インプラント

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インプラントとは

インプラントの構造

インプラントとは、失った歯の場所のあごの骨の中にチタン製の人工歯根を埋め込むことを言います。チタンは骨とくっつく(一般的には2~4か月)性質があるため、失った歯の根の代わりになります。チタンは腐食しない安定した金属で、骨とのなじみが高く、拒絶反応も起きない材質のため医科では人工関節などで体内に埋め込む治療にも使われています。

インプラントにアバットメントと呼ばれるチタン製の柱(土台)をインプラント体にネジ止めし、その上に人工の歯をセメントやネジで固定する3段構造になっています。

人工の歯にはセラミック製、ジルコニア製、金属製、強化プラスチック製などがあり、ご希望により選択可能ですが、症例によりお勧めできるものが変わってきます。

インプラントは骨の中にしっかり植わっていますので、びくともしません。ですから天然の歯と同じように硬い物でも噛み砕くことができます。治療後の「失った歯がよみがえった!」 「硬いものでも何でもかめて幸せ」「歯を失ったことを忘れてしまう」などのお声にあるように、食生活の向上と異物感や不便のない毎日をもたらしてくれます。

インプラントとブリッジ、入れ歯の違い

3つの選択肢と特徴 入れ歯
入れ歯
他の歯に針金を引っ掛け、
取り外しできるもの
ブリッジ
ブリッジ
両隣の歯を削り、
セメントで固定するもの
インプラント
インプラント
歯と同様に骨の中に
植えて歯の代用をするもの
噛める能力 × 歯の60%未満 〇 歯の100%未満 ◎ 歯と同等
歯を削る必要性 〇 多少削る × かなり削る ◎ 全く削らない
歯に負担をかける × 負担をかける × 負担をかける 〇 全くかけない
異物感 × 大きい 〇 ほとんどなし 〇 ほとんどなし
見栄え × 針金が見える 〇 自然感あり 〇 自然感あり
ガタつき × ガタつく 〇 動かない 〇 動かない
特徴 掃除がしやすい 神経のない歯は要注意 残った歯の寿命に貢献
費用 保険
自費 ¥275,000~
症例により異なります
保険
自費 ¥140,000~¥450,000位
両隣を含めて3本
自費のみ
¥400,000~¥500,000位
他の歯を含まず1本

インプラントを埋入すると、MRIを受けられない?

インプラントをすれば医科でMRI検査を受けられなくなると誤解を受けることがあります。
MRI検査の際には腕時計や装飾品などの金属を外す必要があります。これはMRIが非常に強力な磁場を発生させる装置のため、金属がMRI装置に引き寄せられて金属が装置を損傷する問題を懸念するためです。

現在ほとんどのインプラントはチタンという金属で作られており、鉄やニッケルなどの強磁性体と違って常磁性体のチタンは磁力で引き寄せられる力が非常に弱いため骨の中に植わったインプラントや骨への悪影響はないとされています。また骨の中に植わっているので装置の損傷もありません。
またチタンは強磁性体金属と比べてMRI画像へのノイズの影響も少ないとされています。

このようにインプラント自体がMRI撮影の禁忌となることはないといわれていますが、注意することがあります。それはインプラント本体には撮影上問題がなくてもインプラントの上に磁石で取り外し式の入れ歯などを支える構造になっている場合です。
磁石は画像に影響を与えますので撮影前にご自分で入れ歯を外していただくことが必要です。
金属だからという理由でMRI撮影のためインプラントを避ける理由はないとお考え下さい。
歯にかぶせたり詰める金属の方が画像に影響がでる可能性がありますが、そちらは問題とせずどうして?というのが率直な疑問です。

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インプラントのメリットとデメリット

インプラントのメリット

食べるということは、生きるということです。そして食べるということは、噛むことです。流動食で栄養を摂っても人は長生きできません。噛むという栄養補給以外では一見意味のないように思える行為が、実は人にはどうしても必要なのです。医食同源、噛むことで脳の活性化や認知症予防、唾液分泌低下による味覚の低下や虫歯や歯周病の発症を防ぐ、舌の筋力低下による誤嚥性肺炎を防ぐなど噛むことの恩恵はたくさんあります。
また人にも他の動物と同じように本能というものが備わっています。そして性欲、物欲、所有欲などたくさんの欲があります。しかし齢とともに色々な欲は姿を変えますが、生存本能の形で人生の最後まで残る欲が食欲です。これを可能にしているのが噛むことです。

メリット1:他の治療法より圧倒的に『よく噛める』

全員の方といっても差し支えないと思いますが、治療後に伺う感想のトップ1が『なんでも噛めるようになった』です。インプラントは天然の歯と同じように骨の中に植わっているためビクとも動かずよく噛めます。歯周病の進行した歯や入れ歯のようにグラついたりせず丈夫だった昔の歯と同じように噛むことができるため、美味しい感情と楽しい食生活を取り戻すことができます。

メリット2:残った歯が長持ちする

インプラントが残った他の歯の寿命の延長に役立つことをご存知でしょうか?
簡単に言えば残った他の歯の負担を減らす働きがあります。歯がなくなったからその分食べるものや噛む回数を変えることは一般的にはありません。以前と同じように食べようとします。同じものを数が減った歯で噛まなければいけないため残った歯の負担が増えます。
入れ歯やブリッジを入れて歯をなくした場所で噛めるようにしても、歯の本数自体が増えたわけではないので負担は増えたままです。
さらに入れ歯は噛む度に入れ歯を安定させるために残った歯に引っ掛けた針金で歯を揺することになります。釘を揺すり続ければぐらついてきていつかは抜けてきますね。同じことを残った歯にやっていることになります。
ブリッジは歯のない場所の前後の歯を削ってその上にかぶせる形の人工物同士を結んでいるものですから、歯のない場所にかかる力を前後の歯が肩代わりする構造です。短期間では問題なくとも長期間に渡るとその歯には負担となるのです。
さらに歯を削って歯に傷をつけ、歯と人工物との境目がむし歯になりやすいなどの問題を抱える構造になっています。歯を削ったり、神経を取ると歯の治療が次から次へと必要になり歯の寿命が短くなります。歯を削るからまた虫歯になります。また虫歯になるから今度は歯の神経を取らなくてはならない羽目になります。歯の神経を取るから、歯がもろくなって歯が割れやすくなって歯を失ってしまうことにつながります。
統計で見ても歯の神経のない歯は神経のある歯より5年から10年も寿命が短いことがわかっています。その分だけ将来早く入れ歯のごやっかいになることになるのです。一方でインプラントは歯を削る必要がなく、インプラントは歯のない場所に入れて噛めるようにするものですから、歯のない場所にかかる力はインプラントが負担しますので他の歯の負担になることはありません。これが残った歯の寿命を長くすることにつながります。
これがインプラントの大きなメリットです。『残った歯が長持ちする』ことは、現在の医療が天然の歯を作りだせない以上、どんな治療法より優先されていいと私は考えています。

インプラントのデメリット、リスクについて

デメリット1:一定の治療制限

よく高齢でも治療は可能ですか?とお尋ねいただきますが、インプラント治療に年齢の制限はありません。
しかしインプラントを支える骨の量や位置に問題があったり、手術ができない全身疾患をお持ちの方などは残念ながらお受けになることはできません。骨粗しょう症の治療薬(ビスフォスフォネート製剤)や出血が止まりにくい薬を服用されている方も基本的にお受けになることができません。(主治医により一定期間の休薬ができれば可能になることもあります)
インプラントは天然の歯と同じように骨で支えられる構造のため入れ歯と違ってびくともせず硬いものでも何でも噛むことができます。その裏返しで支える十分な骨がないと入れることができないのです。
また重度の歯周病や食いしばりなどがある方にもお勧めできません。
重度の歯周病は完治が困難なため原因菌の絶対数が多く、歯と同様にインプラントも感染をして長持ちしないことがあるためです。天然の歯が身体にとって1番優れているのですから、それを超える人工物はこの世に存在しません。その1番が感染で重症なのですからご理解いただけることと存じます。
食いしばりや歯ぎしりなど歯同士を長時間当てる癖をお持ちの方は、その慢性的な力によってご自分の歯が割れたりぐらついてきたりすることがあります。歯周病の場合と同じく、1番が負ける環境にお入れしても長持ちしないのでお勧めできないのです。
こうした一定の治療制限があることがデメリットです。

デメリット2:治療期間が長い

インプラントは骨折と同じように骨とくっつくのを待つ期間が必要です。そのため他の治療選択肢より治療期間が長くなるのがデメリットです。一般的な治療期間は2ヵ月~6ヵ月程度で症例によって異なります。

デメリット3:比較的費用が高い

インプラントは他の治療選択肢にない手術費用のご負担がかかるため、治療費がどうしても高くなります。ただし、前後の歯を含めたセラミックなどの自己負担のブリッジにする場合にはその差はかなり小さくなります。インプラントでは前後の歯の治療が必要なくなるからです。

リスク1:外科治療のリスク

インプラントは外科治療の一つですので、術後の管理や清掃が不十分になると感染を起こしてインプラントが骨とくっつかなくなるリスクがあります。
また医療事故の報告にあるように手術中の出血や神経損傷のリスクがあります。歯の治療と違って直接目で見えない場所の手術であるが故に起こる事故ですが、当院では全ての症例で術前にCT撮影を行って無理のない治療計画を立て、手術時に計画通り治療を進めるためのガイドとなるマウスピースを個別に作製することや、手術中の方向や位置、角度に狂いがないかを術中に再度CT撮影で確認することなど何重にも安全確認を行い、正確な手術を行いこのリスクを回避しております。

リスク2:感染のリスク

天然の歯は感染による歯周病のリスクを持っています。同じ口の中に生えているインプラントも同じリスクを持っています。インプラントは人工物なので虫歯にならないから手入れしなくていいとお考えの方がいらっしゃいますが、歯周病予防のために歯と同じように日々の清掃が必要です。またこのリスクを少なくするために、この後で述べるメンテナンスが長くインプラントと付き合うために大切になってきます。

他のリスクに関して「インプラントは危険?」もご覧ください。

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インプラント治療の流れ

  1. カウンセリング

    現在のお困り内容とそれをどう解決されたいかなどをお伺いします。
    お悩みを解決できるいくつかの治療選択肢のご案内と、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどをご説明いたします。

  2. 検査・治療計画

    インプラントレントゲン写真
    歯の状況を把握するために歯周病検査やレントゲン撮影、お口の中の写真撮影、かみ合わせの検査、CT撮影用の専用マウスピース作成のための歯型をお取りします。
    マススピースを入れた状態でCT撮影を行い、CTのデータを元に3D専用ソフトを用いてコンピュータ上で骨や噛み合う歯、隣の歯の状態を勘案しながら、インプラントを入れる位置や角度、深さ、最適なインプラントの種類などの最も有利な治療プランをシミュレーションします。
    その後に検査結果を元に、治療の可否やインプラント治療以外の選択肢との比較などを検討し、可能ならインプラント治療の計画をお立てし、リスクと共に治療計画のご説明を行います。
    ご相談により今後の治療方針が決まれば次の一次手術に入ります。

  3. 一次手術
    一次手術

    麻酔をつかって無痛状態になった時点であごの骨にチタン製の小さなネジのような形をしたインプラントを埋め込む手術を行います。手術時間は症例によって違いますが平均的に1時間くらいです。
    ほとんどの方が「手術は痛いでしょうか。怖いです」とおっしゃいますが、術中は無論無痛ですし、麻酔が覚めた後も歯を抜いた時とさほど変わらずほとんど痛みませんのでご安心ください。(痛みへのご不安に関してはこの後述べます)

  4. インプラントが骨とくっつくのを待ちます

    インプラント手術直後は、例えればちょうど挿し木をしたばかりの状態です。
    根っこがはって挿し木がしっかりするまでしばらく様子をみるのと同じく、インプラントと骨がくっつくまで最短2ヵ月から6ヵ月ほどそ~としておきます。骨折が治るため安静にするのと同じです。
    この期間は骨を造る治療の有無や骨の質などによって変わってきます。
    前歯など審美性が求められる場所は、症例によって仮歯をお入れして外見の不都合を緩和できることもあります。

  5. 二次手術
    二次手術

    インプラントが骨と結合した後に歯肉を切開して歯肉の下にもぐっているインプラントを露出させ、その上に器具を装着します。骨造りが必要なくインプラントが骨でしっかり支えられているケースではこのステップを省略できることがあります。

  6. 人工歯の装着
    人口の歯の装着

    インプラントに土台をネジ止めし、その上に仮の歯を被せます。仮の歯を実際に使いながら噛む能力、審美性、使用感、他の歯や口元との調和などを患者さんと歯科医双方が確認テストします。テストに合格すれば歯型をとって正式な人工の歯をインプラントにセメントやネジでくっつけます。人工の歯のかみ合わせを調整して治療が一旦完了します。
    ここでお作りする人工の歯には色々な材質のものがありますので、術前の治療の相談の時に適応症やその特徴などご希望を元にご相談して決めておきます。
    最近の傾向としては金属がお口の中で見えるのを嫌って、自然感のあるセラミックの人工の歯が好まれています。

  7. メンテナンス

    治療が完了すると末永くインプラントを機能させ続けるために、クリーニングやかみ合わせのチェックなどを定期的に行うメンテナンスに入ります。未然にトラブルを発見するだけでなく悪くしないことが目的であり、インプラントだけでなく天然の歯と長く付き合っていくために必要不可欠です。メンテナンスの詳細はこの後述べます。

インプラントの手術は痛い?

歯の治療が苦手な方が多い上に見えない顔や頭に近い場所の手術であり、想像するとさぞかし大変なものだろうという先入観とご不安がおありだと存じます。敏感な口の中の手術なのだからさぞかし痛いのだろうと思われるでしょうが、実際は術前に思われていたほどでないのに術後驚かれることが多いのが実情です。痛みの程度を数字で表現することができませんし、痛みの感受性は個人個人違うものですので言葉でご説明することが困難です。
ですから過去に治療をお受けになられた方のお話しでご説明いたします。
症例によっては左右にインプラントを入れる場合があります。左右同時に手術をされている医院もあるようですが、手術側で噛むことができないため当院では一般的に左右同時に手術をすることはありません。右を手術したときは傷のない左で噛み、右の傷が痛まずに噛めるようになってから左の手術をした方が期間はかかっても日常の食生活への影響が少ないと考えているためです。

この場合に右の手術後に左の手術は結構ですとお断りになられた方がお一人もいらっしゃらないことからもそんなに大変な手術でないことがお分かりいただけると思います。また当院では過去にインプラントをお入れになられた方が再度歯を失くされると次もインプラントをご希望になられることが多いのが実状です。本当に大変なら二度目はごめんとなるはずですが、実際にはそうはならないのです。
術後のアンケートでも多くの方々が「思っていたほど痛くなかった」「術後大変だと思っていたが、これならもっと早くすればよかった」などと肯定的におっしゃっておられます。

インプラントイメージ

親知らずを抜くときに周りから痛みなどで大変だと脅されて体を小さくしてお越しになられる方が時々いらっしゃいます。そういう方でも翌日は明るく元気に消毒にお越しになられます。
当院では術前から術後まで感染管理を徹底的に行い、東洋医学も併用して可能な限りの術後の不快感の軽減に努めていますのでご安心ください。
色々大変そうに思えるでしょうが、おおむね歯をお抜きになられた時と同じくらいだと思っていただいて結構です。この痛みに関する誤解が解けないために、快適な口の中と食生活を捨ててしまうのはもったいないと思います。

インプラントがすぐにできないケースとその対処法について

歯と同じようにインプラントは骨という固いものに支えられている必要があります。しかし歯をなくされた理由や歯を失くされた年数、入れ歯の装着、元々骨が少ないなどによって骨が痩せていることがあります。
以前はインプラントをあきらめるしかなかったこうした場合でも、骨のボリュームを増やすための材料や手術法が近年開発され多くの症例でインプラント手術ができるようになってきています。
またそれとは別に重要なのが元来ある骨を痩せさせないことです。歯を抜くと骨が急速に痩せるため、それを防ぐために抜歯と同時に骨の穴に骨補填材を入れる治療法や、通常のチタン製インプラントより早期に骨とくっつくインプラントもあります。

詳細は「インプラントと骨」、「インプラント成功の秘訣」をご覧ください。

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前歯と奥歯のインプラントの違い

前歯のインプラント

前歯も奥歯も1本の歯であることに変わりはありませんが、お互いに代用ができずそれぞれ役割が違います。
前歯特有の特徴は、外見(審美)に関わり、発音、食べ物を切る働きなどです。
インプラントは骨のある場所にしか入れられないため、前歯と奥歯では異なる考え方が必要です。天然の前歯は細く奥歯は太い形をしているため、それが植わっている骨の厚みも前歯は薄く奥歯は厚くなっています。元々薄い前歯の骨がさらに痩せると、インプラントを入れること自体が困難であったり、入れられる場所が限定されることが多いのが実状です。
骨の幅が狭い場合で骨の幅を広げる方法は「インプラントと骨」をご覧ください。
インプラントは骨の中にしか入れられないので、残った骨がどこにあるのかが大変重要です。
そのために以前は骨のどこに入れるのがインプラントにとっていいのかを考えて手術をし、その入ったインプラントに合わせて人工の歯を作る方法が主流でした。発想が骨を中心に考えられていたのです。

骨を考えることは基本原理からいってもちろん今でも非常に大切なことですが、前歯は見栄えが奥歯以上に大切な場所です。インプラントの入る位置によっては見栄えが大きく変わってきます。
そのため奥歯以上に最終的な人工の歯をどこに配置するのが美しくなるのか、それを実現するためにはインプラントをどの位置に、どの角度で、どの深さで入れる必要があるのか、という今までとは逆の発想が必要です。 今までの下の骨から人工歯を考える発想を逆にして、人工歯から骨の発想に変えなければきれいな口元を作れないのです。

しかしこの見栄え優先発想には問題もあります。
優先する人工歯の位置に合わせることのできる十分な骨が残っているケースはいいのですが、歯を抜いて期間がたった症例や歯の根っこが割れて抜歯になったような症例では表側の骨が大きく痩せてしまっていることが多く、骨のある場所にしかインプラントが入れられないためインプラントを外見上理想的な位置に入れることができず審美的にマイナスになることがあります。

さらに前歯は傾斜して生えているため残った歯と歯並びを調和させようとすると残った骨の角度とずれてしまう症例があることも治療を難しくします。
このように歯を失ったからインプラントを入れればいいと簡単に考えるのは禁物です。
無理をして入れたインプラントは審美にも寿命にも関わるからです。

インプラント模型"

インプラントを入れてからどうするかを考えるのではなく、入れる前に骨のことや隣の歯、かみ合わせ、治療後の口元などたくさんの事柄を検討した上でインプラントをするかどうかを検討すべきです。
当院では手術の前にCT画像上でシミュレーションや模型上での最終的な人工歯の位置や形のシミュレーションを必ず行い、プラスになると判断した場合のみ手術を行うようにしています。

他の歯に負担をかけない点ではインプラントは優れていますが、前歯の場合は症例によってはなくした場所の人工歯を骨の位置や量に関係なく見栄え優先で自由に配置できるブリッジの方が審美的に優れている場合もあります。総合的に判断することが大切です。
そのため症例によってはインプラント以外の選択肢をご提案することもあります。

インプラントは食生活や快適な日常生活を手に入れるためのいくつかある選択肢の一つでしかありません。
失った歯の局所(ミクロ)だけを考えるのでなく、口全体や年月の経過に伴って変化していくであろうこれからの将来も視野に入れたマクロの視点で今どうするのが最適なのかをお考えいただけるように私達はお話しして参ります。

詳細は「前歯のインプラントの費用・価格」をご覧ください。

奥歯のインプラント

奥歯より前歯を大事にされるのは、前歯が1本でも抜ければすぐに外見に影響しますが奥歯は1本ぐらい抜けてもまだ噛むことができるからでしょう。本当にそれで済む問題なのでしょうか?
実は前歯を守っているのは奥歯だということがほとんど知られていません。

奥歯を1本失くしたからと言って食生活を変える人はほとんどいません。以前と同じ噛む力が、少なくなった奥歯にかかり、時間の経過と共に疲労の蓄積により残った歯の寿命を知らず知らず短くしていることにほとんどの方が気が付いていません。
奥歯の喪失は1本でもお口全体の噛み合わせを狂わせ、歯の寿命や体の姿勢に影響し、あごの関節への負担(顎関節症)の予備軍への道です。うまみを感じる舌のセンサーは奥歯の横にしか存在しないため、奥歯のない人は味覚が変わってしまいます。

前歯は物を切る働きがあるのに対して、奥歯は硬い物でも噛み砕ける強い力がかかる場所です。
そのため前歯より太く長いインプラントが求められ、またそれを支える十分な骨の量(幅と高さ)が必要です。しかし前歯と違って奥歯の骨の中は空洞や神経の通り道などがあり治療制限を受けやすい場所でもあります。
こうした制限をクリアし治療を進めるために、事前と治療中にCT撮影しながら的確な治療が必要になってきます。

詳細は「奥歯のインプラント」をご覧ください。

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インプラントの費用について

当院では診断・計画費、インプラント手術費、造骨治療費(GBR等)、2次手術費、土台の費用、仮歯の費用、最終的な人工の歯の費用などに治療費は細分化しています。
インプラント手術費:¥212,200、GBR造骨治療費:¥59,180など

症例毎に実施が必要な項目が違うため治療費総額が変わってきますので、治療計画を立てる時に個別にご説明をさせていただいております。前歯と奥歯の治療費の違いはございません。
症例により変わってきますが、概算で1本で\400,000~\500,000程とお考え下さい。
ブリッジなど他の治療選択肢のメリット・デメリットと一緒に比較されてご検討いただけるように治療方法を複数ご提案をさせていただいております。

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インプラントの症例

これからインプラントをお受けになられる方々が安心して受けられるために、掲載のご許可を得られた症例の一部をご紹介いたします。

左上前歯1本をなくされた症例

   
インプラント治療後

向かって右上の一番目の前歯に違和感を訴えて来院された40歳代女性の方です。神経のない歯の根が割れており残念ながら治療では残して差し上げることができなかった症例です。
前歯でさらに一番前の歯ですから最も目立つ場所です。人と話していても口元から最初に他人の目に飛び込んでくる歯ですので、どうしても外見は無視できません。
そして前歯は見た目だけでなく発音にも関わってきます。特にサ行に影響が出ます。
さらに前歯は奥歯以上に歯を失うショックが大きい場所です。

歯を失ったことを忘れるくらい快適で見た目にも自然な姿を得るには、この症例では歯に引っ掛ける針金が見えたり舌の先にいつも触れて存在感の大きい入れ歯は最初に除外しなくてはいけません。
ブリッジも検討しましたが、両隣の歯の根っこが短く失った歯の負担を余分に担うには力不足でした。これからの長い人生を考えると、無理をさせればそれらの歯も失うことになりかねません。
そこでインプラントが候補になり、術前の検査で骨の位置や量などのデータと治療後の人工の歯の配置が骨の状態と審美性両方をうまく満たせるのかパソコン上でCTデータを元に、また歯型をとって模型上でシミュレーションを行いました。
こうしたご相談の後、治療計画のご説明、ご了解を経て最初に抜歯と同時にソケットプリザベーションをしました。歯がない状態を避けるため両隣の歯とつなげた仮の歯をお入れして外見上の不都合を回避しながら4ヵ月間骨の回復を待ちました。その後インプラントを入れる手術を行い3ヵ月間インプラントと骨がくっつくのを待ち、ペリトテストと呼ばれる検査をして骨とインプラントがくっついたのを確認してインプラントに土台をネジ止めし、土台に仮の歯を被せ、しばらく実際に使ってテストを行いました。
仮の歯を使いながら歯の大きさ・位置・形などの審美性、かみ合わせと噛める能力や発音などの機能性に問題がないことを患者さんと歯科医双方が確認しました。その後最終的な人工の歯をお入れして治療は一区切りになりました。
ここで治療が終了と言わないのは、その後はメンテナンスと定期検診で維持する必要があるからです。通常の手術と違って抜歯後の骨の回復期間があったため全体の治療期間が長く(インプラントを入れてからは4ヵ月程度)なり、治療費もGBR造骨治療費が増えため約¥450,000ほどになりました。抜歯とインプラント手術後の痛みや腫れもほとんどなく、また仮の歯をお入れしたため日常的な不便もなく特段の副作用はありませんでした。

インプラント治療後

治療後の写真です。インプラント1本(青い矢印)お入れしました。
当院で歯をお抜きになられたので、インプラントを想定した抜歯が行えたことと、歯を失って骨が痩せて行くことと骨が回復する真逆の変化の一番バランスが取れたタイミングでインプラントを入れることができたのが不幸中の幸いでした。

インプラント治療後2

歯を抜いて期間が経てば骨はみるみる痩せて行きます。
この時は先ほど述べた抜歯と同時に骨を減らさない治療(ソケットプリザベーション)を行ったために、骨の痩せを最小限に抑えることができて、インプラントを支える骨と外見に関わる人工の歯の位置がうまく合わせられたことが外見の回復という絶対条件に対していい結果につながりました。
人工の歯はセラミックにできましたので、写真をご覧になってもどの歯がインプラントなのか、どの歯を失ったのかわからないと思います。
「人に言わなきゃインプラント入れたことすらわからないわね」とお喜びいただけました。

歯を削らないことを第一に考えた症例

インプラント治療後
インプラント治療後2

「よく噛めない」ことがお困りで来院された70歳代の方の治療前のお口の中の状況です。既になくされていた歯に加え、虫歯でかなり傷んだ歯が散見されます。咀嚼効果を発揮するのは奥歯だけですが、上下残って噛めている歯は右は2本、左は1本だけのため十分噛みつぶせていないことが見て取れます。
傷んだ歯を残すことができないか調べましたが、虫歯が根っこ深くまで進行しており残念ながら歯をお抜きせざるを得ませんでした。

この症例で特徴的なのがひどい虫歯が特定の歯に集中していることです。
患者さまの記憶を元に過去の治療の歴史を伺うと、共通するのは既に失くした歯と今回虫歯でボロボロになった全ての歯には銀歯が入っていたことです。歯にピッタリ合っていない銀歯などによく見られる現象です。
写真でもお分かりのように今まで虫歯にならずに削っていない歯はほぼ無傷にもかかわらず、銀歯で治療した歯だけが何度も治療を受けまた虫歯になって最後にはなくなってしまう…。
これが以前からできるだけ歯は削らない方が歯が長持ちすると言い続けてきた理由です。

しかし過ぎてしまったことを悔いてもしようがありません。これからどうするかが大切です。
入れ歯とブリッジ、インプラントの選択肢とそれぞれの特徴やメリットメリットとデメリットをお話しし、今後の治療方針のご相談をさせていただきました。
「入れ歯を入れている70代の同年齢の人が大勢いるがご自分はできれば避けたい」とおっしゃり、「ブリッジでこうなってしまった原因の一つである歯を削ることも避けたい」とのご希望がありインプラントをご選択されました。

インプラント治療後
インプラント治療後2

治療後の写真です。
歯をお抜きした後傷の治りを待つ間に徹底的な歯周病の治療、その後何回かに分けて順番にインプラントの手術をしながらそれと並行して虫歯の治療を進めていきました。
青い矢印の場所にインプラントをお入れしてその上に土台と仮の歯を被せて、日常の生活で使いながら色々なテストに入りました。人は噛めるところで噛む習慣がついてあごをズラしたかみ合わせになっていることが多いため、仮の歯で本来のかみ合わせに誘導する期間が必要でした。同時に咀嚼能力、審美性、頬や舌が邪魔にならない位置と形、発音などの問題がないことを確認して最終的な人工の歯をかぶせて治療は一旦完了しました。
左右同時にインプラント手術をする方法もあるようですが、手術側では食事ができないため当院は左右どちらか一方の噛める側を残した治療を行っているため、また噛み合わせのズレを修正する期間も取ったため治療期間が約1年と長くかかりました。治療期間が短いことよりもこれから先の快適さや高い機能性、寿命を優先した結果です。右下奥歯の既に歯がなかった場所だけで見ると治療期間は2~3ヵ月、費用は¥380,000でした。
抜歯とインプラント手術後の痛みや腫れもほとんどなく特段の副作用はありませんでした。
「噛みやすくなったし、食べるものを選ばず硬い物でもなんでも食べられる」とお喜びいただけました。
現在は定期的なメンテナンスと検診でこの状態を維持されていらっしゃいます。

部分入れ歯が嫌でインプラントをご希望になられた症例

部分入れ歯をインプラントにした治療前
部分入れ歯をインプラントにした治療前2

長年部分入れ歯をお使いでしたが、入れ歯はうっとうしいし歯に引っかけた金属の針金が見えるのが嫌だとおっしゃってインプラントに置き換えたいとご希望になられた女性の方です。
社交的で活動的な方ですので、人目だけでなく外で会話をしながら食事をされる機会が多く、食べるものや口元を気にせずにいたいことがインプラントを希望されたもう一つの理由でした。

上の歯はほとんど失っておられないにも関わらず、下は左右とも奥歯4本、左右で8本全て失っておられるため上下の奥歯のバランスが悪く、噛む力の劣る下の入れ歯の噛める能力に食べられるものが限定されていました。また長年入れ歯を入れておられたため、あごの骨の高さだけなく幅も痩せていらっしゃいました。そのため、丈夫な太く長いインプラントを入れることができず、片側4本分を3本のインプラントでブリッジを作り、丈夫な上の奥歯を支える計画を立てました。
片側3本は同時にインプラント手術を行いましたが、術後の食生活を考えて左右同時にせず、片方の傷が治り何とか食事がとれる状況になってから反対側の手術をしたため、全体の治療期間が8ヵ月と長くなりました。インプラント手術後の痛みや腫れもほとんどなく、片側ずつ入れ歯を使いながらの治療を行ったため食生活への影響を最小限に抑え、特段の副作用はありませんでした。治療費は当時で1本¥400,000程でした。

部分入れ歯をインプラントにした治療後
部分入れ歯をインプラントにした治療後2

治療後の写真です。針金もなくなりきれいな口元になりましたが、さらに思っていた以上によく噛めて、入れ歯の不自由さがなく生活に快適さと自信が持てたとお喜び頂けました。
治療後12年間メンテナンスと検診で定期的に拝見させていただいておりますが、今もこの快適さを維持されていらっしゃいます。

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インプラント治療後は必ずメンテナンスが必要です

インプラントはあなたの失った歯の代わりを見事に勤めてくれるでしょう。
毎日の食事がおいしく食べられ、入れ歯のように異物感や見た目の悪さもありません。ブリッジのように他の歯を削る必要もありません。「歯を失ったことを忘れる」と患者さまから言われたこともあります。
それでも天然の歯をインプラントが超えることはないと私は考えています。 ご両親からもらった歯が一番だと思うのです。人工心臓があなたの心臓より優れているとは思われないと思います。インプラントも同じです。
その一番を失ったのですから、二番目のインプラントをする前に考えることがあります。
どうして一番をなくしたのか?どうすれば同じ目に合わないで済むのか?
そこに気づくことが、残った歯やインプラントと今後どれだけ長く付き合っていけるかを決めてしまうことをご理解いただきたいと思います。
歯を失う2大疾患は歯周病と虫歯です。両方とも細菌による感染症であるため、日々のお口のお掃除が発病と予防の鍵を握っています。そのお掃除はどうしても自己流になり苦手な場所は汚れが溜まったままになるケースが多いため、時折掃除のプロである歯科衛生士による徹底的なクリーニングをお受けいただくことで病気の再発を防ぐ必要があります。それが私たちがお勧めするメンテナンスです。末永くご自分の歯とインプラントを守って快適で楽しい食生活を私たちとご一緒に守っていきましょう。

メンテナンスの詳細はこちらから

インプラント治療成功の秘訣はこちらから

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こんな毎日が手に入ります

歯を失った場所が奥歯なら噛むことに不便を感じ、少なくなった歯で今までと同じ食生活をすることがその歯への負担となり歯の寿命に関わる心配がでてきます。失ったのが前歯なら外見的な問題だけでなく発音や社会性にまで影響がでてくるといわれています。その方により抱えておられる問題は違っても、共通するのは「さびしさ」と「不安」です。極端な例では他の人と比較して劣等感を感じる場合もあるといわれています。
「人と同じものが食べたい」「昔好きだったものを歯を気にすることなく食べたい」「会食や外食で食べるものを選ばず食べたい」「誰とでもどこにでも自由に出掛けて食べたい」などの人それぞれ違ったご希望を実現するには天然の歯にできるだけ近い噛める人工の歯、それがインプラントです。

入れ歯で噛むと痛かったり外れる心配や異物感と無縁な毎日をこれから先は送ることができます。
ブリッジで歯を削ったり他の歯に負担をかけて歯の寿命の心配をする必要もありません。
他の歯も年齢を重ねてきています。歯に無理をさせないこと、すなわち残った歯の寿命をインプラントで手に入れることができる、それが最大のメリットだと私は考えています。
まるでご自分の歯がよみがえったかのような感覚で、硬い物でもなんでも自由に食べることができます。噛めることで食べる楽しみが戻り、食生活だけでなく生活そのものまで元気になったと伺ったことがあります。食べる自由が手に入るのがインプラントです。

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インプラント治療の満足度

インプラント学会が行った治療後のアンケート報告によると、

インプラント学会アンケート結果

○インプラント治療後の感想をお聞かせください。

満足 91.0%
どちらともいえない 4.9%
不満足 4.1%

○再度インプラントをおやりになりますか?

無条件でやりたい 42%
場合によりやりたい 50%
避けたい 8%

この報告では、約9割の方々が肯定的なご意見でした。

インプラント治療成功の秘訣」はこちらから

三鷹駅近くの歯医者、高岡歯科医院

〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-2-3ミタカハイム1F
三鷹駅北口徒歩1分

Tel:0120-68-0422

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歯科検診・予防歯科
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ホワイトニング
歯周病
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