セラミックの種類

プラスチックとセラミック

近年男女を問わず、金属が見えない歯の治療をご希望の方が増加してきています。
金属色をしておらず歯と似た色合いの歯科材料には、大きく分けてプラスチックとセラミックの2種類があり、細かな分類では両者合計でかなりの数になります。

特徴としては、プラスチックは安価ですが色調と強度、耐久性が劣り、セラミックは製作が大変なため高価ですが色調と強度、耐久性に優れています。
ものを噛む力と審美性(外見)の観点から、前歯と奥歯では重要視するものが変わってきます。前歯には強度や耐久性より見栄え(審美)が重要視され、奥歯には硬い物でも平気で噛める強度と耐久性を最も重要視する必要があります。

私たち人類は力いっぱい噛むと歯には1平方センチに60Kgもの力がかかるため、かなり硬い食べ物でもガリガリと噛むことができます。

その強い力が1回の食事で何百回×1日3回×1年で365日×何年も、すべて掛け算となる強い力に耐えられる材質でなければ壊れたり摩耗して噛めなくなります。これが奥歯に強度と耐久性が必要な理由です。

プラスチックは元来の色調に自然感がない上に時間と共に変色しやすいのが欠点です。昔の陶器(セラミック)の器は現代まで残っていても、プラスチック製の子供用の器で年月を経てきれいなまま残っていることは稀なことでご理解いただけると思います。

次に強度と耐久性をみてみましょう。プラスチックは噛む力が大きくかからない前歯には使えますが、先ほど述べた強い力が継続的にかかる奥歯にはそれに耐える力を持っておらず不向きです。そのため金属かセラミックが適しており、外見から金属色を避ければセラミックだけが選択肢として残ります。

ここまでプラスチックとセラミックの特徴をお話ししてきましたが、見栄えや自然感、強度と耐久性を考えるとどうしてもセラミックに軍配があがります。
しかし前歯のほんの一部だけが虫歯になった時に詰める材質としては適しています。強度が劣っていても前歯にはそう大きな力がかからないことと、口の中で固めることができるため歯を削る量が少なくできるメリットがあるためです。しかし歯の形が変わるほどの虫歯には適していません。あくまでも小さな虫歯限定です。



セラミックにも種類があることをご存知でしょうか?

歯科で用いるセラミックも広い意味で陶器の一種ですが、ガラス系のものと陶器系のもの、人工ダイヤとも呼ばれるジルコニアなどがあります。

天然の歯の表面はエナメル質という非常に透明感のある歯質で覆われており、その下の象牙質という歯質の色を透過させて、私たちは外から歯を眺めて歯の色として認識しています。このように歯は二重構造になって透明感により奥行きのある色調を出しているのです。

この奥行きのある色調は透明感のない一種類の材料では表現できません。この点だけでもでプラスチックでは色調と自然感を表現できないことがお分かりいただけると思います。

ガラス系セラミックは透明感があり非常にきれいで天然の歯と同じような自然感があります。主に奥歯の一部の虫歯で開いた穴を埋めるために用い、下の象牙質の色をうまく透過して元あった歯に酷似した色調を再現することができます。

歯科治療とセラミック・オールセラミック術後によく患者さまから「これじゃ、人に言わなきゃ治した事わからないわね」とお喜びいただけるほど自然感があります。


陶器系セラミックの代表的な作り方は、ベースに硬いセラミックを使金属でないセラミックで白く自然できれいな歯にって強度を出し、その上に象牙質に似た色の陶器材料を置き、さらに表層に透明感のある陶器材料を置いて1000度位の高温で焼くことで天然の歯と同じように下の色を透過する自然感を作り出しています。

歯の治療とセラミック・オールセラミックス 七宝焼きと同じようなものとお考え下さい。
陶器系セラミックは歯にかぶせる冠として主に使われます。

近年人工ダイヤとして宝飾品としても使われるジルコニアの中の安定化ジルコニアの歯科応用が進んできています。
人工ダイヤと呼ばれるものの一種ですから硬く丈夫な材質です。そのため単独で歯にかぶせる冠として、また次にお話しする陶材を盛り付けるベースとして使います。
利点は強度が強いため薄い冠でも壊れにくい(歯を削る量が少なくて済む)点です。欠点は自然感が劣る色調であることです。しかし金属色ではなく比較的歯に近い色合いですので、硬い物を噛む奥歯であれば強度の利点を考えると人によっては許容範囲内かもしれません。

陶器系セラミックは以前はベースに金属を使っていた時代がありました。金属とセラミックは基本的に結合しないため、金属部分からセラミックがかけたり、金属色をごまかすために厚みが必要(歯を削る量が多くなる)であったり、厚みを薄くすると透明感が表現しづらかったりする欠点があるため、当院では10年程実績がありません。
現在はベースに硬いセラミック(上記ジルコニア)を用いるタイプになっています。

またガラス系セラミックも旧来の物は強度が不足しており年に数本割れることが以前はありましたが、製品が改良されて新しいタイプになってからはほとんど割れなくなりました。

このようにセラミックと一言で言っても、いろいろなタイプや種類があります。症例やお口の状態に合わせてそれぞれの特徴を最大限生かして美しさと強度のバランスを取りながらお勧めするセラミックをご提案しております。



歯のつけ爪、ラミネートベニア

格好の悪い歯、かけた歯の治療にラミネートベニア先ほどガラス系セラミックは詰め物、陶器系セラミックはかぶせ物によく使われるとお話ししましたが、この他にも前歯の歯と歯の間が空いているのを改善したり、歯の表面がきたなくてプラスチックの詰め物では改善できないケースや歯の形態が悪くきれいな形に修正したい場合などに用いるラミネートベニア(歯のつけ爪)があります。
歯の裏側は一切削らないで、歯の表面だけを1mmという微量におさえて削り、付け爪のような人工の歯を貼り付けるラミネートベニアという治療法です。
接着技術の進歩が、魔法のようなこの治療を可能にしました。

ほとんど自分の歯を残すことができますので、歯にとても優しい治療法です。歯の形や格好を変えるラミネートベニア歯の形の微修正、変色した歯の審美的改善、歯と歯の間にすき間がある場合などに適しています。
さらに、自分の歯の色調が反映して非常に透明感のある、美しく自然な歯にできる、コンタクトレンズのような極薄の特殊なラミネートベニアもあります。(上写真の症例)

前歯と前歯の間が空いている場合にもその隙間を埋めるサイズのラミネートベニアを接着すれば、まるで天然の歯が隙間なくきれいに並んだように見せることも可能です。
前歯の隙間を長年不満に思っておられた若い女性がラミネートベニアを装着して鏡を見た時に、眼からポロリと涙をこぼされて喜ばれた姿が今でも忘れられません。


これまでセラミックにも色々な種類があり、その特徴も異なることをお話ししてきました。
症例により適したセラミックが違ってきますし、治療の回数なども変わってきます。 また治療費もそれぞれ異なりますので、詳細はお口を拝見してご説明させていただきます。
治療リスクとしては金属製の人工歯と変わりませんが、ジルコニアを除けばある程度の厚みがないと強度的・色調的な問題が出ることから金属より1mm程度削る歯の量が増える点です。
見た目より削る量を少なくすることを優先する場合はジルコニアをお勧めいたします。 ジルコニアは天然の歯の色調ではありませんが、金属のように目立つことはないと思います。



*ご本人のご了解を得られた症例を掲載させていただいております。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>