インプラントの失敗、インプラントは危険?

インプラントの成功率について

インプラントの成功率について

治療前のご相談の際に時々インプラントの失敗についてお尋ねがあることがあります。 その時の「失敗」という単語に少し違和感を持っています。 
インプラント治療の成功率は一般的に95~98%といわれています。言葉の上で成功の反対は失敗ですから、残りの2~5%は失敗と思われがちですし、また言葉は意味だけでなく感情を表現するものでもあります。

「失敗」を辞書で引くと「方法がまずかったり情勢が悪かったりで、目的が達せられないこと」「やりそこなうこと、目的を果たせないこと、しくじり」とあります。この言葉は結果を表現したもので原因に触れた言葉ではありませんので原因が努力で避けられたかどうかを表現してはいませんが、言葉の持つ感情では「何かが足りなかった」「どちらかといえば何とかできたはず」というようなマイナスの感情を含んで私たちは使っているような気がします。

私たちは一般的にお金を支払って物やサービスを購入しています。一人の個人はその時は購入する側であっても、次の機会では提供する側に回ることで個人と個人がつながり、世の中全体、社会全体がお金を媒体に助け合う構造になっていることをご存じだと思います。 
しかし一方でお金を支払ったのだから要望がかなえられるのは当然。要望をかなえるとこを明言して仕事として引き受けたのだから当然。ですからそれに反して期待外れな結果になれば失望や怒りになることもあります。この気持ちはよく理解できます。

先ほどの100%からインプラント成功率を差し引いた数%は失敗と思われるでしょう。目的を果たせなかったのだから結果論的には失敗にあたるのかもしれませんが、治療を受ける側の感情的にはそうであっても治療側からはそう言い切れない部分があります。
インプラントの際に術後の感染や骨や口の中の環境、かみ合わせや癖などの条件が悪い症例においては現代の医療では不成功が少数割合出現することを避けようがない事実があります。
私たちから見れば失敗とは何らかの人為的ミスというイメージが強く、ベストを尽くしても助けられないものが少数存在してしまう、これが治療側から単に失敗と呼ぶことに抵抗感を感じてしまう理由です。

またインプラントの生存率は100%ではありません。 言葉の上では100%や完全、完璧などという言葉は存在しますが、私たちの身の回りを見渡すと現実的にはそうでないことも多く、残念ながら物事にリスクはつきものとご理解いただくしかありません。
飛行機が100%墜落しないと断言することは過去の事実からしてもできませんが、リスクとして乗らないかどうかは個人のお考えなのだと思います。 冒頭に述べたインプラントの生存率が95~98%という数字をどう捉えるかも皆様のお考えに委ねたいと思います。 

またインプラントにまつわる一部の悪いニュースなどはそのこと自体は起こったことでしょうから否定はしませんが、この後の「インプラントは危険?」に書いたように本当の実情は世間が驚く話ではないためかニュースにならないのではその物を正確に判断できる情報ではないと感じています。

私の知る限りでは大多数のインプラントは、今も残った歯を助け、その歯の寿命を稼ぎ、そして歯を失ったことを忘れるくらい口の中が快適で毎日の食生活を豊かにする手助けをしています。
歯をなくされてお困りの方は勇気を出してご相談ください。私たちはインプラント以外の選択肢も含めたあなたにとって最適な方法をご提案できると考えています。

インプラントは危険?

インプラント治療で患者さまから「失った歯がよみがえった!」 、「硬いものでも何でもかめて幸せ」「歯を失ったことを忘れてしまう」といわれたことがあります。
またインプラント治療をお受けになられて、硬い物でも食べるものを選ばず、口元を気にすることなく、誰とでもどこにでも出かけられる自由、そんな充実した食生活を送っておられる方々が大勢いらっしゃるのも紛れもない事実です。

このようにインプラントは現代の歯科治療において、歯をなくした場合の有効な治療法の一つであることは歯科界では常識となっていますが、 一方では悪いニュースも流れてきます。どうしてなのでしょうか。

インプラント治療は本当に危険なのでしょうか

インプラント治療は本当に危険なのでしょうか

インプラントの代表的な誤解「インプラントは危険だ」という考えについてご説明いたします。
医科・歯科を問わず外科治療には危険が潜んでいることは事実です。インプラントの生存率は95~98%です。この数字をどう受け止めるかはさておき、数%は骨とくっつかなかたりして本来の機能を果たすことなくなってしまいます。

しかしその数%が危険なことに遭遇している訳ではありません。失った歯の代わりをできなかった数字です。 骨が十分に残っていて骨の状態もよく非常に簡単な症例から骨の幅や高さが乏しく難しい症例までいろんなケースがあります。そのすべてのケースで現在のインプラント手術は以前よりかなりシステム化されており、基本を忠実に守れば危険は避けられるようになっています。

以前は先進的な一部の歯科医院で経験豊富な歯科医だけが適応症だけに絞って慎重に行っていました。近年世間にインプラント治療が認知されるに従って一般的になりすそ野が広がっています。
悪いニュースからは十分な検査や計画を立てずに、また清潔な環境に配慮しないで手術に臨んでいる状況も見て取れます。 インプラント手術も一般の外科手術と同じように、術前の正確な診断と治療計画、手術中の清潔な環境と注意深い適切な治療が必要です。こうした安全のために基本を忠実に守るには時間と手間、経費がかかりますが、長い目で見れば近道になると私は考えています。
患者さん側にもご理解いただきたいことがあります。
それは費用を抑えるためにこれらを簡略化することがメリットになるのか、世間では安いには理由があるのが一般的であるという点です。当院では必要なものは実施すると決めて安全を犠牲にしない方針を取っています。

診断機器も以前より進歩しています。パノラマと呼ばれる従来の2次元レントゲン画像では立体的な人体の奥行きを判断することができず、勘と経験に頼る手術になります。報道にあるように外科手術は危険と隣り合わせなので安全と確実な治療のためには立体的に正確な状況を知る必要があります。
そのためには歯科医院で最も高額の医療機器ですのでまだまだ普及率は低いのですが、奥行きまで把握できる3次元CT装置がインプラント手術には必須です。 

さらに計画時点のCT撮影だけでなく、計画通りに正しく手術が進行しているのかを把握する目的で手術中にCT撮影することが安全のために特に重要だと私は考えています。そのためには院内にCTが必要です。手前みそになりますが2ヵ月毎に開催されるインプラント研修会でその必要性を発表したところCTを導入したり術中に確認する先生方が増えました。
患者さんだけでなく術者も安全が何よりなのです。

インプラント治療と適切・確実な診断と治療

また勘に頼った治療でなく、手間と時間がかかっても正確に削る位置をガイドする装置をオーダーメイドで手術の度に作っています。 
このように時間や手間を惜しまず基本に忠実に、注意する箇所や問題点は事前と術中にCT撮影して確認すれば危険は十分回避できると私は考えています。都度確認しながら慎重に行えば一部報道にあるような危険とは無縁であることをこれからも実践していくつもりです。 先ほど述べた手術の基本を守りさえすれば、一般的な統計では治療10年後の成功率の平均は95~98%程度と高いものです。

一部の報道は広くたくさんある事実の一部であることは事実でしょう。しかし一面だけ切り取った情報は象のしっぽで象そのものと勘違いするきらいがあります。全体を見て判断していただきたいと思うのが正直な感想です。 
まだ当院で治療をお受けになられたことのない方から時折不安やご質問を頂きますが、当院での体験者のご感想にあるように体験された方々からはそうしたお話しを伺った事がありません。
多くの過去に治療を受けられた方々から次回もご依頼を受けることからもお分かり頂けると思います。


またよく聞かれる誤解に「インプラントをすれば医科でMRI検査を受けられなくなる」があります。 
詳細を「インプラント」ページに記載いたしましたのでご興味がおありの方はご覧ください。