小児歯科

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小児歯科

小児歯科とは何か?大人の治療との違いは?

虫歯になった子供

小児歯科とは大人と違う子供さんの特徴を考慮した歯医者さんのことです。
大人との違いは、乳歯や生えて間もない永久歯を取り扱うことと、まだ分別や理解が未発達な年齢であることです。乳歯や生えて間もない永久歯は虫歯になりやすく進行も早い特徴があり、歯の内部の神経が大きいため小さな虫歯でも歯の内部まで感染しやすい傾向にあります。
また描いた絵や文字でお分かりのように、子供さんは手の動きもまだ未発達です。歯磨きがまだ上手にできない反面自立も必要なため、お口の中のケアと維持が難しくその必要性や理解度も大人と違っています。
このため治療に際しても協力状態が得られにくいことが多い傾向にあります。
また小さなお口の中への治療器具の挿入や、長くじっとしていること自体が難しい年齢などから治療自体の難しさがありあます。

どうせ大人の歯に生え替わるのだからと乳歯を軽視されるのは間違いです。小学校1年生と6年生を比べてみてください。ランドセルが小さく見えるまでに成長させてくれたのは乳歯のおかげです。そしてこれから何十年と末永くお世話になる永久歯の生える位置を乳歯がガイドしています。
永久歯の歯並びも乳歯次第で変わるのです。また乳歯の虫歯からの感染により永久歯の正常な発育に影響を与えることもあります。乳歯は軽視できない大切な歯だということがお分かりいただけたでしょうか。

私達大人がそうであったように、子供さんは成長していつか親元を離れて行きます。丈夫な身体で健康に生きて行って欲しいと思うのが親心です。
当院からのご提案があります。
第1は乳歯の年齢からお口のケアをする習慣を持っていただくことです。
しっかりと歯磨きした後は口の中の爽快感をお感じだと思いますが、それは子供さんも同じです。「三つ子の魂百まで」という諺がありますが、子供さんが「歯を磨かないと気持ちが悪い」と思うようになれば、親御さんからもらった大切な財産になります。
第2は定期的な歯科検診をお受けいただくことです。
乳歯の虫歯の進行が早く神経が大きいためできるだけ小さな虫歯の内に治療をすることが重要です。それを実現するのが定期的な歯科検診です。また定期検診で顔なじみになっていれば、まだ分別や理解が未発達であっても治療の際の精神的負担が小さくなるメリットがあります。そして検診は歯磨きチェックと相談も兼ねているため、虫歯予防にも役立ちます。
また、こうした予防や早期発見による歯の被害の最小化とともに、治療自体が軽く楽に終われることで歯医者嫌いを避けることができます。嫌いになれば、大人になって予防のために通うことも、早期に虫歯治療に通うこともなく、どうしようもなくなって仕方なく通う場所になってしまうからです。治療が遅れた分だけ歯の寿命は短くなってしまうことを避けることができます。
定期検診でお口を見せるだけなら嫌いにはならないのです。

虫歯にさせない毎日の歯磨きだけでなく、お母さんを含めた家族全員のお口のケアが大切です。家族間、特にお母さんからの母子感染が虫歯菌のルーツだからです。
小さいうちから予防、治療に取り組めば虫歯ゼロも決して絵空事ではありません。
小さいうちから出来ることが沢山あります。
ご自身のお子さんに同じような思いをさせないために、一緒に出来ることを精一杯やりましょう。

小児歯科治療は何歳まで?

歯のイメージ

明確な区分はありませんが、中学校を卒業する15歳ごろと考えています。
永久歯がおおよそ12歳で全て生えそろいますが、生えたばかりの永久歯は幼若永久歯といって歯が虫歯菌の酸に溶けやすく虫歯になりやすい状態です。唾液の成分やフッ素などで成熟し、虫歯になりにくくなるのに2~3年かかります。そのため永久歯が成熟しきるまでの虫歯になりやすい時期を小児歯科の対象としています。
子供の成長は、乳歯が生えだし、乳歯が生え揃い、乳歯が永久歯に生え代わると目まぐるしく変化します。その変化の過程で虫歯になりやすい場所、磨きにくい場所が変わってきます。その変化が落ち着くのが個人差はありますがおおよそ15歳頃です。

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年齢ごとの小児歯科予防

ブラッシングする子供

基本的にはどの年齢でも重要なのは虫歯にしないための歯磨きとフッ素塗布です。
いずれ親元から旅立つ子供さんへのプレゼント、それがこれからの人生を共にする歯を守る歯磨き生活習慣です。小さいころに身に着けた生活習慣は身にしみ込み長続きします。小児歯科の予防で最も大切なものだと考えています。
年齢によってお子さんの成長度合いや歯の生えている本数、状態に違いがあり、それに適した予防方法をお話ししたいと思います。子供の成長発育には個人差がありますので、あくまでも目安としてください。

乳歯が生える前の6~9ヶ月まで

この時期は歯ブラシに慣れるための準備期間です。歯が生えてくればその日から歯磨きが必要になりますが、いきなり歯ブラシを使って拒否されると困ります。ですから生える前に歯ブラシを嫌がらないようにする準備をします。
口の周りや、口の中を優しく触れてスキンシップをしてください。口の中を触られることに対する抵抗感をこの時期から少しずつなくしていきます。
また歯ブラシを身近に感じるように家族や兄弟みんなが楽しそうにしている様子を見せてあげてください。そして歯ブラシに興味を持ったら手に持たせてあげてください。好奇心が慣れを作ってくれます。

6~9ヶ月から乳歯が生えそろう2歳~2歳6か月ごろまで

歯が生え始めたらまずはガーゼを使って歯磨きを行いましょう。
歯ブラシは柄やヘッドが硬いプラスチックのため歯茎などに当たると痛く、歯ブラシが嫌いになってしまいますのでご注意ください。
上の歯が生え始めてくれば徐々に歯ブラシを使うようにしましょう。

乳歯が生えそろう2歳~2歳6ヶ月から永久歯が生え始める6歳まで

この頃になるとスプーンやお箸が徐々に持てるようになってきます。
それに伴い歯ブラシを徐々に持たせ、一人磨きを少しずつできるように開始してもらうのにいい時期です。
3歳頃は色々なことに興味を持ち始め、自分でやろうとします。歯磨きに興味が持てるように工夫することが大切です。また生活習慣を築くのに大切な時期でもあります。
乳歯の虫歯は永久歯の虫歯や歯並びにつながるため、しっかりとケアすることが重要になってきます。

6歳~15歳

永久歯が生え揃い、永久歯が成熟するまでの期間です。
乳歯と生え切っていない永久歯が混在しているなど歯の高さや位置が不揃いなため磨きにくい状態です。
また生え始めの永久歯はとても虫歯になりやすいため特に注意が必要な反面、フッ素が取り込まれやすく虫歯になりにくい歯を作るのに適した時期でもあります。
どの年齢でも(大人でも)フッ素は虫歯予防に効果的ですが、特にこの時期は積極的に取り入れるべきだと思います。

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虫歯になってしまったら?

お子さん自身と親御さんの協力で虫歯にしないことが理想です。
しかし不幸にして虫歯になってしまったら乳歯と幼い永久歯は虫歯の進行がとても早いため、できる限り小さい虫歯のうちに治療することが望まれます。
残念ながら現代の歯科医療では歯を元通りに「復元」することはできず、虫歯を削り取って進行を止め、削った後に人工物をいれることで機能回復をする「修理」しか方法がありません。
修理による歯と人工物の境目は構造的に弱く、再発を起こしやすい場所です。歯を失くされた大人の方の治療歴を伺うと、ほとんどの方が最初の小さな虫歯から何度も治療を重ねる歯の転落が始まっています。
大切なことなので繰り返しますが、治療してない、削ってない歯が一番虫歯になりにくいのですから、できる限り虫歯にしないこと、虫歯になったとしても可能な限り小さいうちに治療することが望まれます。
まだ日々の適切な歯磨きが獲得できていない、また歯質や生活環境などから虫歯感受性が高いこの時期をいかにして乗り切るかが、大人になった後までも左右する非常に大事なことなのです。

子供の虫歯治療について

子供の虫歯治療

虫歯の治療自体は大人の治療と変わりはありません。
しかし先ほど述べたお口が小さいこと、治療を嫌がる・怖がる・長時間じっとしていられないなどの治療に対する協力状態が劣れば治療が困難になり、確実性も劣ってしまう可能性があります。
こうした問題を避けるために、治療が必要になる前に歯科医院に慣れる目的で予防や検診のために歯科医院を訪れ、怖くない場所であるということを感じてもらうことが大切だと思います。
子供の虫歯治療は虫歯予防から始まっていると言っても過言ではないでしょう。

虫歯治療の流れ

先ほどもお話ししましたが、まずは治療になる前に歯科医院に慣れておく必要があります。
基本的に治療自体は大人と変わりありません。

虫歯の有無や歯並び、噛み合わせ、歯磨き状態などを検査させて頂きます。場合により食生活などを伺うこともあります。子供の虫歯は進行が早く治療時期を見誤ると大きな虫歯になる反面、安易に削れば将来の再治療リスクにつながります。そのため検査項目で述べた事柄や虫歯になりやすさなどの個人差を参考にして、治療時期を慎重に見極める必要があります。
極小さい虫歯は基本的には麻酔をしないで行います。
当院では極細の針を使ったできるだけ痛みの少ない麻酔を行ってはいますが、子供は特に恐怖心による治療への非協力を起こしやすいため、大人以上に痛みや恐怖、不安に対して気をつけています。

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子供の矯正治療について


歯並びが悪いと様々なことに影響します。
歯並びが悪いことは見た目だけの問題ではありません。噛み合わせも悪く、噛み切ったりすり潰す咀嚼能力の低下、発音に影響を及ぼすこともあり、虫歯・歯周病・あごの関節の病気(顎関節症)にもかかりやすいなど色々な問題と関わってきます。最終的には歯の寿命にも密接に関与しています。
この悪い歯並びと噛み合わせを歯を削らないで修正できるのが矯正治療です。

大人になってから矯正するより、子供のうちから矯正を行う方がはるかにいい結果をもたらします。
歯が並び切らない大人は現状のあごの骨の大きさに歯を収める必要上、抜歯して歯の本数を間引く場合がありますが、子供では歯の受け皿となるあごの骨が成長発育で大きくなる、または矯正治療で発育量を増やすことができます。その結果矯正治療で抜歯が必要なケースが少なくなります。
このように子供の場合はその子の顎の発育を助け、将来起こるであろう不正な歯並びを作らないようにコントロールできる可能性があることがメリットです。
予防も、治療も、矯正も、子供の場合は問題が起こってから行うより、起こる前に行動するのが長い目で見て得策です。将来歯並びが悪くなることが予想されるのであれば、矯正をされることをお勧めいたします。その歯並びを一生持っていけるからです。

矯正治療の詳細は「矯正歯科」、噛み合わせの詳細は「噛み合わせ」をご覧ください。