めなどで一時的に倉庫の製品を運び出しても、工場の出荷が止まらなければ、倉庫はまたすぐ満杯になって痛みます。
こんな状況で必要なのは、薬で一時的に痛みの緩和をしながら、工場の出荷そのものを止める根本的な治療です。
痛みの原因への対処をしないで単に薬を飲んでも、薬が切れればまた痛み出したり、場合によっては薬が効かないことがあることをご理解いただけたでしょうか。

薬で痛みが緩和すると治療せずそのまま放置される方がいらっしゃいますが、台風の目の中で安心するようなもの。風邪などとは違って歯の病気は基本的に自然に治るものではありません。
ですから薬で一時的に痛みが緩和した時こそが絶好の治療タイミングだとお考え下さい。

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痛みについて

痛みの原因は多岐に渡るため、ここですべてをご説明することができません。代表的な原因をお話はしますが、この紙面上だけで自己判断されないようにお願いします。
歯科領域の痛みの多くは細菌の感染から起こります。局所から神経を通じて脳で痛みを感じるようになっています。そのため、歯の表面や神経を取った歯では、どんなに細菌感染があっても痛みを感じることはありません。
髪の毛を切っても痛くないように、神経の通っていない場所では痛みを感じないのです。しかし痛みがないから細菌感染がないとは言えないことをご理解ください。

神経のない歯が痛い場合は歯の周りに感染があり、歯を触ることで感染源に歯が触れて痛むケースがあります。髪の毛には神経がなくとも髪の毛を強く引っ張れば痛いのと同じです。
また痛みを病気のバロメーターにされておられる方がいらっしゃいますが、先ほど述べたように「痛まないこと=病気でない」ではありません。病気を甘くみたり治療のタイミングを逸することにつながりますので要注意です。

   

痛みの原因

痛みは細菌感染が主だとお話ししました。
口の中のどこに感染が起こったかで、痛む場所や痛み方が違ってきます。

歯の表面の小さな虫歯では痛みは感じませんが、歯の内部まで細菌が侵入すると歯の中の神経で痛みを感じます。これが虫歯で歯が痛む原因です。

冷たいのもで歯がしみる、時に痛い場合は虫歯の場合と歯の内部の神経付近まで感染が及んだ場合、歯の付け根の歯質がかけたりえぐれている場合によく起こります。このえぐれは歯を食いしばったり歯ぎしりをすることでよく起こります。

温かいものや熱いものが歯にしみたり痛い場合は虫歯の可能性が考えられますが、他の原因も考えられるので精査が必要です。

かむと痛い場合は、同じく虫歯から歯の内部の神経まで感染が及んだ場合か、根っこの先に感染があるか、細菌感染ではなく食いしばりや歯ぎしり、歯をぶつけた、硬いものをかんだためなどの原因が考えられます。

歯茎が痛い場合は、虫歯が進行して歯の内部に細菌が入り、さらに奥の根っこの先にまで細菌感染が進んだ、また歯を支える歯茎の炎症が根っこの方まで進行してしまった歯周病などの原因が考えられます。先ほどの噛みしめや食いしばりなどでも起こることもあります。

他院で歯の神経を取る治療を受けたのに、歯が痛い、かむと痛いとお見えになられる方が時折いらっしゃいます。
歯の根の部分の再感染や、髪の毛より細い歯の神経は個人差や奇形もあり完全に治療することが難しいため未治療の場所が残っているケースや、根っこにヒビや破折が起こっている場合、かみ合わせの問題や外傷、食いしばりなどが考えられます。

雑草を引き抜くと太い根の横に細いヒゲのような根が無数にはえているのをご覧になったことがおありでしょう。歯の根っこの神経も同じように中心の太い神経の横に細い枝がたくさんあります。
歯科治療で使う髪の毛より細い根っこの治療器具でも側道の細い枝には入らず、そこの細菌感染は薬の力だけが頼りです。そのため誰がどんな治療をしようが再発による再感染を起こすリスクがあります。

また歯の神経を取ると、歯はもろく、ヒビ割れやすくなり、その後差し歯を入れようが、どんな治療をしようが、歯の寿命は確実に短くなります。私は大きな財産が目減りしたことと同じだと思います。
こうした理由から当院では他の治療より治療成績が劣る神経を取る治療をできるだけ避けるために3MIX-MP療法を行っています。
詳しくは「歯を削らない!神経を取らない!」「3Mix-MP療法」をご覧ください。
 

痛みの治療

痛みの主な原因が細菌感染ですので、治療の基本は薬で細菌をやっつけたり、感染源を体の外へ取り出すこと、細菌と闘う体の免疫の後押しをすることになります。
治療の詳細はそれぞれのページをご覧いただくとして、ここでは簡単に触れます。

●細菌感染が神経にまで及んでいない虫歯の場合:
虫歯を削って感染歯質を取り除き、削った穴を何らかの人工材料で詰めたりかぶせて細菌の再侵入を防ぐ治療が必要です。

詳しくは「虫歯と治療」をご覧ください。




●細菌感染が神経に及んでいる虫歯の場合:
細菌感染した神経は回復できないので神経を取り、歯の根の中を消毒後根の中を薬剤で埋めて再感染する経路を塞ぐ治療が必要です。これが一般的に根の治療と呼ばれている治療です。
前述したように歯の神経は細く複雑なため、再感染リスクをできるだけ低くするために何度か根の内部の消毒と薬の交換をすることが一般的です。よくこの根の治療途中で歯の痛みがなくなった患者さんから「まだ終わらないのか」と催促されますが、「ご都合もあるでしょうが体の都合も聞いてあげてください」と話すようにしています。急がば回れとご理解ください。

●歯周病が原因の場合:
歯周病は歯の内部の問題でなく、歯の周囲の炎症です。歯と歯茎の間から歯の根っこの方向に奥に細菌が侵入した時に起こります。
重症化すると歯を支えるあごの骨が溶けてなくなり、骨の支えを失った歯がぐらついたり、硬いものをかむと痛かったりします。

重症化する前の歯肉だけの炎症(歯肉炎)やまだ感染が初期段階の軽度歯周病のうちは歯茎からの出血ぐらいの症状しかなく、ご本人に大きな不都合がないため自覚にかけることが受診を遅らせる原因の一つになっています。そのため重症化を招き、現在成人の歯を失う5人に4人が歯周病という時代に入ってきています。
詳しくは「歯周病と歯槽膿漏」をご覧ください。

歯の根の周りの感染が原因ですから、根の周りに歯ブラシでは落とせないほど強固にこびりついた歯石などの汚れやプラークと呼ばれる細菌の集落を除去する治療がまず必要です。一般的には歯石取りと呼ばれています。
細菌感染で溶かされてしまった骨の回復のために外科手術を行ったり、口の中全体の細菌の数を減らす除菌療法「歯周病を改善する3DS療法」などがあります。3DS療法は外科のように痛みがないだけでなくマウスピースをはめて寝るだけの楽な治療の割には治療効果が高いので重症の方は一度お試しなってみてはいかがでしょうか。

毎日食事をして口の中はすぐに汚れてしまいますので、汚れが強固に歯にこびりつかないうちに毎日清掃することが大切です。
この上手下手が治療と予防に大きく関わってきますので、当院では歯磨き方法や掃除器具のご提案などに力を入れています。

歯周病が重症化した場合は、根の奥にまで入り込んでしまった細菌や汚れをご自分の歯磨きでは落とせなくなるために、歯科衛生士による徹底的な清掃・クリーニングを定期的にお勧めしています。
現在重症化していなくても、予防にも大変効果があります。
詳しくは「メンテナンスで美と健康を」をご覧ください。

●噛みしめ、食いしばり、歯ぎしりが原因の場合:
これらが原因の場合はこれまで述べた細菌による感染が理由ではなく、上下の歯同志を接触させるために起こる痛みです。
問診をすると90%以上の方が無意識の歯の接触に気づいておられません。いつも驚かれますが、ほんの軽く歯同志が触れているだけでもひどい痛みを起こすこともあります。
詳しくや治療法については「原因不明の歯の痛み」をご覧ください。

 

体からのお願い

先ほど痛みの原因は細菌感染であることが多いため、治療の基本は薬で細菌をやっつけたり、感染源を体の外へ取り出すこと、細菌と闘う体の免疫の後押しをすることだとお話ししました。
ここで勘違いしていただきたくないのは、細菌をやっつけて病気を治しているのは歯医者でも薬でもなく、ご自身の体だということです。歯医者や薬は病気と闘う体のサポートや誘導にすぎません。体に細菌と闘う力がなければ病気に勝てないのです。若い人より高齢者の回復力が劣る理由の一つです。

歯医者や薬に治療は任せて、「自分の都合に体は合わせろ」とばかりに、ご自分は病気になってもそれまでと同じ生活をしようとする方がまれにいらっしゃいます。
体の都合よりご自分の都合を優先すると、免疫力の後押しができないため薬の効果も弱く、病気の治りが悪くなることをご理解いただきたいと思います。

また、症状が軽減してもまだ細菌は十分残っています。治療や薬で一時的にこの戦いが有利な局面に差し掛かっただけで完全に勝利したわけではありませんので、終戦の日を迎えるまで治療の手を緩めないように最後まで通院ください。
中途半端な状態は往々にして後で反撃されて今より条件が悪くなることをご理解ください。

今まで体は文句も言わずがんばってあなたを陰で支えてくれて、おかげで仕事も遊びもできました。体が弱音を吐いた時ぐらいちょっとだけいたわってあげて欲しいと思います。これからもお世話になるのですから。
 

むし歯ゼロも夢でない、最新の予防

歯を磨いているのにむし歯になる人に、とっておきのお話しです。遺伝や歯磨きの問題を超えて、あなたのむし歯を防ぐことができます。海外の最新むし歯予防のご紹介を交えながら、楽しく予防に取り組めます。

(本文から)歯を磨いているのにむし歯になる!知り合いのあの人は、そんなに歯を磨いていないのにむし歯にかからないなんて不公平だ!
歯が弱い家系なのかな?そういえばおじいちゃんは総入れ歯だったし…。
小さいころからしょっちゅう歯医者さん通い、歯の治療は苦手だし、歯をがんばって磨くしかないのか…。このまま行けば、そう来自分も総入れ歯なのかな?こんな風に考えているあなた、あきらめるのはまだ早いのです。…… 院長高岡が通院中の方に向け書いた小冊子(14ページ)です。

第一章 むし歯になったのはあなたの責任?
第二章 むし歯予防のウソとホント
第三章 歯を大切にするあなたへ
第四章 明日からできる、簡単なむし歯予防
第五章 おわりに

 ≪むし歯の予防に ご興味がおありの方はこちらへ



虫歯や歯周病のの予防に歯磨きが大切なのはご存知にことと思いますし、毎日歯磨きをそれなりの時間をかけて行っていらっしゃると思います。
でもそれは正しい磨き方なのでしょうか?

毎日のことですから、1年で何回歯を磨くことでしょうか。正しい歯磨きを習得すればその数の分だけ人生で得をすることができます。
院長高岡が通院中の方に向け書いた歯みがきの小冊子(11ページ)です。

 ≪ 歯磨き方法にご興味がおありの方はこちらへ


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