歯の健康と金属アレルギー(重金属汚染)

病気にかからなければ治療は必要なくなります。
二度と手に入らない歯を守れるだけでなく、治療に費やす費用、時間をもっと有意義なことに使うことができます。
健康を維持するために、当院からのご提案ページです。
<<目次>>
老化と歯
運動は歯を守り歯周病・虫歯予防に
食事と運動
   ・運動と肥満
   ・毎日の食事をみてみましょう
   ・筋肉量の維持が大切
   ・軽い運動で健康に
   ・歯周病・糖尿病と運動
   ・どんな運動がいいの?
実年齢よりも気持ちが若い人は長生き
健康とアンチエイジング
   ・老化とアンチエイジング
   ・アンチエイジングの本質
   ・生活習慣病と食や水
   ・ストレスと歯
重金属汚染
   ・気づかない身の回りの重金属汚染
   ・歯科と重金属汚染
   ・ご自分の重金属汚染レベルを知るには?
   ・重金属のデトックス
金属アレルギー
   ・アレルギー について
   ・金属アレルギーとは
   ・金属アレルギーのお話し
   ・歯科と金属アレルギー
   ・歯科用アマルガムの不安
   ・金属アレルギーから身を守るには
   ・金属アレルギーと歯科治療
食とアンチエイジング
  

老化と歯

老化と歯

アンケートによると年齢による衰えを感じるのは、目、歯、性の機能の衰えや物忘れが多くなっています。年齢の「齢」という字に「歯」が使われていることから、大昔から歯は老化の象徴だったのかもしれません。歯は噛むこと以外にも私たちの生活に多くの貢献をしてくれています。
一例を挙げれば、歯がたくさん残っている高齢者は、医療費が少なく健康であり生活の質が高く活動的で運動や視聴覚機能が高い傾向にあります。人生の先輩方に伺うと、若かりし時の色々な欲はなくなっても食欲だけは残り、唯一の楽しみというご意見が多く寄せられてきます。
老化の象徴であるからこそ、できるだけ多くの歯を人生の最後まで残し楽しい食生活を送っていきたいものです。

運動は歯を守り歯周病・虫歯予防に

以前に歯周病と関わりのある糖尿病の検査項目であるHbA1cが運動療法によって低下したり、1週間に3時間以上早足ウォーキングを行うと前立腺ガンの進行リスクが半分以下に低下することをお話ししました。
歯科の立場から肥満や生活習慣病のお話しをするのは、歯周病が生活習慣病の一つであるだけでなく、人の体は一物一体としてつながりをもっていると私は考えているからです。

現代の西洋医学は臓器別医療の形態をなしていますが、東洋医学的な身体全体の視点が必要ではないかと思っています。事実歯周病と糖尿病との関係は強く、糖尿病が歯周病のリスクとなり歯周病が糖尿病のリスクとなることがわかっています。

歯を失う2大疾患がむし歯と歯周病です。学会ではまだ認められた説ではなく私見ですが、これらの病気には歯にかかるストレスと循環障害が背景の一部にあるのではないかと考えています。

食事と運動

ダイエットや減量の話題で運動について語られることが多いのですが、 生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防や治療にも運動が必要だといわれていることはご存知のことと思います。 運動と食事についてお話ししてみます。

運動と肥満

運動が重要視される背景には運動の効用や身体のメカニズムが明らかになってきたことに加え、 現代人の生活が便利、簡単、楽、を求めた結果、体を動かさなくなったことがあげられます。 
しかし健康や美容を考える上で、運動だけでなく食も含めて考える必要があります。 それは食(エネルギー摂取)-運動(エネルギー消費)=脂肪(エネルギー蓄積)という式が成り立つからです。 
運動の効用はエネルギー消費だけでなく健全な身体を維持するために大切なことですが、 運動の継続は大変な上、運動だけでの減量も大変だからです。 

毎日の食事をみてみましょう

厚生労働省の発表した1日の食事摂取基準では50歳の女性で1950kcal、男性で2400kcalとなっており、 最適な総カロリーは標準体重×30~35の式で計算することができます。

夫婦二人の一日の摂取カロリーをファミリーレストランでのメニューから計算してみました。 
朝食は夫婦二人ともサンドイッチ1095kcal、昼食はせいろ蕎麦299kcalを食べたとします。 
妻の夕食は前菜にツナと野菜のサラダ118kcal、コーンスープ233kcal、オムライス1045kcal、 食後フリードリンクでアイスカフェオレ112kcalとデザートにチョコレートケーキ216kcalを食べたとしましょう。 
夫の夕食は食前に中ビンビール1本220kcalとつまみにフライドポテト354kcal、 メインはエビフライ付きハンバーグ950kcalとライス336kcal、食後はコヒー5kcalだったとします。 

1日のカロリー合計は妻は3118kcal、夫は3259kcalとなり、先の基準値からみると妻は1168kcal、夫は859kcalものオーバーです。 
体重50kgの人がゆっくり32分歩いて80kcalの消費です。 2時間半で42.195km走るフルマラソンでさえ2400kcalしか消費されないのです。 このオーバー分の消費には妻は7時間47分、夫は7時間27分のウォーキングが必要です。 1日でも大変なのに、毎日となるととても実行不可能です。 

結局はこのカロリーオーバー分が脂肪となって身体に蓄積するのです。 脂肪の重さに単純に換算すると年間で妻は約47kg、夫は35kgにもなります。 日常生活で消費する分を差し引いたとしても脂肪による体重増加は避けられないでしょう。 
この結果が内臓脂肪や肥満からくるメタボリックシンドローム、高脂血症、糖尿病、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、 脳梗塞などの生活習慣病につながります。 
いかに過剰に摂取するエネルギーを消費するのが大変かおわかりいただけたと思います。 ご存知の通り、要は食べ過ぎないことなのです。 

筋肉量の維持が大切

加齢により酸素運搬能力の低下や筋肉量の減少などが起きて最大酸素消費量が減少します。 また細胞内のエネルギー産生に関わるミトコンドリアの能力や数も減少し、成長期を境に年間1%づつ筋肉が萎縮していきます。 運動習慣のない人はさらに筋肉萎縮が加速されます。
一方で1kgの筋肉量増加は約4ヶ月で1kgの脂肪を消費・減少させる力があります。 筋肉量を維持・増加することによって高い基礎代謝量を保つことがカロリーオーバーを防ぐ二つ目の方策です。 


人は急に歳をとるものではなく段々と老化していきますから、 自分の毎日のほんの少しの変化の積み重ねや、筋肉量の減少、基礎代謝量の減少に気づかず、 ついつい昔のままの食生活を送りがちです。 
ここにカロリーオーバーの罠が潜んでいますのでご注意下さい。 
昔から腹八分目というように、何事もほどほどがいいようです。 

軽い運動で健康に

運動によって死亡率や糖尿病、高血圧、脳卒中、心疾患などの病気の発症率が下がることはよく知られています。

台湾で最近行われた41万人を対象に平均8年間追跡調査した結果から興味あるデータが読めます。
一週間92分の運動で運動しない人に比べて全死因死亡率が14%低く、平均余命が3年間長くなっています。
そして運動時間の延長に伴い死亡率がさらに下がっていく傾向にありました。

運動をする習慣のない方は、運動というとハードなトレーニングを想像して気おくれしてしましますが、通常推奨されている週150分に満たない運動でも効果があるようです。

歯周病・糖尿病と運動

現在成人の80%が罹患し、歯を失う原因の80%を占めるのが歯周病です。歯の寿命を長く、また充実したそして快適な食生活を送る上で決して無関心ではいられない病気です。
さらに歯周病は糖尿病や心臓疾患などの生活習慣病と関わりがあることが最近わかってきました。そのうちに寿命を縮める病気といわれる日が来るのかも知れません。

60日間の平均血清グルコース値であるHbA1cは糖尿病患者の血糖コントロールの評価で使われますが、プログラミングされた運動は、自分で決めて運動するよりも血糖の抑制に効果があることが最近わかりました。運動が血糖値抑制に効果があることは以前からいわれていますが、多くの人にとって自分で一貫性と継続性を持って必要な量の運動を続けることがなかなか難しいのです。

研究リポートでは有酸素運動で0.73%、1週間の運動量が150分以上で0.89%、運動と食事のアドバイスを受けた場合で0.58%、HbA1c(正常値4~6%)が低下しています。
いいことはわかっていても、楽しくないことや楽なことでなければ続かないのが人間です。専門的なプログラムを作ったり、第三者の目を借りたりする工夫が有効なようです。

どんな運動がいいの?

ここまでむし歯と歯周病予防に運動が効果的だとお話ししてきました。 どんな運動が最適なのでしょうか。
その答えは「有酸素運動」です。
有酸素運動とは、身体にある程度の継続した負荷をかけることで体内の糖質や脂肪が酸素とともに消費される運動です。
体重の減少や胴回りが細くなる効果も実証されており、慢性疾患、糖尿病、心疾患やメタボリック症候群の予防効果があります。

健康のための有酸素運動の秘訣は「決して息切れしないようにすること」ですから、必ずしもマラソンやハードな運動をする必要はありません。早足ウォーキングで十分です。
「今のご自分の体力に合った運動をできる時間だけ行うライフスタイイルを持つこと」、これがどうやら歯と体の健康の秘訣のようです。

皆さんは何か運動をなさっているでしょうか?「健康とアンチエイジングのためにウォーキングをしましょう」とよくいわれます。その目標は1日1万歩です。それで4%血圧が下がったという報告もあります。
私も万歩計をしばらくつけていた時期がありますが、毎日1万歩は結構ハードルが高いものですね。同じ報告でエアロバイクやランニングマシンなどの有酸素運動では10%の血圧低下でした。

ウォーキングは自分でペース配分できるため軽めの運動になることが多いため、段々と早足でのウォーキングがお勧めです。運動量が約2倍に増えます。

趣味にスポーツをお持ちの方以外は長続きしないのが運動です。調査によると面白いことに人間ドックなどの検査で引っかかり運動を始めた人より、普通に働いている人で自分の身体のケアのためにジムに通う人は長期間通い続ける傾向にあります。この結果からも人は嫌々することは長続きせず、何らかの目的や楽しみを見いだすことができれば継続できるようです。ウォーキングと思わず、通勤で歩いてみる、駅からの帰路を運動でなく自宅に帰る手段と考える、エスカレーターでなく階段を使う、歩くことを散歩と考えるなど人それぞれの工夫で運動に対する感じ方は変えられると思います。

私は早足ウォーキングをお勧めします。一人でも、いつでも、どこでもできますし、何も準備することなくできる手軽さ、景色や場所が変われば気分も変わります。また普通に歩くより消費カロリーはうんと高く、ジョギングなどの強い有酸素運動のように活性酸素の発生が高くなく、膝などへの負担も小さいことがお勧めする理由です。

実年齢よりも気持ちが若い人は長生き

人の年齢にどんな意味があるとお考えでしょうか。選挙権や運転免許などの取得可能年齢は公平性の見地から法律で決まっていますが、この実年齢は一定の年齢以上では意味が薄れてきます。久しぶりに会う同窓会のように実年齢は同じでも老けは個人的です。

英国の研究によると、実年齢平均66歳に人々に「自分を何歳だと感じるか」と尋ねたところ、被験者の3分の2超が実年齢より3歳以上若いと感じ、約4分の1が実年齢、約5%が1歳以上高齢だと感じていました。平均値では自分は57歳と感じていることになり、9歳もサバを読む結果でした。人は若くありたいと思うものですし、身体の老化に気持ちがついていけてない結果なのかもしれません。

またその後8年間で実年齢より高齢だと感じている人の約25%、年齢相応に感じている人の約19%、若いと感じている人の約14%が死亡していました。高齢だと感じている人の死亡リスクは若いと感じている人よりも41%高く、高齢だと感じている人の心臓関連疾患による死亡は若いと感じている人の2倍以上、さらに実年齢よりも3歳以上若いと感じている高齢者は、実年齢と同じか高齢だと感じている人に比べて8年間での死亡率が低かったとしています。

まだ確実なものではありませんが、「気持ちが若い」人は長生きする可能性が高いようです。
先ほど歯は老化の象徴として昔から扱われてきたと申しましたが、逆から見れば歯をたくさん残すことが若さの秘訣になるかもしれません。
歯を多く持つ人は噛む能力に優れて食生活が豊かであることや、1日3回1年365日これだけ多くの美味しいという快楽を持つことが心にも体にもプラスでないはずがないのです。百寿者と呼ばれる百歳以上の高齢者の共通点は、よく笑い、よく食べることから百寿者がその証明者なのだと思います。

健康とアンチエイジング

食とアンチエイジング

食は生きるためだけのものではなく、どう生きるかということに密接に関わっています。昔から医食同源と言われているように、何をどう食べるかでこれから先の人生や健康を左右するほど大切なものです。
食べるためには歯が必要です。また噛むという行為自体が消化する目的だけでないことが最近の研究から明らかになってきています。
そうした理由から歯科の果たす役割を考えると、食を避けて通れないのです。歯科の立場からお伝えしたい食とアンチエイジングです。

老化とアンチエイジング

老化とアンチエイジング

老化の原因やメカニズムにもいくつかの理論がありますが、キーワードは「生活習慣」「食」「抗酸化」「免疫と内分泌」です。
それ以外にもアンチエイジングを考える上で重要なものに酵素の余裕・貯蓄、それに腸内での腐敗から発生する毒素や血液中に含まれる有害物質の解毒(デトックス)があります。

私達の身体は常に活性酸素やフリーラジカルの攻撃にさらされています。
食や環境の悪化だけでなく、ストレス、呼吸で酸素を体内に取り込むこと即ち生きること自体でもフリーラジカルなどは発生します。

こうした酸化反応による老化や病気から身を守る抗酸化手段があります。それは体内で働く抗酸化酵素と、よく話題にのぼるビタミンEやC、コエンザイムQ10、ポリフェノールなどの抗酸化物質です。

身体を酸化させる力からこうした抗酸化手段を差し引いたものを酸化ストレスといい、これを限りなくゼロに近づけていく食や生活習慣が疾病予防とアンチエイジングにつながります。 

死因のトップは癌、次いで心疾患、脳血管障害と死因の三分の二を占める生活習慣病が続き、第四位が感染症となっています。高齢者では、感染症は第一位です。
感染症は免疫力と反比例する関係にありますが、加齢と免疫力も反比例します。

免疫機能は20歳を過ぎた頃から低下し始め、40歳代では最大時の50%、70歳代では10%程度にまで低下してしまいます。このことが高齢者の感染症の増加につながっています。また、成長ホルモンの分泌低下や胸腺の萎縮、DHEAホルモンの分泌低下などの内分泌系変化も老化によって起こります。

アンチエイジングの本質

アンチエイジングの本質

総人口が減少に転じ、少子高齢化社会になった日本。65歳以上の高齢者は、2020年では国民の4人に1人、2050年には国民の3人に1人になると予想されています。2010年時点で55歳以上の方はこうした時代を生きることになります。

一方、快適で豊かな人生を送る、質の高い毎日の生活を送る、そうしたことを底辺で支えるのが、『健康』であることに疑いはありません。

アンチエイジングとも関連のある糖尿病、動脈硬化、肥満、歯周病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームが話題に上っていますが、病気の予防だけでなく、QOL(生活の質)を低下させず健康で充実した生活を送ることのできる健やかな身体であることが、最大の財産になる時代が到来したといっても過言ではないでしょう。

年齢を重ねるに従って、身体の活力や抵抗力が衰え、病気との距離が近くなることが多いものです。
反対に元気であるということは、身体に活力や抵抗力があり、気持ちも充実すること、すなわち若かりし日のあなたです。アンチエイジングの本質がここにあります。
歯の老化は全身の老化と切っても切れない関係にあります。
全身と関連させながら歯のお話をしてみたいと思います。

生活習慣病と食や水

歯科と生活習慣病

高脂血症、動脈硬化、高血圧、心疾患、脳卒中、脳梗塞、糖尿病などを以前は成人病と呼ばれていましたが、これらは毎日の生活のありようと因果関係が深く現在は生活習慣病と呼んでいます。
日本人の死亡原因の三分の二になっている病気です。このように生活習慣病は現代の日本人にとって無視できない病気ですが、口の中の健康にも関係があることが次第にわかってきました。

こうした梗塞や動脈硬化、高脂血症、高血圧などによる末梢血管の循環不良・血流量の不足により、歯科領域ではあごの骨や歯、特に歯肉へ流れ込む血液量が減少します。
組織の血流量の減少は栄養素や酸素など組織の栄養が減少するだけでなく、組織でつくられた老廃物を運び出してくれなくなります。
このためその組織の健康が維持できなくなり、免疫力の低下を招き病気にかかりやすく、また病気からの回復力を奪ってしまいます。

このような生活習慣病は、末梢血管が分布する歯周組織で起こる歯周病、その治療と予防の障害にもなると考えられます。
喫煙は血管収縮を伴い、血流が悪くなるため歯周組織の血液循環不良を招き、これも歯周病にとってマイナス因子となります。
また糖尿病は免疫力の低下を伴う病気であるために歯周病に罹りやすく、また歯周病治療の妨げになります。

歯周病の治療には歯ブラシなどの丁寧な清掃は欠かすことができませんが、こうした末梢血管の循環障害や免疫力の低下を起こす生活習慣病の状態では、清掃だけの力では治りにくいのが現状です。歯周病も生活習慣病の一つなのです。

生活習慣病と食や水

高脂血症、動脈硬化、高血圧、心疾患、脳卒中、脳梗塞、糖尿病などを以前は成人病と呼ばれていましたが、これらは毎日の生活のありようと因果関係が深く現在は生活習慣病と呼んでいます。日本人の死亡原因の3分の2になっている病気です。
生活習慣病は口の中の健康にも関係があることが次第にわかってきました。

私たちは今、水や食の汚染、環境汚染など多くの問題を抱えた時代に生きています。 私たちの生命をつなぎとめる大切な『食』、そこにも汚染や食材自体の栄養素の低下が見られます。

食と水

私たちは今、水や食の汚染、環境汚染など多くの問題を抱えた時代に生きています。
私たちの生命をつなぎとめる大切な『食』、そこにも汚染や食材自体の栄養素の低下が見られます。
ほとんどの化学肥料は作物の成育には必要なくとも人間の栄養に必要なミネラルを土壌に戻さないため、土壌の質は現代農法によって低下してしまいました。
現在では以前の栄養価と比べて格段の低下、ひどいものは栄養価ゼロという食材まで出てきました。

一例をあげますと、ほうれん草では、1950年から2000年の50年の間に、ビタミンCがわずか23%、鉄分は15%になっています。
私たちの食物はこれまで信じてきたほど栄養価が豊かではなく、人間が都合よく頭で農法の合理化を考えるほど現実はうまくいっていないようです。

そして除草剤や殺虫剤などの農薬もそれに追い討ちをかけています。
さらに食品として我々の手元にくる前に好ましくない化学物質が収穫後や加工の際に商品価値のためだけに使われていることもあります。

日本の厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬局(FDA)が多量摂取の懸念から食品含有量の表示を義務付けたトランス脂肪酸、獣肉などに含まれるオメガ6脂肪酸、EPA、DHAでおなじみの魚類に含まれるオメガ3脂肪酸などの脂質や、人体の酸化ストレスから身を守る抗酸化食品などが健康上の話題にのぼっていることはご存知のことでしょう。

現在の日本では、『食』の西洋化に伴い、肉食化が心臓病やガンなどの台頭を許しており、病気までもが西洋化してしまっている傾向が見られます。こうした現代の食生活が、日本人の3人に2人の死因になっている高脂血症、動脈硬化、高血圧、心疾患、脳卒中、脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病を生みやすくしています。

食材のほかに、食を支えるもう一つなくてはならない大切なものがあります。
それは、水です。最終的な栄養素の運び手であり、同時に老廃物を体外に捨てる体の清掃役を担っているのが水なのです。

人の体に占める水の量は約6割、人の大半が水なのです。
水が不足するということは、単なるのどの渇きの問題でなく、生命の基礎となる細胞の中の水が不足する深刻な問題なのです。

健康やアンチエイジングを考える上で、現代人は水の摂取が少ない人が多いといわれています。水はミネラル、栄養素、さらに汚染物質まで何でも溶かし込む媒体として働きますから、その水の中身は大いに気になるところです。

このように危険にさらされている『食』がある一方で、『おいしい!』も人の幸せを演出する大事な『食』の一面です。お腹一杯食べたいと国民みんなが思っていた戦中戦後からわずか半世紀で、日本のフードマイレージは世界一になるほど、日本人の食は贅沢になっています。
このように飽食の時代といわれて久しいのですが、何を、どのように食べるのかを考えなくてはならない時代に入っているようです。

サプリメントに関する関心が高まっています。
しかしそれは適切な食事の補完程度にお考えになられるといいと思います。

健康でアンチエイジングにつながる食事とは、精製された米や小麦を減らすこと、獣肉を減らすこと、砂糖の摂取量を減らすこと、悪い油を摂らないこと、食品添加物を減らすこと、加工食品を減らすこと、その一方で精製されていない玄米などの穀物を主とし、有機栽培された野菜や果物を食べ、食物繊維を増やすこと、適度のよい水を飲むこと、定期的に適度の運動をすること、ストレスの管理に努めること、こうした食や水、生活の改善が第一優先です。

ストレスと歯

ストレスと歯

歯を噛みしめたり食いしばることが原因で歯を失うことをご存知でしょうか。
他院で原因不明と診断され来院される歯と歯茎の痛みの一部も食いしばりが原因です。こうした行為は虫歯や歯周病の一因となるだけでなく、歯やインプラント、入れ歯などの寿命を短くし、痛みなどの症状で日常生活の質を落とすことにつながります。

こうした食いしばりなど歯同志を接触させる行為の原因の一つがストレスです。「歯を食いしばってガンバレ!」というようにストレスは歯を噛む行為につながっています。

ストレスに関する詳細は「ストレスと歯」、歯の食いしばりの詳細は「歯ぎしりと食いしばり」「歯が痛い」「歯と歯茎の痛み」をご覧ください。

重金属汚染

アンチエイジングや長寿に関係すると考えられているものの一つが酵素です。それと並んで大切なのが、体内で発生する活性酸素などのフリーラジカルの中和、カロリー制限などの老化防止理論、腸内での腐敗から発生する毒素や血液中に含まれる有害物質のデトックス(解毒)です。

歯科と強い関係がある重金属汚染と金属アレルギー、そのデトックス、これらのことをもっと知っていただき、健康で若々しい生活に役立てていただけたら幸いです。

気づかない身の回りの重金属汚染

近年の花粉症の増加など最近のアレルギー疾患の増加に伴って、金属アレルギーに対する関心が高まってきています。
また身の回りを取り巻く食や環境の悪化に伴う重金属汚染にも、私達は注意をはらう必要があります。日本人の食生活に密接な魚介類に蓄積した水銀の摂取や大気汚染による鉛汚染、喫煙や間接喫煙によるカドミウムの問題も指摘されています。

歯科領域でも歯に詰めたアマルガム(水銀化合物)からの水銀や、金属が腐食する(サビる)ことによる金属の口の中への溶け出しなど、身の回りで起こる重金属汚染や金属アレルギーも問題となっています。
汚染度が少なく、単にミネラル分が豊富という理由でミネラルウォータ市場が活況ですが、こうした有害な重金属ミネラルは区別しなくてはなりません。

朝日新聞の朝刊一面記事に衝撃的な記事が載っていました。「公園の土や砂 鉛で汚染」と題した記事で、「80年代中ごろまで自動車の排気ガスに含まれていた鉛化合物が、街のなかに点在する都市公園の土や砂場に降り積もり、現在でもその汚染が深刻な状態になっていることが、東京大学と国立環境研究所の研究で分かった。汚染度の高い公園で幼児が遊んだ場合、許容量に匹敵する量を体内に吸い込むおそれもある。交通量が多い都市部を中心とした全国調査や汚染度の高い表土や砂の取り換えなどが必要である」との内容でした。
また、1500年前のペルー人の骨の500倍の鉛が現代人に蓄積していたとする調査結果もあります。人間は便利な生活の代償として土や海、空気まで汚してきましたが、それが人間に戻ってきているサイクルになっているのです。

重金属汚染でよく知られたものは、工場から流出した水銀が魚に蓄積し、その魚を食べて発症した水俣病、工場からカドミウムが河川に流出して発症したイタイイタイ病、乳児のドライミルクに混入したヒ素によるヒ素ミルク中毒、狩猟に用いられる鉛散弾による水鳥などの汚染や環境汚染などが有名です。
和歌山で起きたヒ素入りカレー事件は記憶に新しいことでしょう。

厚生労働省からは、水銀の蓄積懸念から「妊婦は胎児への影響を考慮し、金目鯛などの摂取量を控えるように、マグロも同様に見直しの方向にある」と勧告が出されています。
これは食物連鎖の頂点にいる魚には重金属が蓄積されている可能性が高いことから、その摂取に対してその危険性の注意をしているものです。

江戸時代まではマグロといえばずけ、赤身のことでトロは捨てられていたそうです。その油っこさが嫌われていたようですが、肉食が西洋から入ってきてからの日本は味覚が変わったのでしょうか、現在の日本人のマグロ好きは有名です。
ほんの少し前は高級魚としてなかなか食べられなかったのが、現在は世界中からマグロをかき集め世界の約6割を日本が消費しているそうです。こうした汚染を考えるとたまに食べる高級魚でもいいような気がします。

また一部のイカなどの軟体動物やアワビやカニなどの甲殻類の内臓に高濃度のカドミウム蓄積が報告され、カドミウムはWHOによる発癌性報告もあることから問題となっています。喫煙ないし間接喫煙によるカドミウムの問題も指摘されています。日本人の食生活に密接な魚介類に蓄積したこうした有害重金属や汚染物質の摂取などが問題になっています。

先ほど述べた大気汚染、以前の鉛製狩猟用弾、塗料やガソリンに添加される鉛、などの鉛害も指摘されています。多量摂取で消化器障害や神経障害を起こすことがある鉛は、人の脳のIQにも深く関与するともいわれています。
保存されていた毛髪から多量の鉛が検出されたことから、ベートベンの難聴は当時甘さを出すために安価なワインに混入していた酢酸鉛が原因ではないかともいわれています。

また歯に詰めたアマルガム(水銀化合物)からの水銀の溶け出しや、口のなかに異なった金属が共存することによる金属の溶け出し、また安い金属が腐食する(サビる)ことによる金属の口の中への溶け出しなど、身の回りで起こる有害重金属汚染や金属アレルギーも問題となっています。

例え微量であっても長期間に渡って蓄積された重金属汚染は特段の症状もなく見過ごされがちですが、生活習慣病などとして発症することもあるといわれていますから、胎児や妊婦だけでなくすべての人の問題です。また不安定な重金属は酸化されやすいため、体内に蓄積されるとフリーラジカルの発生が増えて、老化を促進するといわれています。(フリーラジカルの詳細は別項を参照ください)

先進諸国の中でも日本は唯一の、肉より魚介類の摂取が多い国です。このことが世界一の長寿や健康寿命の長さの要因と考えられていますが、一方で近年の海洋汚染の影響で日本人の重金属汚染が進んでいる現状もあります。
しかし特に免役能力の保持に重要な蛋白質の摂取を考えると、畑の蛋白質を主としながらも、魚類の良質な蛋白質も必要です。世界的な狂牛病や鳥インフルエンザの発生による代用蛋白源として、また世界中で健康志向によるヘルシーフードとして魚の需要が増え、海洋資源の問題や輸入価格の上昇にみられるように魚への視線が熱くなっていることはご存知のことと思います。

また魚類は蛋白質だけでなくEPAやDHAなど必須脂肪酸の重要な摂取源でもありますから、魚類の摂取をやめることは得策ではありません。防衛策としてその産地を吟味し汚染度の少ない魚、特に一匹丸ごと食べられる小魚を選ぶことをお勧めします。

歯科と重金属汚染

重金属汚染と後で述べる金属アレルギーによる病態との違いを最初にお話ししましょう。
金属アレルギーは特定の金属に身体が特異的な反応をすることですが、人によりその反応が異なり同じ金属でもアレルギーを起こす人と起こさない人がいます。
一方、重金属汚染は個人差があるものの身体に蓄積した重金属が一定量を超えると、不特定多数の人に発症しやすいという違いがあります。重金属汚染の方がより多くの人の脅威になっているといえるでしょう。

歯科治療に金属をよく使うことはご存知だと思いますが、金属は見た目に良くないだけでなく、口の中という特殊環境にあることが問題を大きくしています。それは指輪などのように取り外しができず24時間、365日、常に体内に存在することです。
また口の中は風呂と同じく温度と湿度が高い環境です。風呂場に置いたヘヤピンがあっという間にサビることでおわかりいただけるでしょうが、口の中は酸化(サビ)やすく、さらに色々な違った金属がその環境内に同居することが拍車をかけて、金属アレルギーや重金属汚染につながりやすい環境にあります。

歯科的に問題になる重金属は化学的に不安定であったり、酸化・腐食しやすいために口の中で溶けやすい金属や、その金属自体にアレルギーを起こしやすい傾向のある金属です。ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、水銀、スズ、銅などがそうした金属ですが、地球上に多く存在するために安価である経済面や加工性の利点から古くから歯科用金属として多く使われてきました。

欧米ではこうした問題に早くから取り組んでいますが、健康保険財政面での困窮が原因なのか不明ですが、残念ながら日本では今も毎日多くの人の体内にこうした金属が埋め込まれていっているのが現状です。中には欧米では発癌の疑いがあるとして一定量以上の使用が禁止されている金属も日本では健康保険の適用になっています。

また、先ほど述べた水銀と他の金属の合金であるアマルガム治療もヨーロッパ諸国では規制対象になっているものの日本では 長らく健康保険の対象でした。最近やっと保険から姿を消しましたが、まだ多くの人々のお口の中に残っています。
水銀汚染によって潰瘍や舌炎、口内炎などの口の中の症状、湿疹、疲労、頭痛、視覚障害、胃腸障害、めまいなどの全身的症状がでることがあります。水銀は体内に入ると排出されにくく長期にわたり蓄積しやすいことがわかっています。

アマルガムは100年以上前から世界中で歯科材料として使われてきましたが、こうした人体と環境への汚染問題や新しい材料の開発により現在はあまり使用されなくなってきました。アメリカの厚生労働省にあたるFDIや日本の厚生労働省も問題はないとしていますが、口の中での唾液との反応や、噛むことや歯ブラシ時に少量とはいえ水銀蒸気やイオン化が生じて口の中に溶け出すという報告もあります。特に高温やかむ時に放出量が増大するといわれています。

また過去に詰めたものが欠けたり取れたりすることによる体内への侵入もあります。歯にアマルガムを詰めた動物実験では、水銀が血液、腎臓、肺、毛髪や爪などから検出され、水銀は胎盤や血液脳関門を通過可能なために胎児や脳からも検出されたという報告もあります、人体でもアマルガムの表面積と尿中水銀量とに相関があったとする報告もあります。

こうした汚染がほんの微量であっても、長い期間をかけて体内に蓄積することを考えると他に代用できる方法がある以上避ける方が賢明でしょう。こうした問題からアマルガムは最近あまり使用されなくなってきたようですが、ほんの少し前までは当たり前のように使用されていたため、お口を拝見するとたくさんのアマルガムを目にします。
アマルガムが口の中の潰瘍、浮腫、歯肉炎、口唇炎、舌炎、地図状舌、口腔扁平苔癬などの原因の一つとも考えられており、口の中以外にも皮膚炎、湿疹、水疱、胃腸障害を生じる可能性があるとも示唆されています。

ここで注意していただきたいのは、全ての重金属が有害ではないということです。鉄、亜鉛、コバルト、銅、マンガン、クロム、モリブデン、セレンなどは必須微量金属といい、身体に必要な量は微量ではあるものの成長や維持に必須であり、生体機能に欠くことができない金属です。
また老化の原因の一つと考えられている酸化ストレスに対して、生体内抗酸化システムにおいて重要な役割を担っています。不足すると味覚異常や貧血なども発症します。ただ「過ぎたるは及ばざるが如し」ですから多量には必要ありません。

ご自分の重金属汚染レベルを知るには? 

ここでいう重金属もミネラルです。人には必要なミネラルとそうでないものがあり、またその量も適切でなくては健康を維持できません。ミネラルが豊富だという理由だけで身体にいいものだと単純に考えがちですが注意が必要です。

では、重金属汚染蓄積の程度を調べるにはどうすればいいのでしょうか。
一般的には、検査が簡単にできて痛みの伴わない「毛髪検査」がよく使われています。頭皮に近い毛髪を150本ほど切り、特殊な溶液に毛髪を溶かして器械で分析する方法です。
分析結果により、重金属汚染の程度だけでなく、水銀、鉛、ヒ素などの体内の有害な物質の測定、また人に必要なミネラルの過不足も知ることができます。

ではこうした重金属汚染から身を守る方法はないのでしょうか?
まずはそうした懸念のあるものを口に入れないことですが先ほど述べた安全な食の選択以外にも、環境について関心を持ち、次に述べる重金属のデトックスを実践することです。

重金属のデトックス 

デトックスという言葉をお聞きになったことがあると思いますが、解毒の意味です。
蓄積した汚染重金属を体外に出すことも一つのデトックスです。
重金属の体外への排出方法をお話しましょう。

①  食物繊維を多く含んだ食品や、一日2リットルを目安としたきれいな水を摂取して汗や尿、便として排出する。

②  重金属の排出を助けるシステインを含むアミノ酸やサプリメント摂取による排出。

③    EDTA、DMSA、DMPSなどの合成アミノ酸(キレート剤)による排出。

前に述べたように、食物、水、空気、その他生活していくうえで接触する私たちを取り巻く環境の貧しさがあります。人体はこれを克服するため、解毒能力に過度の負担がかかり、いろいろな健康への問題が生じる可能性を否定できません。
その意味でも、私たちは『命』にとって大変危険な時代に生きているのです。こうした現状に対し、人の解毒力を補う目的で有害重金属の体外排出によるデトックス(解毒)や血管疾患の非侵襲的な治療法であるキレーション療法があります。

キレーション療法とは、点滴などによって投与された合成アミノ酸が重金属を結合して体内から排出する治療法です。その過程で活性酸素のようなフリーラジカルによる血管や組織への損傷を減らし、身体全体の血液循環を促進させるといわれています。
1950年頃のアメリカで鉛中毒治療としてスタートしたものですが、現在では動脈硬化症などの心臓・血管に障害がある場合だけでなく、重金属中毒や退行性疾患、眼科疾患、骨粗鬆症、慢性疲労症候群などの治療や多くの慢性疾患において、進行するリスクを減らすことができるといわれている治療法です。

血管は全身に張り巡らされているのですから、口の中にも当然関係があります。この治療法は医学界全般からまだ十分な評価はなされていないものの、アメリカでは心臓バイパス手術の代用として多くの手術が回避できる上に費用も数十分の一と安価な点が脚光を浴びています。
しかし現時点では治療に対する有効性をめぐり賛否両論があり、現在アメリカ政府による大規模な有効性の臨床検証が行われています。歯科領域では血液循環の促進から歯周病(歯槽膿漏)に、また有害重金属を体内から除去することから、歯科治療による重金属汚染の治療や、次に述べる金属アレルギーの軽減についても効果が期待されています。

金属アレルギー

アレルギー について

呼吸や心臓の動き、手足の動き、話すこと、考えること、こうした人間の動き全てが酵素の働きで行われています。言い換えれば、酵素なくして人は動きませんし、体内の酵素に余裕と貯蓄があれば病気にかかりにくく、アンチエイジングや長寿への道が開けます。
同じ目的で酵素と並んで大切なのが、先ほど述べた体内で発生する活性酸素などのフリーラジカルの中和やカロリー制限などの老化防止理論、腸内での腐敗から発生する毒素や血液中に含まれる有害物質の解毒です。

解毒(デトックス)とは体内に入った有害な物質や毒素を体外に排出することですが、一番大切なことはそうしたものを体内に入れないことです。このことは別冊「食とアンチエイジング」で述べましたが、現在のように環境汚染の進んだ中で生活している以上、知らぬ間に食品や水、空気などから取り込んでしまう汚染物質を100%完全に遮断することは現実的には困難でもあります。
さらに人の体には日常生活の結果として有害な物質が自然に作られます。
人により程度の差はあるとしてもこれは避けようのない事実です。

膀胱や腎臓、肝臓、大腸、気管、リンパ、血管などを対象とした解毒法があるようですが、実際の解毒に関しては医科の領域であるため詳しくは対応している医師にご相談ください。その中で歯科と関わりがある重金属による汚染の解毒については、この前に述べた重金属のデトックスで軽く触れますので参照ください。

2005年は杉花粉の飛散量が例年の30倍ともいわれ、花粉症に悩まされた人にとっては、つらい年であったことだと思います。こうした最近のアレルギー疾患の増加に伴って、金属アレルギーに対する関心が高まってきています。
しかし、他の疾患と区別がつきにくいため、難治性の皮膚炎と誤解されることもあります。一度起こしてしまうと、その程度によっては日常生活もままならなくなることすらあります。NHKのクローズアップ現代をはじめ、雑誌などでもよく取り上げられていますのでご存知の方も多いことでしょう。

金属アレルギーとは

どうして金属アレルギーが起きるのでしょうか?そのメカニズムをみてみましょう。
その人にとってアレルギーを起こす特定の金属に接触すると、金属がイオン化という目に見えない程度溶け表皮蛋白に結合し、アレルギーを起こす完全抗原になると考えられています。
この金属メッキをしたような表皮蛋白は体にとって異物と認識され、こうした抗原情報を持ったTリンパ球が作られている体の状態を感作といいます。
しかしこの時点では体にアレルギー症状が出るわけではありません。一度感作が起こり、次回抗原(同じ金属)が身体に侵入すると、それに体がアレルギーという拒絶反応を起こすことがあるのです。これが金属アレルギーの正体です。

金属の腐食

金属アレルギーは金属が見えない程度溶けるだけで起こりますから、目で確認することは通常できません。しかし金属の溶出がひどい場合には、溶けた金属が抜け落ちて図のように人工歯の表面がボツボツになることもあります。お口の中に色々な違う金属が入っているときにこの傾向が特に強く出ます。

皮膚科で金属アレルギーのことをDental Metal Eruption(DME)歯科金属疹と呼ぶくらいですから、歯科と金属アレルギーの関係は切っても切れない関係にあります。
一時期テレビ等で金属アレルギーの特報番組がいくつかありましたので記憶にある方もいらっしゃると思いますが、原因不明と言われて病院を転々としていた人が、口の中の金属を全部外したら病気が治った報告、起き上がることもできずに日常生活が満足に送れなかった若い女性が、同じように金属を外して元気になった報告が画面に映し出されたかなりショッキングな内容でした。
私の医院でも金属アレルギーのために顔面から手は言うに及ばず、全身まで湿疹や水泡のようなものができて外にも出られなかった女性を筆頭に、金属アレルギーを持っていらっしゃる方が大勢お見えになられます。

身近なものでは、ピアスの付近が赤くなったり、指輪やネックレスが皮膚と接触する場所に赤味や吹き出物が出たりするのも金属アレルギーの疑いが濃いものです。
高価なピアスでは起きないのに、安いピアスではアレルギー反応を起こすことが多いように、アレルギー反応を起こす原因金属は人によって違うとはいえ、ニッケルやコバルト、クロムなどの安い金属が原因になっていることが多いのが現状です。

真夏や運動後など汗をかいたときだけに症状が出ることもあります。
これは汗という水分に金属が溶け出した結果なのです。電極(二種類の違う金属)と電解質(汗)が、ちょうど電池の仕組みに似た状態になるのです。
電位の違う金属間を電解質が仲介して電子が流れる、すなわち感じないほどほんのわずかな電気が流れるのです。こうして金属イオンがどんどん電解質に溶け出してくることになり、それに身体の免疫反応が起きたときに金属アレルギーとなって症状が出ます。

汗はかいたときだけの問題で終わるかも知れませんが、口の中は乾くことがないために化学反応が途切れることなく続くのですから想像するだけでゾーッとしますね。
歯を治療するときは、できることならアレルギーを起こしにくい材質にされることをお勧めします。

さらに怖いことは金属イオンが身体に蓄積することです。また金属アレルギーはⅣ型アレルギーで遅延型とも呼ばれ、T細胞やマクロファージなどの細胞が関与するため症状が遅れて出ます。
その人の体質や金属がイオン化して溶け出す量、その期間によって発症の有無や程度、潜伏期間すなわち発症時期が変わるといわれています。つまり、今現在症状がないからといって安心できないということです。一度お口の中の金属を総点検してみてください。仮に金属アレルギーが発症しなくとも重金属の体への汚染は起こりますので、解毒の項で述べたように身体への負担を考えなくてはなりません。有害重金属の汚染は、全ての人の問題であるといえるでしょう。

金属アレルギーのお話し

金属アレルギーはリンパ球という免疫を担う細胞と金属イオンとの反応によって起こります。人によって反応が違うため、発症する人、しない人、その症状の程度は様々です。
東京歯科大学での600名を対象とした金属アレルギーの検査の結果、いくつもある金属の中で1つも陽性反応(金属アレルギー反応)がなかったのは約半数でした。これを単純に日本人の平均とするには無理がありますが、かなりの方々に何らかの金属アレルギーがある可能性があります。

当院でも予診の際必ず確認する事項のひとつとしておりますが、以前より金属アレルギーをお持ちの方が増えてきたような実感がします。
その陽性反応を示す人は、50代が最も多く、次いで60代、40代となっていますから、発症まである程度の年数がかかるのか、それともいろんな金属に触れる機会が人生の長さとともに増えるためなのか定かではありません。
陽性反応を示した金属はニッケルが最も多く、亜鉛、パラジウムがこれに続いています。奇妙なことにこれらの金属は健康保険で使われる歯科材料です。

アクセサリーなどと違って簡単に身体から外せない上に、風呂の中のヘヤピンがあっという間にサビる事からおわかりのように体温という温度、唾液という水分が金属をサビさせ、金属イオンを放出します。
しかし歯科材料も進歩し、金属を使わない治療も選択が可能になってきています。

歯科と金属アレルギー 

歯科的にみれば残念ながら日本はアレルギー後進国で、欧米では問題視されている金属が堂々と健康保険に使われています。高齢化によって保険財政が厳しいためによい金属の使用が難しいとはいえ、この情報はオープンにして国民に判断する材料を示すべきだと思います。

人によってアレルギーを起こす原因金属は違うとはいえ、金属アレルギーと診断される方々に頻度の高い金属、言い換えれば多くの人に金属アレルギーを起こしやすい金属があります。
その最たるものが、金属と水銀の化合物であるアマルガムで、歯に詰め物として使われています。日本の厚生労働省やアメリカのFDIでは問題がないとされていますが、ヨーロッパでは規制があります。また水銀の溶出に不安を指摘する声も一部にあります。日本の健康保険でも長らく使われていました。

次いで頻度が多いのがニッケル、コバルト、クロムで、安い装飾品にも多く使われています。これらの金属は、アレルギー頻度が高く発癌性が証明されており、欧米ではニッケルを1%以上含んだ歯科用金属使用が禁止されている国もあります。日本では規制がなく、健康保険で使用されています。

また、金銀パラジウム合金は、日本の健康保険で主に使われる金属です。成分から見るとその主体は錆びやすい銀合金で、特に問題なのが含まれるスズとパラジウムです。アマルガムに含まれる水銀、先ほどのニッケル、コバルト、クロム、銀合金によく含まれるスズ、そしてこのパラジウムは金属アレルギーを起こしやすい金属のトップ6に入る金属です。

一方、健康保険外で使われることのある低カラット金合金は、金に多くの他の金属を混ぜて合金にしたものです。金属単価を下げる目的で金に混ぜた、たくさんの非貴金属の中に金属アレルギーを起こしやすい金属が混ぜられていることが多く、それが問題になることがあります。金合金だから安心とは限らないと言われると何を選べばいいのかお困りでしょうが、当院ではどの方にアレルガーがでるか完全に予想できないためにそうしたアレルギーを起こしやすい金属の混ぜ物が入っていないバイオメタルと呼ばれる特殊な金合金を使っています。

歯科用アマルガムの不安

スウェーデン政府は、今年の1月15日に環境汚染防止のため6月1日から同国内の水銀の使用を全面的に禁止すると発表しました。これにより水銀を利用する歯科用アマルガムも規制の対象となるようです。一方で米国歯科医師会は米国における禁止措置の必要性はないと主張しています。以前から歯科用アマルガムに対して寛容な判断がなされてきた米国らしい反応ですが、米国追随の多い日本でも つい最近まで健康保険の対象でした。

日本では水俣病で水銀が問題視されてきました。スウェーデン政府の発表では「水銀は分解不能な物質であり、環境汚染のみならず脳やメンタルヘルスにも影響する。今回の措置により、環境および人体を水銀汚染から保護することが可能になる。またEU加盟ヨーロッパ諸国全体として検討すべきである。」とコメントしています。それに対し米国では使用済み歯科用アマルガムの約80%が回収されており、アマルガム規制により医療費が年間約7400億円上昇するとの試算も紹介して反論しています。

環境か経済、どちらを優先するのかの問題のようです。先日のテレビ放映で、日本で行われている保険の銀歯の問題を取り上げていましたが、その対応策としてコンポジットレジンというプラスチック樹脂が勧められていました。これも現在保険の対象になっていますが、前歯ならいざ知らず、奥歯では磨り減ることなどしっかり噛んで歯を長持ちさせる耐久性に問題があります。当院では記憶にないほど以前からアマルガムは使用しておりませんのでご安心下さい。

金属アレルギーから身を守るには

ではこうした金属アレルギーから身を守る方法はないのでしょうか?
先ほど述べた食の問題、身の回りの金属や革製品、化粧品、などに注意することと、歯科の立場からは有害またはその恐れのある金属を使った治療を受けないことです。

では金属アレルギーを起こしにくい金属とはどんなものでしょうか。高カラット金合金は、金の比率が多く体に優しい金属ですが、前に述べた低カラット金合金と同じく多少混ぜた他の非貴金属に注意が必要です。しかし日本ではそこまで厳密でないのが現状です。

金属アレルギーを起こしやすい金属を含まない特殊な金属を選べば、物性としては歯科材料に適します。セラミックは金属ではないために金属アレルギーの心配はありませんし、世界で一例も他のアレルギーも報告がない安心な材料です。

またチタンは、アレルギーを起こすことが非常に稀な金属で、また金属にしては軽いのが特徴です。
チタンはインプラント(人工歯根)や人工関節など体内に埋め込んで使用されています。当院でもアレルギー検査の結果非常に多くの金属にアレルギー反応があり、治療に困った患者様がいらっしゃいましたが、その時でもチタンにはアレルギー反応はありませんでした。

このような金属アレルギーを起こしやすい金属を避けるのが賢明ですが、金属アレルギーを起こす自分に合わない金属を調べる方法としてパッチテストがあります。
上腕や背中の皮膚の上に調べる金属溶液などを貼り付け、1から2週間で金属アレルギーがあるかどうかを判定します。検査期間中は風呂にその部分をつけられないことや、汗をかくと判定に狂いが出たりかゆみを伴うことがあるため夏場の検査はできませんが、痛みもなく簡単な検査ですから金属アレルギーの疑いのある方は受けてみられるといいでしょう。

症例や設計によっては選択できる材質に限りがある場合や、選択できても患者さまにとって機能面や審美面などで有利・不利な材質があることがあります。アレルギーリスクとご本人のご希望やそうした事柄などの勘案してご相談しながら材質を選んでいくことが理想でしょう。

金属アレルギーと歯科治療

金属アレルギーに配慮した治療ポイントをいくつかあげてみましょう。

○ 腐食しにくい金属や金合金でもアレルギーを起こしやすい金属が混ざっていない特殊な金合金を使う。

○ 口の中に色々な金属を使わない。できれば一種類の金属が望ましい。
異種の金属が口の中で電池の電極の働きとなり、金属イオンの溶出を加速し金属アレルギーを起こしやすくなると考えられています。また、異種金属間に微量の電流が流れ、歯への障害や、細胞や神経などの体内電流を狂わせるという考え方も一部にあります。避けるに越したことがないでしょう。

○ セラミックなど金属を使わない治療にする。セラミックは、今までに世界で一例のアレルギー報告も無く、歯と同じ色を再現できます。金属アレルギーと審美両方の解決には最適のものでしょう。

歯科治療では金属を使わない治療が困難な場合があったり、別の観点から金属の良さもあります。
当院では、現時点で金属アレルギーのある方だけでなく、貴金属を用いた治療では全ての症例で、アレルギーを起こしやすい金属を含まない特殊な金属を使用しておりますのでご安心ください。

医療技術の進歩により、最近金属を全く使わないブリッジが可能になりました。セラミックだけでブリッジを作ることができるので、金属アレルギーのある人には大変な朗報でしょう。
アレルギー体質の人やアレルギーに不安のある方は、治療計画のご相談時に治療法や材料について長所短所をお話し最適な治療法を決めていきましょう。

食とアンチエイジング

食とアンチエイジング小冊子

今話題のアンチエイジングを食と歯科から見てみました。
歯周病は生活習慣病です。
口の中と全身はつながっており、その関連性がお互いに影響し合っています。

今日からあなたも楽しくアンチエイジングしてください。

第一章 アンチエイジングとは?
    アンチエイジング医療 …他
第二章 食とアンチエイジング
    食養とは?   …他
第三章 身体とアンチエイジング
    フリーラジカルと口の中 …他
第四章 生活習慣病とメタボリックシンドローム
    肥満と歯周病  …他
第五章 歯周病とアンチエイジング
    歯周病の原因  …他
第六章 歯とアンチエイジング
    片方でかむ習慣  …他
第七章 解毒(デトックス)とアンチエイジング
    歯科と重金属汚染  …他

三鷹駅近くの歯医者、高岡歯科医院

〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-2-3ミタカハイム1F
三鷹駅北口徒歩1分

Tel:0120-68-0422

診療時間
9:30~12:00 × ×
14:00~19:30 × ×

診療科目

歯科検診・予防歯科
審美歯科
虫歯
ホワイトニング
歯周病
インプラント
入れ歯

診療時間

午前 9:30 - 12:00
午後 14:00 - 19:30

休診日

水曜・日曜・祝日
※祝祭日のある週の水曜日は診療